HOMECORYNEX®の特徴CORYNEX®とは

CORYNEX®の特徴

CORYNEX®とは

 グラム陽性細菌Corynebacterium glutamicumを用いた新規のタンパク質・ペプチド分泌発現系(Corynebacterium Expression System)です。
 CORYNEX®システムにおいては、異種タンパク質・ペプチドは直接培養液中に分泌発現されます。分泌されたタンパク質は正しい立体構造を保持しているため、菌体破砕やリフォールディング等の操作は必要ありません。また、C. glutamicumは宿主由来のタンパク質をほとんど分泌せず、エンドトキシンも産生しないため、非常に高純度のタンパク質・ペプチド溶液を得ることが可能であり、精製工程を簡略化することが可能です。また、CORYNEX®システムにおいては、50年以上にわたるアミノ酸生産で培われた味の素㈱の技術を駆使した高密度培養や培養スケールアップ等を活用して、従来の発現系では製造が難しかったタンパク質(バイオ医薬、創薬用途タンパク質、各種酵素など)を効率良く製造することが可能です。

既存生産法との比較

既存生産法との比較

拡大画像はこちら


1.高純度分泌発現

目的タンパク質は培養液中に分泌発現されるため、菌体の破砕は不要です。また、 C. glutamicum には本来分泌しているタンパク質がほとんど無いため、目的タンパク質を高純度で蓄積させることが可能です。また、C. glutamicum はエンドトキシンを生成しないため、エンドトキシン除去工程も必要ありません。こうした特長によって、大幅に精製工程を削減したプロセス構築が可能となります。また、タンパク質に加え、ペプチドの分泌発現にも応用可能です。

 右の図は、各種タンパク質を分泌発現させた場合の培養上清を直接SDS-PAGEで分析した結果を示しています。あたかも精製されたかのように高純度で分泌発現されたタンパク質は、培養液上清のままでアッセイや構造解析等に用いることも可能です。

2.分泌後の安定性

C. glutamicumには菌体外プロテアーゼ活性がほとんど無いため、分泌されたタンパク質は安定に保持されます。この特長により、安定したプロセス構築が可能となります。

 右の図は、デキストラナーゼを分泌発現させた例を示しています。培養24時間目までは炭素源(糖)の存在下で培養を行ない、その後96時間目までは糖を枯渇させた状態で培養を継続させました。その結果、培養24時間目までに分泌されたデキストラナーゼは、糖枯渇後も分解されることなく培養液中で安定に存在し続けていることが確認されました。

3.活性型で発現

複雑なジスルフィド結合(S-S結合)を有するタンパク質に関しても活性体での分泌発現が可能です。従って、複雑なリフォールディング工程を必要としません。

 右の図は、分子内に3つのS-S結合を持つヒト上皮細胞成長因子(hEGF)を分泌発現させた例を示しています。SDS-PAGEでほぼ単一バンドとして培養液中に分泌発現されたhEGFは、正しいS-S結合を保持した構造を取っていることが確認されました。また、MCF-7細胞に対する増殖活性を測定した結果、市販されているhEGFと同等の細胞増殖活性を示すことが確認されました。

4.複数の分泌経路を活用

従来知られていた分泌経路であるGeneral secretion pathway (Sec系)とは異なる、新しいタンパク質分泌経路Twin-arginine translocation pathway (Tat系)を利用することにより、従来は分泌が困難であったタンパク質の高分泌発現が可能となりました。

 右の図は、Sec系とTat系における分泌機構の違いを示しています。Sec系では、膜上にあるSec系の分泌装置にある細い穴をタンパク質がほどけた状態で輸送され、細胞外に分泌されてから立体構造を取るのに対して、Tat系では細胞内で立体構造を取ったタンパク質が、立体構造を保持したままで細胞外へと分泌される、という特徴があります。CORYNEX®システムは、こうした異なる分泌経路を利用することにより、異種タンパク質の発現成功確率を向上させることに成功しています。