
1988年生まれ、長野県北安曇郡白馬村出身。10歳でノルディック複合を始める。トリノ2006冬季オリンピックに17歳で初出場。オリンピックには10年バンクーバー出場後、14年ソチ、18年平昌とノーマルヒル個人で2大会連続の銀メダルに輝く。ワールドカップは初優勝した11年シーズンから8年連続で3位以内を記録。17-18シーズンに初の総合優勝。北京2022冬季オリンピックではラージヒル個人、ラージヒル団体でともに銅メダル。3大会連続でメダルを獲得した。ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックで6大会連続のオリンピック出場となり、25-26シーズンでの現役引退を表明している。
ノルディック複合はジャンプとクロスカントリーの成績で順位を競う。ジャンプの瞬発力とクロスカントリーの持久力、2つの異なる能力が求められる過酷な競技だ。ベストパフォーマンスのためには、インターバルの3時間(180分)の過ごし方が勝負の鍵を握る。
「ビクトリープロジェクト®」は渡部選手の180分にフォーカスし栄養戦略を構築する。
ーPROJECT180ー
2つを両立させるため、インターバル180分の栄養戦略を構築。
遠くに飛ぶからだから、早く走り切るからだに転換する。
ーPROJECT180ー
2025年6月
コンディショニング調査。いつ、何を、どのくらい摂ると、からだがどのように変化するのか数値化し、渡部選手の感覚と数値にズレがないかも含めて確認を行った。
合宿での数値を分析し、現時点での渡部選手のトレーニング期におけるエネルギー消費量や栄養摂取状況を把握した。
2025年7月
合宿での数値と科学的エビデンスを参考に、クロスカントリーで消費される筋グリコーゲンの量と、インターバル(3時間)で効率的に筋グリコーゲンの合成速度を高めるために必要な炭水化物摂取量を推定。
上記を踏まえ、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの
インターバル180分の栄養戦略「PROJECT180」を立案。
「咀嚼がしたい」という渡部選手の要望に応え、「ほんだし®」を活用した小分け・だし入りのおにぎり「Power Ball®」と、固形物をよりスムーズに吸収するための「だし湯」の活用がポイント。
「緊張していて食欲がわかない」「試合の合間は時間が短くて食べられない」といった理由で、食べずにいると試合に必要な栄養が摂れなくなってしまいます。
「Power Ball®」の大きさはおにぎりの約半分(50g)。消化をよくするため具材は入れず、だしのうま味で食欲を刺激します。小ぶりで、緊張時や忙しい時にも手が出しやすく、補食として大人気のメニューです。
2025年9月~
ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックの本番会場で行われたテストイベントにて、「PROJECT180」のトライアルを実施。試合当日の導線の中で栄養戦略を試すことで、栄養の摂取タイミングやボリュームの改善点を洗い出す。「PROJECT80」のブラッシュアップはギリギリまで続けられる。
悔いを残さぬと引退を決めた25年春、「ビクトリープロジェクト®」上野との対話から、競技人生最後の「180分」を見つめ直す
プロジェクトが始まった 。それは長年の栄養戦略さえゼロから見直すことも含む、「変化に対する勇気」を試す挑戦でもある 。結果よりも、自らの「変化や向上」にこそ、根源的な楽しさを見出してきた渡部選手らしい選択だ 。
そんな彼が今、何より大切にするのは「心の健康」と「余裕」。
シビアな食事管理で心が痩せ細った過去を越え、オリンピック特有の期待という波に飲まれず、静かに”波待ち”するためだ。
このプロジェクトを支える味の素のサポートは、「迎え入れてくれる家族のよう」だと語る。「これ以上のサポートはない。あとはメダルを信じてもらうだけ」。競技の集大成へ。簡単ではないと知るからこそ、ただ一日一日を大切に過ごしていく。

“アミノ酸のはたらき”を活用して「TEAM JAPAN」をサポートし、
コーポレートメッセージである“Eat Well, Live Well.”の実現を目指します。