その土地ならではの豊富なバリエーション ―カルクッス
雨がしとしとと降る季節...目に浮かぶのは豪華な晩餐でもなく、山海珍味でもない、アツアツの「カルクッス」。さっぱりした煮干しだしにいろんな野菜を加えたカルクッスは、およそひと月も続くうんざりする梅雨を乗り越えるための料理でもあります。庶民的なメニューのひとつでもあるカルクッスは、サラリーマンの昼食メニューとしてもおなじみ。一時は若鶏を一羽丸ごと使った「タッハンマリ(鶏一羽)カルクッス」や、「バジラッ(あさり)カルクッス」が流行ったこともありましたが、近頃は大きな手長だこを丸ごと一匹入れた「ナッチ(手長だこ)ハンマリ(一匹)カルクッス」に人気があります。カルクッスは、それぞれの地方の個性が表れる食べものでもあります。農村地域では小さなズッキーニやじゃがいもなどを入れ、山間地方では煮干しスープをベースにして作ります。海岸地方ではあさりなどの海産物を入れますし、内陸では牛の脚骨を煮込んだスープに、ズッキーニのナムルと牛肉の具を入れます。南道地方では煮干しのスープにコチュカルを入れ、辛くして食べるのが特徴です。
具の材料
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