Q. 賞味期限と消費期限の違いは何?決め方は?

A. 賞味期限と消費期限は、品質の劣化速度によって表示が区別されています。

期限表示には「消費期限」と「賞味期限」があり、品質の劣化が早いものは「消費期限」、品質の劣化が比較的緩やかなものは「賞味期限」を、製品に記載します。
味の素(株)の製品は、すべて「賞味期限」表示です。ただし、開封後や決められた方法で保存していない場合には、期限前でも品質が劣化していることがあります。逆に保存方法通りであれば、期限が切れてもすぐに食べられなくなるわけではありません。目安としてご利用ください。
また、食品表示基準上の加工食品については、容器や包装の表示可能面積が30cm2以下のもの、品質の変化が極めて少ないものは、表示の省略ができます。

期限表示が省略できる食品

1. でん粉

2. チューインガム

3. 冷菓

4. 砂糖

5. アイスクリーム類

6. 食塩およびうま味調味料

7. 酒類

8. 飲料水および清涼飲料水(ガラス瓶入りのもの(紙栓を付けたものを除く。)またはポリエチレン製容器入りのものに限る。)

9. 氷

期限表示が省略できる製品例

期限表示が省略できる食品の例:瀬戸のほんじお®、味の素®、瀬戸のほんじお® 焼き塩

期限表示が省略できる食品の例:瀬戸のほんじお®、味の素®、瀬戸のほんじお® 焼き塩

品質が長期間変わらないため、サラサラしていれば何年でもお使いいただけます。

A. 賞味期限・消費期限は、消費者庁のガイドラインを踏まえ、各食品企業が設定します。

賞味期限・消費期限は「食品表示法」第四条の規定に基づく内閣府令「食品表示基準」で定義されています。わかりやすく表現すると、賞味期限は「おいしく食べられる」期限、消費期限は「安全に食べられる」期限です。
期限の決め方については消費者庁の「食品表示基準について」において次のように書かれています。「消費期限又は賞味期限については、食品の特性等を十分に考慮した上で、客観的な試験・検査を行い、科学的・合理的に設定すること。」
各食品企業は、消費者庁「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を踏まえ食品ごとに試験を行い、賞味期限・消費期限を設定することになっています。

A. 味の素株式会社では、製品の特性に応じたさまざまな試験結果をもとに賞味期限・消費期限を設定しています。

味の素グループでは、ある一定の保存条件のもと、製品が食品としての価値、お客様に満足いただけるおいしさを持ち続ける期間(賞味期限)を、製品の特性に応じたさまざまな試験を実施して決めています。
おいしさの化学的・物理的変化については、色、味や香りなどの官能検査により評価し、おいしさが保持される限界点を把握します。具体的には、温度条件を変化させて、品質の劣化状況の変化を時系列で調べ、試験結果を元にそれぞれの製品に適した賞味期限を設定しています。

開発段階から発売後まで3つの試験

賞味期限を設定するため、開発段階から発売後まで3つの試験を実施

保存試験は、開発段階から発売後まで次の3段階で進めます。

(1)予備試験
製品ごとに必要と考えられる保存条件や評価項目を選定し、製品開発の初期に、2~3段階に変化させた各種条件で保存試験を実施します。そしてどのような特性がもっとも速く変化し、食品の価値を落としてしまうのか、またその限界点を明らかにします。

(2)保存本試験
予備試験で選定した最終包材※で、実際の製造工程で製造・包装したサンプルを用いて、通常の流通条件と、通常の流通条件よりも厳しい条件下で、2ヶ月、4ヶ月など異なる保存期間の保存試験を行います。保存期間ごとに、予備試験で選定した評価項目を中心に、味覚評価、理化学検査などを行い、賞味期限を設定します。

(3)販売製品での確認
製品発売後、設定した賞味期限が妥当であるか、店舗などの流通に出荷された製品を一定期間ごとに購入して、分析評価して再確認します。
※包材:包装材料

保存条件 ・包装材料、包装形態
・保存環境(温度、湿度、光など)
評価項目 ・官能評価(外観、香り、食感、風味、味など)
・物性検査(粘度、かたさ、粒度、色、流動性など)
・理化学検査(pH、酸価、過酸化物価など)
・微生物検査(一般生菌数、真菌数、大腸菌群、無菌試験など)

TOPIC MEMO

賞味期限と消費期限

食品の期限表示には、消費期限と賞味期限の2つがあります。すべての加工食品には、製品の特性に応じて、消費期限又は賞味期限のどちらかを表示しなければなりません(一部の製品を除きます)。

消費期限とは

定められた方法で保存した場合において、腐敗、変敗、その他の品質劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日のこと。消費期限を過ぎた食品を食べないようにしてください。

品質の劣化が急速に進む商品

品質の劣化が急速に進む

弁当、調理パン、惣菜、生菓子類、食肉、生めん類など

賞味期限とは

定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日のこと。製造日から賞味期限までの期間が3ヶ月以上のものは、年月での表示ができます。
賞味期限を過ぎても必ずしもすぐに食べられなくなるわけではないので、食べられるかどうかは、消費者が個別に判断する必要があります。

比較的、品質が劣化しにくい商品

比較的、品質が劣化しにくい

スナック菓子、即席めん類、缶詰、牛乳、乳製品など

「賞味期限」とフードロス

日本のフードロスは年間約643万トン(2016年度農林水産省推計)と、世界の食糧援助量約320万トン(2016年国連世界食糧計画調べ)の約2倍となっています。味の素(株)は、2011年より経済産業省および農林水産省とともに製・配・販で連携して「賞味期限の年月表示化」「賞味期間の延長」「納品期限の最適化」を検討してきました。
味の素(株)および味の素AGF(株)の家庭用主要製品は、2018年8月に賞味期限の年月日表示から年月表示への切り替えが完了したほか、再検査・検討の結果品質を維持できると認められた一部製品(※)については賞味期限の延長を実施しました。
※主に容器包装の鮮度保持機能の強化による賞味期限延長