お塩上手は、お料理上手

素材の下ごしらえから、最後の仕上げのひと振りまで、料理のいたるところで登場する塩。
知っていると役立つ、主な使い方を見ていきましょう。

お塩少々って、どれくらい?

お料理によく登場する“お塩少々”“お塩ひとつまみ”。目安にするのは“お塩少々”が親指と人差し指の2本指でつまんだ量、“お塩ひとつまみ”が中指も入れた3本指でつまんだ量です。右に塩の目分量の目安をご紹介します。まろやかで深い味わいの「瀬戸のほんじお」であなたのお料理のおいしさをアップさせてください。

お塩の決め技“もみ” “漬け” “振り”

お塩の3大決め技をご存じですか。この“もみ”“漬け”“振り”を念頭において、お料理してみましょう。お塩の使い方が上手になれば、お料理の腕前も上がります。

もみ 野菜にお塩を振り、丹念に手でもみ込むこと。このひと手間で野菜から余分な 水分が抜け、シンナリとして味もなじみやすくなります。白菜、きゅうり、大根など、多士済々の野菜の調整に役立つこの“塩もみ”。“青菜に塩”のことわざも、このときばかりは旨し味の技となります。
漬け 字のごとく、野菜などをお塩に漬け込むこと。素材の余分な水分を引き出してシンナリとさせ、外からの味をしみ込みやすくします。また塩漬けにより、漬け物にとって必要な乳酸菌なども適度に発育。おいしい塩味をつけるとともに、保存性も高めます。
振り 調理前の魚や肉に塩を振る「振り塩」のことです。身が引き締まり、臭みが抜け、そのうえ、焼いたときに表面がすばやく固まるのでうま味を逃がしません。魚ならば重さの2~3%を目安とし、調理の30分~1時間前に。肉ならば重さの1%を目安に、調理の直前に。素材の30センチほど上から均等に振るのがコツです。

ひと味ちがう、お塩の使い方

調理前の魚や肉に塩を振る「振り塩」のことです。身が引き締まり、臭みが抜け、そのうえ、焼いたときに表面がすばやく固まるのでうま味を逃がしません。魚ならば重さの2~3%を目安とし、調理の30分~1時間前に。肉ならば重さの1%を目安に、調理の直前に。素材の30センチほど上から均等に振るのがコツです。

立て塩 魚や貝類を洗うときは、真水で洗わず、必ず塩水で洗いましょう。素材のうま味が逃げず、余分な水を吸わずにすみます。これを“立て塩”といい、3~4%の食塩水が適当です。
紙塩 魚などを水や酒で濡らした和紙で巻いて、その上から塩を振ること。和紙の水分で塩が溶け、素材に平均してうっすら塩味をつけることができます。
化粧塩 魚を塩焼きにするときに、焼き上がりをきれいにし、焦げにくくするために、焼く直前にお塩を振ること。強火で焼くとお塩が白く浮かび、味も香りもよくなります。
呼び塩 塩水に素材をつけて、塩抜きをすること。真水ではなく1~1.5%の塩水につけると、素材の表面と内部の濃度差が小さくなり、塩が抜きやすくなります。
塩ゆで 塩水でゆでること。青菜や枝豆をゆでるときは、1~3%の塩を加えて“塩ゆで”すると、緑色が鮮やかにゆであがります。
塩じめ 生の魚にたっぷりとお塩を振りかけ、脱水させて身を引き締めること。塩じめは臭みを取る効果もあります。このあと酢に漬けるとおいしい酢じめに。
ベタ塩 器に塩を盛ってその中に魚を入れ、たっぷりと塩をまぶすこと。べったりと身全体に均等に塩がつくことから“ベタ塩”と呼ばれています。身が引き締まり、味もよくなります。
ヒレ塩 化粧塩の一種で、魚を焼くときに、ヒレや尾にお塩を厚くつけて焼くこと。焦げず崩れず、美しく焼くことができます。