Cross talk
アミノサイエンス®と4つの成長領域 ~グリーン・ICTについて~

味の素(株)が挑む4つの成長領域とは?

グリーン・ICTの領域の今に迫る

「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」をパーパスとし、食品以外にも多様な事業を展開する味の素株式会社。2030年までの中期経営計画では、「ヘルスケア」「フード&ウェルネス」「ICT」「グリーン」の4つを成長領域と定めて、社会価値と経済価値の共創を目指しています。同社の人財戦略と、「ICT」「グリーン」領域の取り組みと魅力について、各領域での事業を率いる方々にお話を伺いました。

Interview 1

環境負荷の低い食品を開発し、「新しい食スタイル」を提案

小澤 由行
グリーン事業推進部 戦略グループ長

味の素(株)の新ブランドである「Atlr.72®(アトリエ・セブンツー)」の概要を教えてください。

味の素(株)では、4つの成長領域の一つにグリーン領域を設定しています。そのなかでグリーン事業推進部では、環境負荷の低い「グリーンフード」を世の中に浸透させていく役割を担っています。
先進国を中心に、「楽しく食べて環境貢献できる食体験」を広げることで人と地球のより良い未来に貢献するブランドとして、「Atlr.72®」をローンチしました。第1弾として、エアベースプロテイン「Solein®」を使用したクッキーサンドタイプの斬新な月餅を開発し、2024年8月からシンガポールでの販売を開始しています。このブランド展開を通して、自然を慈しみ環境貢献につながる食スタイルを実践する生活者を増やしていくことを目指しています。

「Atlr.72®」の立ち上げにあたり、印象的だったことはありますか。

シンガポールでは、「中秋節」に美しい月を愛でながら家族の幸せを願って月餅を贈り合う風習があり、食を通じた環境貢献によって大切な人の未来の幸せを願う私たちの思いを表明する絶好の機会だと考え、このタイミングに合わせてブランドをローンチすることにしました。
9月17日の「中秋節」に向けた月餅商戦が始まるのが8月上旬、そのために商品を輸出しなければいけないタイミングが7月上旬、そこに向けてこのプロジェクトを立ち上げたのが3月中旬ですから、改めて振り返ってみても非常にタイトなスケジュールでした。プロジェクトメンバーも、2024年の1月と2月にキャリア入社した2名と、新卒2年目の若手メンバーと私の計4名で挑みました。
結果的には、3カ月ほどで事業スキーム・ブランド・製品の開発から、マーケティング施策、店頭販売のオペレーション確立まで、すべてをやり切ることができました。これほどスピーディーなプロジェクト推進は稀有だと自負していますし、関係者全員が「Atlr.72®」のビジョンに強く共感したからこそ成し遂げられたことだと感じています。

大企業とスタートアップの良さを両方兼ね備えた組織

今後の戦略や展望を教えてください。

先進国では、個人で手に取っていただきやすいスイーツの販売からスタートしましたが、グリーンフードを生活に浸透させていくために、今後は喫食頻度の高い日常食への展開を目指しています。
具体的には、健康・環境のために肉や魚などの動物性たんぱく質を多用せず、環境負荷の低い食材を積極的に使用した商品やメニューの提案をしていきます。また、食肉需要が高まる新興国に食肉よりもヘルシーでフォータブルなおいしいグリーンフードを先んじて提供します。その結果、2030年にはグリーンフード事業を通してポジティブインパクトとして45万トンのCO2削減を実現したいと考えています。

味の素社のなかでも、グリーンフード事業に携わる醍醐味はどのようなところにあるでしょうか。

グリーンフードは事業モデルとしてまだ正解が見つかっていない領域です。だからこそ、味の素(株)という大手企業のリソースを生かしつつ、スタートアップのような機動力を持って、新しい事業モデルづくりにチャレンジできる点は大きな醍醐味といえるでしょう。
また、味の素(株)は海外展開に強みを持っていますので、いきなり海外から事業を展開していけるところもユニークで魅力的だと思います。環境問題の解決につながる取り組みであると同時に、グリーンフードの普及を通して、人々や社会のWell-beingに貢献できるという点でも、非常に意義の大きな事業だと感じています。

Interview 2

半導体の進化を支え、ICT領域からWell-beingに貢献

奈良橋 弘久
バイオ&ファインケミカル事業本部 バイオ・ファイン研究所 次長 兼 バイオ・ファイン研 BFML-3グループ長
兼 R&Bイノベーション戦略・CVCG ICT領域リーダー

ICT領域の事業内容やミッションについて教えてください。

ICT領域の主要製品は、「味の素ビルドアップフィルム®」(以下、ABF)と呼ばれる層間絶縁材料です。ABFは、1960年代に開発されたアミノ酸を化学合成で作る工程でできる副生成物の有効活用から生まれた製品です(現在、アミノ酸は微生物を利用した発酵法で作っています)。パソコンの心臓部である高性能半導体装置(CPU)の絶縁材に使われており、現在では全世界の多くの主要なパソコンに使用されています。
ICT領域のミッションは大きく二つあり、一つはABF事業の拡大です。近年では、パソコンに限らず生成AIを支える半導体にもABFが使われていますが、大量のデータを高速で計算し処理するためには、ABFが担う役割は大きいため、引き続き先進開発を進めています。
もう一つのミッションは、新規事業の開発です。ABFビジネスで培った強みを新しい技術開発に生かして、ICT領域の次の柱を作ることを目指しています。

ICT領域を構成する組織体制についても教えてください。

研究開発については、バイオ・ファイン研究所やグループ会社の味の素ファインテクノ社がメインで担っています。また、新規事業開発を担うR&B部の イノベーション戦略チームの力も借りながら、半導体の進化を先読みし、開発に努めています。
ABFの製造や販売、テクニカルサポートや品質保証については、味の素ファインテクノ社が担当しているため、彼らとも日々コミュニケーションを取っています。もちろん、高度な研究開発に伴い、無形資産の一つである知財の取り扱いも重要となるため、知財部とも活発に連携しています。

今後のキーワードは、光電融合や次世代エネルギーの活用

今後の戦略や展望をお聞かせください。

生成AIや自動運転の普及に伴い、半導体の需要は今後も拡大するでしょうし、それに伴って半導体パッケージの市場はまだまだ成長すると見込んでいます。それらを見越し、当社は設備投資などを行い事業基盤の強化を進めています。
また、半導体市場の成長に対応できるよう、当社のABFを進化させ続けることもまた、私たちの使命です。光電融合が実現できる材料の開発やプロセスの提案を進めたり、次世代エネルギーに対応した技術を採用して、経済価値と社会価値を両立できるスキームの構築を目指しながら、研究や技術開発を進めています。

味の素社のなかでも、ICT領域に携わる醍醐味はどのようなところにありますか。

一つは、研究開発から製造までのエコシステム販売が一体感を持って事業開発を進めているため、スピーディーな意思決定やプロジェクトの推進が可能なところでしょうか。また、自分が研究開発したものをお客様に対して直接提案できる機会があり、そこでいただいたフィードバックを元に改良に臨むことができる点もモチベーションの向上につながっています。
ICT領域では、有機化学や無機化学や高分子化学、光学の分野などを専門領域として研究してきたキャリア入社のメンバーも多く活躍しています。海外のお客様と話す機会も多いため、グローバル志向が強い方にも働きがいを感じていただけると思います。

最後に、この記事をご覧の方にメッセージをお願いします。

アミノサイエンス®の可能性は無限であり、私たちの強みを生かして解決に貢献できる社会課題はまだまだたくさんあるはずです。また、テクノロジーの進化を支える素材の提供やソリューションの提供を通して、人々の生活をより良くすることに貢献できると考えています。ご自身の持ち味と当社のアミノサイエンス®を融合させ、様々な分野のテクノロジー進化を支える素材の開発・提供する事で、人・社会・地球のWell-beingに貢献したいという想いをお持ちの方は、ぜひご応募頂きたいと思います。

※各社員の役職/所属組織は、2025年1月時点のものです