キム・ヨンヒさんの“ナバッキムチ”(白菜と大根の水キムチ)
春の日差しが暖かなある日、キム・ヨンヒさん(56歳)の新居に招かれました。引っ越したばかりでまだ落ち着かないのでは…という予想に反して、新居はすでにきれいに整頓されています。主婦のセンスが問われるキッチンも、キラキラと眩しく輝いていて驚かされるばかり。そのきれいさは、とてもお子さんがいる家とは思えません。キム・ヨンヒさんの新居は、娘さん夫婦と5歳になるお孫さんとの同居。海外へ留学していた娘さん夫婦が帰国したので、預かっていたお孫さんと共に一緒に暮すことになったのです。お孫さんはほとんどおばあちゃんの手で育てられ、もう幼稚園に行くほどに成長しましたが、昨年までは一日三食、おやつまでもキム・ヨンヒさんが手作りして食べさせていました。もちろん、離乳食からおばあちゃんの手作りです。「おばあちゃんに育てられたせいか、味の好みが大人っぽいんですよ。最近の子供が好まないみそチゲやキムチ、漬けものもよく食べるんです。だから、食べものでの苦労はあまりなかったですね。」
どんなに子供に好き嫌いがなくても、子供が食べるものには気を遣います。辛すぎるものや刺激が強いもの、かたいものなどは避けなくてはなりません。「韓国の伝統食品は健康にいいものがほとんどですから、離乳期が過ぎてからは、わざとキムチをたくさん食べさせました。最初は辛いヤンニョムを水で洗ってあげてたのですが、真っ赤なキムチを頬張る今の姿を見ると、大きくなったなあと実感します。」
子供は汁ものがないと消化が悪いので、水キムチは欠かさないようにしていたと言います。特に春先には必ず「ナバッキムチ」(白菜と大根の水キムチ)を漬けていたそうです。
「ナバッキムチはそれほど辛くもないし、大根、きゅうり、梨といったサクサクした食感の素材がたっぷり入っていて、うちの孫の大好物なんです。汁ものがない日はスープ代りになるし、具はおかずになるし。子供には刺激が少なく、大人には食欲を促すキムチです。漬け方も簡単だけど、漬けたらすぐ食べられるのもナバッキムチのいいところですね。」
実はキム・ヨンヒさんは料理のプロです。お子さんがまだ幼い時においしいおやつを作ってあげるため、趣味も兼ねて料理学校に通い、後に料理の講師にもなったのです。
「ほんとはね、料理が面倒臭くなって、引っ越す時にオーブンやらお菓子道具やらを、全部捨てて来たんです。でも、引っ越してみたらこの家、オーブンがついていたんですよ。」嬉しそうにそう言いながら、数日前にお孫さんとケーキ屋さんに行ったときの話を聞かせてくれました。ケーキ屋さんで孫のジノンちゃんが動物の形をしたクッキーに夢中になっていたので「これおばあちゃん作れるよ。かわいい型を買って帰って、一緒に作ってみない?」って言ったら、「おばあちゃんほんとにこれ作れるの?じゃ、いいや。」と言って急ぎ足で型を買いに行ったのだとか。新しいオーブンから焼きたてのクッキーの香りが流れる日は…お孫さんとおばあちゃんの笑い声が、キッチンを満たすことでしょう。
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ナバッキムチ (白菜と大根の水キムチ)
材料
白菜 |
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200g |
大根 |
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100g |
きゅうり |
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1本 |
せり |
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50g |
しょうが |
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1片 |
にんにく |
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5片 |
万能ねぎ |
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50g |
赤・青唐辛子 |
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各2本 |
水 |
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7カップ |
コチュカル (粉唐辛子) |
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20g |
梨 |
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1/4個 |
塩 |
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少々 |
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1. |
コチュカルは水2カップに浸ける。 |
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2. |
白菜は2〜3cm角に切る。大根は同じ大きさの薄切りにする。 |
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3. |
きゅうりは塩少々で板ずりし、2〜3cm長さの薄切りにする。 |
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4. |
せり、万能ねぎは根を切り落とし、2〜3cmの長さに切る。 |
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5. |
しょうが、にんにくは皮をむき、薄切りにする。 |
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6. |
赤・青唐辛子は斜め切りにする。 |
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7. |
ボウルに材料を入れ、塩少々をふり混ぜて20分ほどおく。 |
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8. |
コチュカルを溶かした汁を綿布でこし、水5カップ、塩を加えて混ぜる。 |
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9. |
7の野菜に8の汁をかけ、薄くスライスした梨を加えて密閉容器に入れ、 室温に一日置いて冷蔵庫に入れて冷やす。 |
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