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「栄養改善学会」減塩ヘルシー弁当への採用レポート

第62回日本栄養改善学会学術総会(平成27年9月24~26日、福岡国際会議場・福岡サンパレスホテルにて開 催)のランチョン弁当に「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用が採用になりました。今回のお弁当のテーマは 「減塩ヘルシー弁当」。しかも、「減塩」だけでなく、「食感も良い」という、よりおいしいお弁当を目指したものでした。 お弁当のような大量調理では温度管理や、調理オペレーションの制約、経時変化、冷凍食材の利用など、かたくなる要因がたくさん。でも、おいしいお弁当を提供したい。そんな思いにお答えできればと「 献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用をご紹介。試作を重ねて最終のレシピが決まり、採用になりました。その工夫点、分析結果、食べた方々のアンケートなどをご紹介いたします!

「栄養改善学会」減塩ヘルシー弁当への採用レポート

採用メニューの課題と工夫

博多減塩ヘルシー弁当

メニューを考えた際、加熱により烏賊がかたくなったので、海老だけにする予定だったそうです。「 献 立さん」やわらかアップお肉・お魚用をご紹介し、 1%、2%、3%添加し、比較試食したところ、2%で じゅうぶんな効果が感じられたため、今回は1.5% 添加での採用となりました。

松花堂減塩ヘルシー弁当

減塩醤油を使用しつつ、柑橘の香りを活かすことで おいしく減塩に成功。しかし、冷めた時の身のしま りに少し課題が。こちらも、「献立さん®」やわらか アップお肉・お魚用を1%、2%、3%添加して、比較 試食し、今回は約3%添加での採用となりました

漬け込みによる変化・分析値

私たちが日々行っている栄養計算。栄養は目に見えないからこそ、実際の分析値はどうなのか気になるところ。今回のお弁当では、計算 値だけでなく、実際に分析し、栄養価の確認が行われました。漬け込み調味料の栄養計算は、体内に入る量を前提とし、分析値を参考 に設定されましたので、合わせてご紹介いたします。
※以下の分析は、学会で使用した食材とは異なります。同様レシピで、弊社で調達した食材での分析となります

■「献立さん®」やわらかアップ お肉・お魚用への漬け込みによる変化

鰤(冷凍)における分析結果(100g中)分析:日本食品分析センター

 
コントロール(自然解凍)
  • ・「献立さん®」やわらかアップ お肉・お魚用 2.85%
  • ・水100ml
調理なし(生)で分析 調理なし(生)・ 漬け込み後に分析
鰤 鰤
カリウム(K) mg 372.0 206.0
ナトリウム(Na) mg 144.0 202.0
食塩相当量 g 0.366 0.513
グルタミン酸 mg 13.0 24.0

キャラ

見た目の変化

コントロールは冷凍魚を冷蔵庫解凍したもの。ドリップがでて、表面に弾力がありません。「献立さん®」やわらかアップ お肉・お 魚用に漬け込むと、写真(②)のように保水され、表面に弾力がでます。


減塩調理で気になるナトリウム、カリウム、グルタミン酸の変化

今回、使用した「献立さん®」やわらかアッ プ お肉・お魚用は、2.85%。この中に含まれるナトリウムは428mg、カリウムは 0.5mg。浸漬により吸収したナトリウム は、表より58mg(②-①)で約14%でした。また、カリウムは浸水による流出で、-166mgでした。おいしさにも関係するグルタミン酸は11mg増加していました。

■調味液への漬け込みによる変化

鰤(冷凍)における分析結果(100g中)分析:日本食品分析センター

 
味付け調味料のみ
  • ・味付け調味料
  • ・「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用 2.85%
焼成調理後に分析 焼成調理後に分析
鰤 鰤
カリウム(K) mg 355.0 325.0
ナトリウム(Na) mg 259.0 468.0
食塩相当量 g 0.658 1.190
グルタミン酸 mg 117.0 188.0
漬け込み調味液からのNa吸収 115.0 324.0
漬け込み調味液のNa 201.4 630.0
漬け込み調味液のNa吸収率 57% 51%

漬け込み調味料 魚100g当り
分量(g) Na
柚子果汁 8.6
減塩しょうゆ 8.6 88.6
本みりん 8.6
お塩控えめの「ほんだし®」 1.4 112.9
砂糖 2.9
2.9
「献立さん®」
やわらかアップ お肉・お魚用
2.9 428.6

キャラ

見た目の変化

焼き魚は表面が乾燥し、かたくなりがちですが、今使用した「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用を使用したものは、表面がしっとりして、焼き魚の際によくおこる反り返りがなく仕上がった。これは、「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用により、魚繊維がゆるんだことが原因と考えら れます。


減塩調理で気になるナトリウム、カリウム、グルタミン酸の変化

今回、下味用の調味料に「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用を2.85%溶かして漬け込みましました。
「献立さん®」やわらかアップお肉・お魚用を使ったものの方が、Na値が+209mgでした。浸漬した調味料の合計Naは630mgであり、コントロール品との差(④ -①)は324mgであったことから、調味液への浸漬により、約半分のNaが吸収されたことが確認できました。このことから、味付け調味料の50%を栄養計算に含むこととし、栄養計算値と分析値との比較検証も行われました。また、グルタミン酸は71mg増加していました。

■調味液への漬け込みよる変化

今回の「減塩ヘルシー弁当」は、
栄養計算と分析値の比較も行われました。

本学術大会における減塩ヘルシー弁当の取り組み

 「和食」は日本の伝統的な食文化としてユネスコ無形文化遺産に登録され、栄養バランスに優れ、低脂肪・低エネルギーですが、食塩が多く、高血圧の発症予防・重症化予防への対策が不可欠です。世界保健機関(WHO)が2013年1月に公表したガイドラインでは、成人1日あたり食塩5g未満、カリウム3,510㎎以上を提示していますが、平成25年現在、日本人の成人男女平均摂取量は各々、11.9gと2,400mg、9.4gと2,200mgで、食塩は約2倍、カリウムは約3分の2で、食塩は過剰、カリウムは不足の状況です。
 そこで、調理の工夫と減塩調味料・食品を利用することで、600kcal前後で主食・主菜・副菜 が揃った、「おいしい和風減塩ヘルシー弁当」を開発しました。
 弁当については、栄養計算だけでなく成分分析とアミノ酸分析を行い、アミノ酸スコアが100 で栄養価が非常に高いたんぱく質と炭水化物・食物繊維が十分含まれ、ナトリウムが低値に抑えられていることが確認できました。一方、カリウムの分析値は計算値の約半分で、調理による損失が大きいことが明らかになり、NaをKに置換した減塩調味料の意義が確認されました。

先生

早渕仁美先生

略歴
現 職:(公)福岡女子大学大学院人間環境 科学研究科、国際文理学部食・健康学科長教授
専 門:公衆栄養学、実践栄養学
活動等:日本栄養改善学会・日本健康栄養システム学会・日本食育学会理事、日本高血圧学会減塩委員会/チーム医療委員会委員、平成17年厚生労働省農林水産省フードガイド策定委員会委員、福岡発食育&食環境整備ネットワーク会長、など多数兼務

「ヘルスケア・レストラン」2015年12月号掲載

お弁当を食べた方へのアンケート調査

n=435 第62回日本栄養改善学会学術総会アンケート調査より

  • 年齢
  • 性別
  • 所属
  • 美味しいと思いましたか?
  • やわらかく食べやすかったですか?
  • 減塩料理を作ったり選んだりしていますか
  • うま味(グルタミン酸)が減塩弁当の美味しさに役立っていると思いますか
  • コメント

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