ジャン
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塩からいけどあとをひく味 カンジャン(しょうゆ)

韓国カンジャン(しょうゆ)は塩水に大豆のこうじを入れて日当たりの良い所に置き、醗酵させて作ります。醗酵させたカンジャンの元は大豆こうじのもろみをこし取った後、火にかけて発酵を止め、濃厚なカンジャンに仕上げるのです。カンジャンの味は醗酵の間の酵母の作用によって決まります。カンジャンの「カン」は塩からいと言う意味。カンジャンは醗酵によって生まれた有機酸とアルコールから成り、澄んだ色と食欲をかきたてる香り、甘さと塩からさが絶妙にマッチした風味が特徴です。塩分が強いため貯蔵性が高いのですが、保存の仕方を間違えると白い膜ができて、味が変わってしまいます。ですから毎日ジャントクの蓋を開けて日光にあて、殺菌する必要があるのです。韓国カンジャンは年月が経つほどおいしくなるので、ジャントクデにはいくつものジャントクが置かれ、1年もの、2年ものといったように保管されています。しかし、近頃は各家庭でカンジャンを作ることは減り、韓国カンジャンよりもチンカンジャンと呼ばれる醸造しょうゆが主流となっています。

生きている発酵食品 テンジャン(大豆みそ)

カンジャン作りの途中でこし取った大豆こうじのもろみを器に入れ、塩をかけて熟成させると「テンジャン」になります。テンジャンはゆでた大豆からも作ることができ、暖かい場所に埋めて10日ほどすれば、ねばねばとしたチョングッジャン(清麹醤)ができます。チョングッジャンは日本の納豆に似たもので、匂いが強いため苦手な人もいますが、チゲにしたらその味は絶品です。
テンジャンは上質のタンパク質の供給源であるだけでなく、抗癌作用があることが知られてさらに注目されるようになりました。穀物では不足しがちな必須アミノ酸のリジンを多く含んでおり、お米を主食としてきた韓国人にとって、栄養のバランスをとってくれる貴重な食べものです。風味豊かな味わいと独特の香りを持つテンジャンは、昔から“五つの心を持っている”と伝えられています。これは、他の味と交ぜても自分の味を忘れない“丹心”、長い間置いても変わらない“恒心”、油っぽい匂いを消してくれる“不心”、辛い味を和らげてくれる“善心”、どんな料理とも調和する“和心”のこと。これをテンジャンの五つの心と言うのです。

 

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