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ASV Story

ASVストーリー

VOL. 03

中華で家族の時間を熱くする
「Cook Do®」
発売40年周年ストーリー

40周年を迎えた
「Cook Do®」ブランドの
新たなコミュニケーション
戦略とは?

中華調味料のトップブランドであり、
日本国民の多くが知る「Cook Do®」。
発売40周年を迎えた2018年には
過去最高の売上を記録し、
味の素グループの社内表彰制度
「ASVアワード」で大賞を獲得した。
なぜ、歴史ある製品に
新しい価値をもたらすことができたのか?
プロジェクトの奇跡について、
開発メンバーの野崎亮彦に語ってもらった。

エピソード

EPISODE

01

食品事業本部
調味料事業部メニュー調味料グループ
※現在はブラジル味の素社 出向中

野﨑 亮彦

Nozaki Akihiko

商学研究科
2005年入社

40周年を目前に控えての課題は、
手応えはあるのに
売上が上がらないこと

「Cook Do®」といえば、タレントの山口智充さんと女優の杉咲花さんが親子役で出演したテレビCMを思い浮かべる人が多いかもしれない。2011年に放送が開始された「食欲全開シリーズ」は、大皿の中華を父と娘が奪い合うように食べる演出が大きなインパクトを与え、業績にも大きく貢献。中華調味料のトップブランドとしての地位を不動のものにしていた。

しかし、発売40周年を目前に控えた2017年当時、「Cook Do®」の売上は横ばいの状態が長く続いていた。

「テレビCM放送後の売上は上がります。でも、それが続かない。プロモーションの手応えはあるのに、業績が伸びないという歯がゆい状態が続いていました。翌年には40周年を迎えるという状況で、我々はコミュニケーション戦略について考え直す必要があったのです」

野崎たちが課題のひとつと感じていたのが、「食欲全開シリーズ」が大きな成功を収めたこともあって、当時は似たような演出をするテレビCMが溢れていたことだった。

「『Cook Do®』のおいしさをシンプルに強く表現できていたのが、『食欲全開シリーズ』の“忘我食い”でしたし、お客様に確実に届いている実感もありました。7年間続けてきたメッセージを変えることにはリスクもあります。でも、おいしいものは世の中に溢れているし、『食欲全開シリーズ』と同様においしそうな演出をするテレビCMも多い。新しい光の当て方を考えなくてはならないと、『Cook Do®』チームの全員で頭を悩ませていました」

「Cook Do®」が本来持っている価値とはなにか――ディスカッションを重ねた結果、あるひとつの結果にたどり着いた。

「我々のものづくりの原点でもある『食卓の悩み』や『食卓に今求められているもの』。そこに立ち返ることにしたのです」

「『お、今日中華?』と
息子が喜んでくれました」
ユーザーの言葉から
答えを見い出す

チームの一員となっていた同僚が過去に実施した市場調査も、コミュニケーション戦略を考え直すのに役立った。

「2017年当時は、餃子や唐揚げなどの冷凍食品や冷凍惣菜の売れ行きは伸びていましたが、手作り用の基礎調味料は伸びていませんでした。お客様は“簡単なもの”を求めていたのです。もちろん、『Cook Do®』も簡単に調理できるのですが、あくまでも料理する必要はあるので、温めるだけで食べられる商品とは手軽さは比較になりません。しかし、そこを逆手にとって、『簡単なのに手作りできる』ということにフォーカスしてみようという流れになりました」

また、主婦に食卓事情を聞いた別の調査では、「子どもが喜ぶものを作ってあげたい」という思いを実現できていないジレンマを抱えていることも浮き彫りになった。

家族全員が食卓に揃う機会が減り、主婦も自ら忙しく働いていて、日々の食事作りをなんとかこなしているような状況。ただし、食事にかける時間を短くしたいというデータがある一方で、『家族が喜ぶ食卓作りを心がけている』というスコアはずっと高いままだった。

「社内調査でも、“気分が上がる食卓”と聞いてイメージするものは、家族の好きなメニューを作ったり、子どもの『おいしい』のひと言だったりします。しかし、調査結果を見ているうちに、実は“家族が喜ぶ食卓”を実現できていない家庭が増えているのではと思いました。『食事の支度は簡単に済ませたい』けれど、『本当は、もっと子どもや家族が喜ぶものを作ってあげたい』という本音があるのではないかと考えたのです」

調査結果を見ると、「子どもに野菜を食べさせたい」という主婦の切実な悩みも見える。子どもが食べたがるものを用意すると肉類中心になるが、その点、中華は肉類・魚類のタンパク質と野菜を組み合わせたメニューが多く、「Cook Do®」なら自然とお肉と野菜をバランスよく摂れる。

「サラダでは解決できない野菜の悩みに、“炒める中華”なら応えることができると思いました」

そして、コミュニケーション戦略を考える決定打となったのは、ヘビーユーザーから聞いた言葉だった。「Cook Do®」のどんなところが好きか聞いたところ、こう答えたのだ。

「遅い時間に疲れて帰ってきた息子が、できたての回鍋肉を見て『お、今日中華?』と喜んでくれました」

会話が少なくなっていた息子さんが食事に興味を示してくれたことが、その主婦は嬉しかったという。中華が食卓にある意味合いを掘り下げていくと、それは「日常の中のハレ感”なのではないか」「家族のテンションが上がる料理を作れたことにあるのではないか」と野崎は考えた。

家庭で作る中華が、どれだけ家族をハッピーにするか。

そこに光を当てることが価値の創出につながっていくと確信し、「Cook Do®」の魅力の打ち出し方にひとつの答えを見つけたのだった。

“家族団らん”を
テーマにしたテレビCMに。
40周年に合わせて
パッケージも刷新

野崎たちが見つけた答えをもとに制作されたテレビCMが、俳優の竹内涼真さんが出演する「中華が家族を熱くする篇」。2018年から続く人気シリーズだ。

  • 回鍋肉篇

    回鍋肉の香ばしいにおいに
    家族がテンション高く集まる「回鍋肉篇」

  • 青椒肉絲篇

    子どもがピーマンのおいしさに驚く「青椒肉絲篇」

「シンプルに、『CMで見たあの中華を食べたい』という気持ちになってもらおうと思いました。“食欲が湧くおいしさ”を基盤にして、“簡単に手作りできること”や“家族団らんの楽しさ”、“肉と野菜も一緒に摂れる”という要素など、伝えたいメッセージをすべて短い映像の中に収めました。そして、みんなで議論して決めたキャッチコピーが『中華が家族を熱くする』です。CMで子どもが言う『やったー、回鍋肉!』というセリフが、まさにそのコピーを体現しています。あんなふうに言えるメニューは、他にはなかなかありませんから」

40周年に合わせてパッケージの刷新にも踏み切った。“おいしさ”をより直感的に伝えるために料理のシズル感を前面に打ち出したデザインに。裏面の材料表記や調理手順もイラストを用いるなどしてわかりやすくし、スマートフォンで調理方法の動画を見られるようにもした。手作りすることに対するハードルを徹底して取り除いたのだ。

テレビCMは
大きな反響を獲得し、
3ヶ月連続で
過去最高の売上を記録

大々的に記者発表も実施し、2018年2月に新しいテレビCMの放送を開始。野崎の予想を超えて反響は大きく、2018年の4月〜6月は3ヶ月連続で過去最高の120%の売上を記録した。

需要が高まれば生産量の増強も必要となるため、事業部メンバーが工場と掛け合って112%という大幅な生産量の拡大を実現した。

「工場のみなさんをはじめ、多くの方が一緒に頑張ってくれたから『ASVアワード』の大賞を受賞できました」

そう語る野崎。大きなプロジェクトにおいて大切なのは、「関係するメンバーと常に成果の情報をシェアすること」とも言う。

「どういう戦略を立て、どんな施策を行うのか。具体的な資料やムービーをつくって、工場や営業などのプロジェクトに関わるすべての人にプレゼンをしました。プロジェクトが進行している間も、『4月は売上がこんなに跳ねた』『お客様からこんなファンレターをいただいた』など、良い情報はすぐにシェアするようにしました」

これからの時代にこそ響く、
「Do Cook Yourself」

「Cook Do®」が誕生したのは1978年。日中平和友好条約が締結された年だ。当時の開発担当者が手書きしたマーケティングプランが残っている。製品に込められたメッセージは「Do Cook Yourself(手作りしましょう)」。

当時は、カップ麺やレトルト食品、ファストフードなどが誕生して外食・即食ブーム。そんな中で、『だけどやっぱり手作りすることが大切なのではないか』という論調もあった。その真意を捉えた上で生まれたのが、「本格中華をおうちで作りましょう」というコンセプトだったのだ。

「そう考えると、『Cook Do®』が訴求する“手作りの価値”は、むしろこれからの時代にこそ共感いただけるのではないか。私たちはそう思っています」

現代社会において、かつてとは人々のライフスタイルは大きく変わり、食卓の風景も多様化が進んでいる。家族が揃って食卓を囲む機会も減ってきている。

「子どもは塾や部活で忙しいし、お母さんだって遅くまで働いている。食卓にいられる時間はどんどん短くなっているかもしれませんが、それでもまだ『手作りしたい』という気持ちに私たちは寄り添いたい。お客様のライフスタイルを変えることはできませんが、『Cook Do®』があることで家族を少しでも元気にできたらと思っています」

小さな子どもが、「回鍋肉」を「ホイコーロー」と読める時代になった。これからは、「回鍋肉」を食卓の定番メニューにしていきたいと野崎は言う。

「子どもの好きなメニューのランキングに、カレーやお寿司、鶏の唐揚げなどと一緒に回鍋肉が入るような時代にしていきたいですね」

歴史と伝統を持ち、人気を獲得している製品を、時代に合わせながら変化させていく。「Cook Do®』は、これからも食卓に貢献するブランドであり続ける。