健康食 韓国料理-にんにく
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にんにく、その効能とは?

韓国料理に欠かすことのできないにんにく
その臭いのせいでいつも厄介者にされていますが、最近は効能がいろいろと明かされ、にんにくの見方が変わってきているのも事実です。アメリカの時事週刊誌である『タイム』誌によるとトマト、ほうれん草、赤ワインなどの健康に良いと知られている食品と共に、にんにくが堂々と「10種類の健康食」のひとつに名を連ねています。『タイム』誌では“西洋人が臭いのせいで拒んできたにんにくには、コレステロールをおさえるなど、心臓に良い成分が含まれている”といって積極的にすすめていました。このように最近はにんにくの人気も上昇中。焼き肉を食べる時、薄切りが少々添えられる程度だったにんにくが、いろんな形で加工されてきたり、また、そのまま生で食べる人も増えてきています。では具体的に、にんにくのどのような効能が注目を浴びているのでしょうか?

にんにくには強い臭いと味のもととなるアリシンという成分が入っています。アリシンには殺菌作用と抗ウィルス作用があり、風邪のもとになるバイ菌やウィルスを殺菌したり阻んだりする役割を果たします。また血液の循環を良くし、有害物質を分解し排泄する役割をも果たしてくれるのです。さらにアリシンはコレステロールをおさえ、血液の凝固を減少させる効果を持っていると言われています。また、ゲルマニウム成分が、腸に酵素を供給し、細胞を活性化させ癌をおさえるとも言われています。肉を食べる時すりおろしたにんにくをタレに入れると、肉の主成分であるタンパク質を凝固させて胃に対する刺激をやわらげる事ができ、消化作用を手伝い食欲をそそる役割もします。また、にんにくは肉独特の臭みも消してくれます。

これらのにんにく成分をしっかり摂取するためには、すりおろしやみじん切りにしたものを生で食べた方がよいのです。長時間煮込んだり、高い温度で調理すると、成分が破壊されてしいます。生で食べるなら一日2片ほど、漬けたものや加熱したものなら2〜3片ほどが適量です。ただし、生のにんにくを食べ過ぎると胃や腸の粘膜を刺激し、腹痛などの原因となります。胃が弱い人や胃潰瘍を患っている人は必ず火に通してから食べてください。

韓国では、初春に収穫する“葉にんにく”(「プッ・マヌル」 プッ=青い・未熟な、マヌル=にんにく)や、にんにくの芽なども料理に使われます。にんにくはそのままコチュジャンをつけて食べたりしますが、ほとんどがサッとゆでてあえ物にしたり、肉やシーフードと一緒に串に刺して焼いたりします。にんにくの芽は、コチュジャンやしょうゆなどに漬けこんで作る貯蔵食品の「ジャンアチ」にしたり、桜えびと一緒に炒めておかずにしたりします。

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