Interview

製薬メーカーから
味の素社へ

T.K
バイオ&ファインケミカル事業本部
バイオ・ファイン研究所
マテリアル&テクノロジーソリューション研究所
ヘルスケアソリューション開発研究室
遺伝子・細胞治療ソリューショングループ
2024年 キャリア入社

アミノサイエンス®と
Forge Biologics社の融合が
ヘルスケアに新たな可能性をもたらす。

人々の健康価値に直接つながる事業をつくりたい

味の素社に入社するまでのキャリアを教えてください。

大学院でHIVに対するヒト免疫機構を研究し、2008年に国内製薬メーカーに入社しました。主に自己免疫・アレルギー領域の薬理研究に携わり、Harvard Medical School/Brigham and Women’s Hospitalへの研究留学後は、自己免疫疾患およびがん免疫の研究に従事しました。その後、研究員を経て、研究企画・産官学アライアンスやプロジェクトマネジメント業務を担当しました。またCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ではヘルスケア関連スタートアップ投資やスタートアップ支援、オープンイノベーション業務なども経験しています。研究者としての専門性に加え、技術を社会実装するための「仕組み」や「事業のつくり方」を学んできたことが、これまでのキャリアの特徴です。

味の素社に転職した理由は?

創薬研究、研究企画、CVC と幅広い業務を経験する中で、「cutting-edge な技術を社会実装し、人々の健康価値に直接つながる事業を現場でつくりたい」という思いが強まり、転職を決意しました。留学時代の友人が味の素社に所属していたこともあり、味の素社がヘルスケア領域で新たな挑戦を続けていること、また現場に大きな裁量と責任が与えられていることを知り、ここでなら挑戦的なヘルスケア戦略を描き実行することに貢献できると確信しました。
独自技術とアミノサイエンス®を基盤に、新規事業を本気で生み出そうとする企業風土に強く惹かれ、入社を決意しました。

Forge Biologicsとの協業で遺伝子治療の可能性を拓く

現在の仕事内容を教えてください。

遺伝子治療のCDMO(医薬品開発製造受託機関)であるForge Biologics社(以下Forge社)の買収に伴い、2024年4月に研究所内に新設されたグループの立ち上げを主任研究員として担当し、現在はグループ長としてヘルスケア戦略、特に遺伝子治療・細胞治療領域に関する戦略の実行に責任を持っています。味の素社は2030ロードマップでヘルスケア領域を成長の柱の一つとし、遺伝子治療やバイオ医薬品の製造受託を新たな事業領域に位置づけています。Forge社は遺伝子治療で用いる AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターやプラスミドDNA に関する高い技術力を持つ企業で、味の素社のアミノサイエンス®を融合することで、希少疾患などの治療法開発の加速が期待されます。私たちのグループは、遺伝子治療・細胞治療領域に関するプロジェクトを推進するとともに、アミノサイエンス®を活かしたForge社の生産能力向上を進める役割を担っています。私の役割は、遺伝子治療・細胞治療領域における研究テーマを事業戦略へ落とし込み、Forge社との連携を通じて技術実装を確実に進めることです。研究、事業部、Forge社、外部パートナーを統合し、「どの顧客に対して、どの技術を、どの市場で、どのスピードで実装するか」を判断し、実行しています。

Forge Biologicsとの相乗効果を具体例で紹介してください。

遺伝子治療の普及には、高品質なウイルスベクターを安定的かつ大量に製造できる体制が不可欠です。Forge社は世界最大級のバイオリアクターを有し、高い製造技術を持っています。一方、味の素社は30年以上にわたるバイオ医薬用培地事業で培ったアミノサイエンス®の知見を有しています。
両社の強みを融合することで、培養効率の向上や生産能力の最大化が可能になります。実際に、研究所・事業部・Forge社が一体となって取り組むことで、技術実装が着実に進んでおり、2025年にはバイオ医薬用培地事業で培ったノウハウを基盤にForge社と協議し培養の高効率化を可能とする培地用サプリメントを開発しました。このように、研究所や社内の事業部、Forge社との連携を通じて、新たな価値創出につながるテーマを各メンバーが複数担当しています。

アンメットメディカルニーズに応え社会に大きなインパクトを

仕事のやりがいをどんなところに感じますか?

グループ長としての最大のやりがいは、ヘルスケア戦略を「描くだけでなく、実行し、成果につなげる責任」を担っている点です。ゼロから組織を立ち上げ、研究テーマを選定し、人財を育成しながら、事業として成立させていく。その一連のプロセスに深く関われることに、大きなやりがいを感じています。また、CVCで多くのスタートアップと交流したことから、そのAgilityの高さと成果創出の速さを見習った組織運営を行っているのですが、大企業でありながらスタートアップの精神と文化を持つ組織を作り上げることも私の責務であると考えています。味の素社は挑戦を歓迎する文化が強く、また事業の幅がとても広いため、研究から成果創出と商品化まで見届けた「成功体験」を持つ研究員が多く、研究所に活気があります。改善に向けた動きにも積極的で、変革を前向きに進めようとする社員が多いため、必ず実現できると考えています。

今後の目標をお聞かせください。

新設グループとしての基盤整備を進めつつ、Forge社への技術実装を早期に確実に実現し、遺伝子・細胞治療領域を会社の将来を支える事業へ成長させることが当面の目標です。そのために研究・事業・外部連携を統合し、持続的に価値を生むプロジェクト群を育てイノベーションを創出し続ける組織と人財を育成していきたいと考えています。また近い将来には、アミノサイエンス®とバイオロジクスを融合し、遺伝子治療や細胞治療の深化を促すことで、アンメットメディカルニーズの高い治療領域に当社の技術を届けたいと考えています。必ず社会に大きなインパクトを与える事業を創出できると確信しています。

MESSAGE

未来の仲間へ

味の素社には、研究・事業の枠を超えて挑戦できる環境があります。ヘルスケアという成長領域で、自ら考え、実行し、社会に価値を届けたい方にとって、大きなチャンスがある会社です。新しい価値を一緒に創り出す仲間として、多様な専門性を持つ方の参加を心から歓迎します。一緒に未来のヘルスケアを切り拓きましょう。

※各社員の役職/所属組織は、2026年1月時点のものです