アテネ2004パラリンピック競技大会から6大会連続でパラリンピック競技大会に出場。北京、ロンドン、東京の3大会では競泳チームの主将を務める。パリ2024パラリンピック競技大会では16年ぶりの自己ベストを更新、金メダルを含む4つのメダルを獲得。パラリンピック通算メダル獲得数は「14」。2021年、2024年に紫綬褒章を受章。2021年には日本人初のIPCアスリート評議会委員に選出され、2024年9月まで務めた。
日本のパラ水泳を牽引する“レジェンド”として活躍を続けている。
6歳から水泳をはじめ、15歳から本格的な競技の世界へ。その2年後のアテネ2004パラリンピック競技大会に出場し、4×50mメドレーリレーで銀メダルを獲得。6大会連続出場となったパリ2024パラリンピック競技大会では、4つの個人種目すべてでメダルを獲得。パラ水泳のレジェンドとして、20年にわたり最前線で活躍を続ける鈴木選手が考える、「アスリートという生き方」と「食」の関係とは?
パリ2024パラリンピック競技大会を前に、味の素(株)とパートナーシップ契約をした鈴木選手。すでにパラ水泳のレジェンドとして活躍を続けてきた鈴木選手であっても、改めて「食と栄養」のサポートが必要と感じたという
味の素(株)とのパートナー契約は私からの提案です。味の素(株)から連盟に提供されるサプリメントなどの味の素(株)製品は競技にも役立っていましたし、私生活でも活用していました。特にイギリスに住んでいた8年間はなかなか日本食が手に入らず、栄養が偏りがちで課題を感じることが多々ありました。だからこそ、栄養面で選手をサポートしている味の素(株)とはいい関係が築けるのではないかと考えたんです。
鈴木孝幸選手へのサポート
「パリ2024パラリンピック競技大会の決勝のレース前に「アミノバイタル® MOMENT®」を忘れて⾛り回ったことがあるほど、「アミノバイタル®」は活⽤しました」と語る鈴木選手。
普段は「アミノバイタル® GOLD」や「アミノバイタル® パーフェクトエネルギー®」を愛用している鈴木選手ですが、大会では“瞬間”ブーストアミノ酸(アスパラギン酸)が配合されている為、その瞬間のために“持てるパワーを引き出す”「アミノバイタル®MOMENT®」を好んで使用しています。
東京2020パラリンピック競技大会の直後には、今後の進退を「未定」と話していた鈴木選手。6度目のパリ2024パラリンピック競技大会に出場したのは、アスリートとして改めて自身の身体と向き合ったからだという。
一時期、肩の調子が思わしくなかったのですが、泳法やトレーニングなどを見直すことでだいぶ改善されてきました。自分の身体はまだ限界には達していない、まだ第一線で戦えると思いました。
たとえスランプであろうが「とりあえずやるしかない」という気持ちは常にあります。自分のやるべきことをやる。例えば、日々のトレーニングは同じことの繰り返しですが、そこに自分なりの興味関心、テーマを持つことによって集中力を維持することができます。積極的に楽しめる要素を、自分から見つけていく。それが、長く続けることの秘訣と言えるかもしれません。
厳しいトレーニングや試合の中にも楽しみを見出すことができるかどうか。それは鈴木選手だけでなく、トップで活躍できる選手の条件といえるかもしれない。
日本のパラ水泳のトップ選手として、より高みを目指す鈴木選手。その長年に渡る経験は、もちろん、後続の選手たちにとっても大きな糧となっている。
今では20代中盤の選手たちも着々と実力を重ね、世界大会でメダルを狙えるようになりました。パラ水泳発展のためにも、自分のノウハウは惜しみなく提供したい。ただ一方で、アドバイスすることの難しさも実感しますね。自分の常識を押し付けすぎても良くないけれど、厳しさを持って伝えなければいけない場面もあり.....。難しいところですね。
パートナーシップ契約を結ぶ前から、「味の素(株)の食と健康の課題解決への取り組みに関心があった」という鈴木選手。
味の素(株)には健康寿命の延伸に関するエキスパートの知見があり、スポーツそのものは健康寿命の延伸に良い効果があることなので、そこを掛け合わせて、障がいのあるなしにかかわらず健康寿命を伸ばすことに取り組んでいきたいです。
今後の社会においても必要なことだと思うので、ニーズはあると思いますし、自分自身の興味があることなので積極的に取り組んでみたいです。
PARAPHOTO / Nobuyuki Ichinotani
「障がいが有る無しに関わらず、水泳を通じて相互理解を深めるきっかけを作るためにインクルーシブな水泳大会を実施したい。大会は関わる全ての人が多様性を認識し、共生社会の心を自然と育めるようなものにしたい。」という、鈴木選手の強い想いから生まれたのが『鈴木孝幸杯インクルーシブ短水路水泳競技大会』です。
2024年11月24日に横浜国際プールで開催され、味の素(株)も協賛しました。オリパラのポイントを活用することで障がいの有無によらず競争ができることが特徴で、健常者99名、聴覚障がい者4名、身体障がい者・知的障がい者94名の合計197名が431種目に出場。この日、初めて大会で泳ぐ方もいる中、真剣勝負を楽しんでいました。
誰もが自分らしく生きられる社会を目指し、鈴木選手と味の素(株)の挑戦はこれからも続きます。