ジ・チャンスンさんの参鶏湯(サムゲタン)
“参鶏湯はとても手軽で伝統的なメニュー。これ以上の保養食はありません”

誰もが大好きな韓国のスタミナ料理で、参鶏湯ほど愛されているメニューはないでしょう。韓国では「初伏(しょふく)、中伏(ちゅうふく)、末伏(まつふく)」という夏の盛りの三度にわたって、スイカや桃などの果物と一緒に保養食を食べる風習があるのですが、参鶏湯はこのときの定番メニューなのです。
* 夏至の後の第三の庚(こう)の日を「初伏」、第四の庚の日を「中伏」、立秋後の最初の庚の日を「末伏」といい、この日は種蒔き、婚姻などを避けるべき日とされています。
「参鶏湯」は若鶏を長時間煮込むので、元来は「若鶏白熟(ヨンゲベッスク)」と呼ばれていましたが、人参を入れるようになって「鶏参湯(ゲサムタン)」にその名が変わりました。その後、人参の価値と効能が知れ渡るにつれて「参」の字を前におくようになり、「参鶏湯(サムゲタン)」と呼ばれるようになったのです。鶏の内臓を取り除いてきれいにした後、ここに、棗、栗、餅米などを詰めて、人参と一緒に煮込みます。簡単に作れるだけでなく、あとはキムチがあれば他のおかずがいらない料理です。鶏肉は塩をつけて食べ、その後で詰めものの餅米や棗、栗などを食べるのが普通です。
「参鶏湯」は、特別な味付けや正確な分量が必要な料理ではないので、誰もが手軽に作ることができます。だからこそ家庭によって少しずつ作り方が違います。私も、おいしい作り方があると聞けばそれを真似てみたり、あれこれ考えて自分なりのレシピができました。私の作り方は、餅米を綿布に包んで一緒に煮込むやり方。お肉を食べたあと綿布から餅米を取り出し、汁をかけてあげると、まろやかな餅米の粥になるのです。また、ときには皮をむいたじゃが芋を入れて煮込むこともあります。鶏のスープで煮るので、ホクホクのじゃが芋にスープがしみて、とてもおいしいんです。」
子供たちは独立して夫婦二人だけで暮らしていますが、家族が集まるときにはこの「参鶏湯」を作るのだそう。「料理っていうのは、たくさん作って大勢で食べてこそおいしいでしょ。孫たちがおいしそうに食べているのを見るだけでも、とてもうれしいんです」と、笑顔で語るジ・チャンスンさん。「日本でも簡単に手に入る材料でできますから、ぜひ作ってみてください。」とおっしゃっていました。




参鶏湯(4人分)

材料

若鶏
(または鶏1羽)
2羽
棗(なつめ)
5個
にんにく
4片
5個
朝鮮人参
2本
ねぎ
1本
餅米
1/2カップ
10カップ
 
     
  1. 餅米は水に浸ける。にんにくと栗は皮をむく。ねぎは小口切りにする。
  2. 若鶏(または鶏)の内臓を取り除き、水できれいに洗い、1の餅米とにんにく、棗、栗をお腹の中に詰める。
  3. 2の鶏の脚を交差させてひっかけ、中身がこぼれないように閉じる。
  4. 大鍋に若鶏と朝鮮人参を入れ、水を加えて約2時間、じっくり煮込む。
  5. 鶏肉がやわらかくなって骨から離れるようになったら、鶏肉とスープを取り出し、器に盛る。
  6. ねぎと、塩、こしょうを添える。

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