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「だし」の地域性

日本料理の代表的な「だし」原料の節類・煮干と昆布。素材の“おいしさ”を引き出し味をまとめる「だし」の多彩に広がる地域性を見て行きましょう。

節類・煮干編

節類・煮干のルーツは約1300年前

日本で魚類を原料とする「だし」が生まれたと思われるのは奈良時代。「堅魚」と呼ばれた、かつおの煮干のようなものが登場したという記載が残っています。安土桃山時代になると「土佐節」が誕生しました。江戸時代には、土佐藩主が大阪冬の陣のお祝いとして徳川家康に1000本のかつお節を寄与したという記録も残っています。そして江戸時代中期には、「煮干」が登場しました。

節類・煮干

地域の味を生み出す多種多様な節類・煮干

節類は、「かつお節・まぐろ節・雑節・煮干」の4つに分けることができ、現在では業務用から家庭用まで幅広い用途で使われています。料理店などで主に「かつお節」が使われるため注目されますが、全国的には「煮干」も多く使われています。

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昆布編

食べて良し、だしに良し!うま味の宝庫「昆布」

節類・煮干

昆布は、寒流と暖流がぶつかる北海道と東北の一部で水揚げされます。うま味成分の宝庫で、食用としてはもちろんのこと「素材のおいしさを引き出す」「味をまとめる」という「だし」としての素晴らしい機能も持ち合わせています。
昆布は多品種少量生産です。現在、日本では昆布は14属45種あり、浜(地域)や育成方法によって品質区分が決められています。

京料理で利尻昆布が使われる理由

今でこそ私たちの食生活に溶け込んでいる昆布ですが、奈良・平安時代には高級食材として扱われ、庶民への普及がほとんどありませんでした。室町時代「昆布ロード」が確立。江戸時代に入ると「西廻り航路(北前船)」が開かれたことで大阪が大集積地となり、昆布の需要はさらに関西に集中していきます。
1680年頃から大阪でも加工昆布の製造が開始。利尻昆布が京料理になくてはならない存在となったのもこの頃と言われています。江戸後期には東回りでも江戸に運ばれるようになり、昆布の存在は全国に広がっていきました。

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参考文献
「だしの本」藤村和夫著 ハート出版 / 「つゆの今昔物語」岩崎信也著 奥村彪生監修 柴田書店
「昆布の文化誌」大石圭一著 日本うま味調味料協会 / 「昆布博識講座」ヤマトタカハシ(株)資料

一 日本料理の中心に「だし」がある

三 「調味料」の地域性