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小児を救った命の水

~輸液療法とソリタ®‐T輸液開発の物語

五十嵐 隆 先生 監修
独立行政法人 国立成育医療研究センター
総長・理事長

ソリタ®-T輸液の誕生と広がり

その様な問題点を解決するため、昭和30年代後半から東京大学医学部の高津忠夫小児科教授を中心とする小児科電解質班が小児の水電解質代謝について研究し、電解質組成とブドウ糖濃度の異なる5種類の輸液用電解質液(ソリタ®-T 1, T2, T3,T3-G, T4号輸液)を昭和30年代に開発しました。これらの製剤を患者の病態に応じて使い分けることにより、患者を救命しその水電解質異常を比較的簡単に改善させることも可能となりました。様々な疾患に罹患した際に水電解質代謝の速度が早い小児は容易に脱水症になります。ソリタ®-T 1号輸液にて輸液を開始し、利尿後にT2号, T3号へと変更してゆく東大小児科方式の輸液方法は簡便で安全に治療できるため、瞬く間にこの輸液製剤が小児だけでなく成人にも使用されることになりました。

昭和38年にソリタ®-T輸液が発売されて以来、50年経った現在もソリタ®-T輸液とそれに準ずる輸液製剤がわが国では広く使用されています。高津先生が中心となって開発した輸液治療法は現在叫ばれている医療の標準化に相当するものであり、わが国の小児の脱水症治療の標準化に多大の恩恵をもたらしたものと思います。

  • 昭和30年代に、高津先生を中心とする研究班により5種類のソリタ®-T輸液が開発され、簡便かつ安全に輸液を行えるようになりました。
  • ソリタ®-T輸液は小児だけでなく成人にも使用され、現在も脱水症治療に多くの貢献をしています。

独立行政法人 国立成育医療研究センター 総長・理事長五十嵐 隆先生

日本小児科学会会長、東京大学医師会会長、
日本小児保健協会理事、日本保育園保健協議会副会長

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