夏のハードトレーニングを支える
「リカバリープログラム」

長期休暇に入り部活動の時間が長くなると疲労も積み重なります。そこで「すぐに、効率的に疲れをとりたい」という学生アスリートのために、夏特有のリカバリー方法を紹介します。
学生アスリートにとって、
夏の時期に必要なリカバリーは?

猛暑が続く中で「ハードトレーニング」を行うなら、「ハードリカバリー」をセットで行うことを意識することが大前提となります。
まずは「①水分補給をして脱水を防ぐこと」。夏場は特に脱水症状からくる肉離れが起こりやすい傾向にあります。次に「②熱(体温)を早く下げること」。暑熱対策として特に重要なアイシングでカラダを物理的に冷やします。アイスパックなどは常に備えておきましょう。さらに「③食欲減退を防ぐこと」。暑さで食べられなくなるアスリートも多くいますが、カラダを回復させるための栄養素を食事でしっかり補いましょう。
リカバリープログラムとは?
「リカバリー」とは、筋疲労、水分不足、メンタル疲労などの消耗状態から回復しようとすることをいいます。「以前のパフォーマンスに戻すこと」と「以前を超える能力を得ること(超回復)につなげること」で、目的は2つあります。各自のトレーニングに見合ったリカバリーが必要になりますが、時間軸を持ったリカバリーを組み合わせた「リカバリープログラム」を活用するとより効果的です。
午前中に練習や試合がある時

午後に練習や試合がある時

最大のリカバリーともいえる「睡眠」は8時間以上を理想とし、少しでも質の良い睡眠がとれるよう工夫していきましょう。また「コンプレッションウェア」を着用することでトレーニング後の疲労軽減や血流促進を図るのも有効です。最近、特に重要視されている「冷水浴」で、表面からカラダを冷やすことで筋肉の過剰な消耗を防ぎ、疲れが溜まりにくくなります。
休み明けに、急激にハードトレーニングをするとケガのリスクが高まることはよく知られています。ストレッチの時間や練習強度、アップの流れを変えるだけでなく、リカバリープログラムの長さや量をその日の疲れ方に合わせて調整するとよいでしょう。
監修者

吉田直人さん
CSCS、NSCA-CPT、NSCAジャパンマスターコーチ
育成年代からプロ選手まであらゆる競技のアスリートを指導。ジャパンラグビートップリーグの Honda HEAT で5年間、ヘッドS&Cコーチとして従事。