胃に優しい食べ物とは？負担を減らす正しい食事方法や簡単レシピを紹介【医師監修】

「胃が痛い」「胃もたれが気になる」など、胃の不調に悩まされることは誰にでもあるでしょう。胃の調子が悪い時は何を食べれば良いのか、迷う方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、胃に優しい食べ物を使った食事がおすすめです。この記事では、胃に優しい食べ物の特徴や選び方、おすすめレシピをご紹介します。この記事を読んで、食物繊維や脂質の量、調理方法など、胃に優しい食事のポイントを押さえましょう。

なお、胃腸の健康を維持するために栄養バランスの整った食事をしたい方は、ぜひ「未来献立_®」をお試しください。「未来献立_®」は、栄養バランスの整った献立を最大8日間分まとめて提案する、無料で使える献立提案サービスです。気になる方は、以下から詳細をご確認ください。

「未来献立_®」ってなに？

胃に優しい食べ物とは

胃に優しい食べ物とは、消化に時間がかからず、胃腸への負担が少ない食品です。

胃の調子が優れない時は、適切な食べ物を選んで不快感を軽減し、回復を早めることが大切です。日常的に胃の不調を感じる方は、食物繊維の量や脂質の含有量、味付けの程度にも注目して食材を選ぶと良いでしょう。

以下では、胃に優しい食べ物について詳しく解説します。

食物繊維が少なく消化に負担をかけない食べ物

食物繊維は健康に欠かせない栄養素ですが、胃腸の調子が優れない時は注意が必要です。

食物繊維には栄養素の吸収速度を緩やかにする働きがあり、吸収する間、腸は活動し続けてしまいます。そのため、胃腸を休ませたい場合は、食物繊維が豊富な食品は一時的に控えると良いでしょう。以下はその一例です。

【食物繊維の多い食品】

代わりに、おかゆ・うどんなど炭水化物中心の食品は食物繊維がほとんど含まれないため、消化器官に負担をかけにくい特徴があります。

また、大根・かぶ・山芋・パイナップルなど特定の野菜や果物には消化酵素が含まれており、胃腸の消化機能をサポートする効果が期待できます。

例えば、パイナップルには消化酵素ブロメラインが含まれており、肉のたんぱく質の分解をサポートします。ただし、豊富な食物繊維も含まれているため、胃腸が弱っている時は少量にしたり、細かくカットしたりなど、工夫して摂取できると良いでしょう。

なお、ブロメラインは60度以上の加熱で消化への効果が弱まってしまうため、調理の際は加熱のしすぎに注意が必要です。

脂質が控えめで胃もたれを起こしにくい食べ物

脂質の多い食べ物は胃腸に大きな負担をかける傾向があるため、注意しましょう。

脂質が小腸に到達すると消化管ホルモンが分泌されますが、このホルモンには脂肪の消化吸収を促進する一方で、胃の運動を抑制する作用があります。結果、食べ物が胃に長く留まり、食欲不振や胃もたれなどの不快な症状を引き起こす可能性があります。

また、脂質は消化吸収に時間がかかるため、胃腸全体に大きな負担がかかりやすいです。胃腸の調子が優れない時は、牛肉・豚肉などの脂が多い部位や、ベーコンなどの加工肉、ウナギ・ブリなど脂の多い魚は避けた方が良いでしょう。

代わりに、牛肉・豚肉などの赤身、鶏のささみ、タラ・カレイなどの白身魚は脂肪が少ない食材であるため、おすすめです。

薄味や酸味控えめで刺激の少ない食べ物

辛い食べ物や濃い味付けの料理も、胃に負担をかけるとされています。これらの刺激物は胃酸の過剰分泌を促し、胃粘膜を直接刺激するだけでなく、消化器官全体にも悪影響をおよぼします。

胃の調子が優れない時は、唐辛子やこしょうなどの香辛料や、漬物など塩分濃度が高い食品は避けましょう。日常的な食事では薄味を基本とし、調味料は控えめの使用を心がけると胃への負担が軽減されます。

また、果物も同様に、レモンやグレープフルーツなどの柑橘類は強い酸味が胃を刺激します。胃腸の調子が優れない時は、りんご・バナナなど比較的刺激の少ないものを選びましょう。

胃に優しい食事にする3つのポイント

胃腸の調子が優れない時は、食材選びだけでなく調理法・食べ方にも工夫が必要です。適切な食事方法を実践すると、胃への負担を軽減しやすくなります。本章では、胃に優しい食事を実現するための3つのポイントをご紹介します。

① 小さく切って加熱調理し、よく噛んで食べる

胃に優しい食事を実現するために、まず、食材はできるだけ小さく切ることを心がけましょう。大きいままだと咀嚼が不十分なまま飲み込んでしまい、消化に余計な時間がかかります。

また、食材は生ではなく加熱して柔らかく温かい状態にすると、胃への負担が軽減されます。調理法としては油を使わずに、茹でる・蒸す・煮るなどの方法が特におすすめで、揚げたり炒めたりする調理法は避けることが望ましいでしょう。

時間がない時は圧力鍋の活用も効果的です。食材を短時間で柔らかくできるため、胃に優しい料理が手軽につくれます。

さらに、食事の際はよく噛むことを意識しましょう。噛むことで分泌される唾液には消化酵素のアミラーゼが含まれており、デンプンの分解を助け、消化を促進します。

② 食べ過ぎず、規則正しい時間に栄養バランスの良い食事をとる

胃腸の調子を整えるためには、食事の量・タイミング・栄養バランスにも注意を払う必要があります。

食べ過ぎや飲み過ぎは胃に過度な負担をかけるため、腹八分目を目安に適量を心がけましょう。特に夜遅い時間帯は消化機能が低下するため、油脂分の多い料理は避け、おかゆやスープなど消化しやすいものを選びましょう。

また、不規則な食事も胃腸に負担をかける要因です。食事を抜いたり偏った食生活が続いたりすると、栄養バランスが崩れて体調を悪化させる可能性があります。

胃の調子が優れない時だけでなく、普段から主食・主菜・副菜をバランスよく摂ることを意識しましょう。例えば、主食は白米、主菜は煮魚などの脂質控えめな料理、副菜は消化に良い野菜を使ったスープなどの組み合わせが理想的です。

なお、栄養バランスの整った献立づくりには、無料の献立提案サービス「未来献立_®」が役立ちます。

③ 飲み物（種類・飲み方）も注意する

胃の調子を整えるためには、食事だけでなく飲み物にも気を配る必要があります。

特に、冷たい飲み物は胃腸の血流を低下させ消化機能に負担をかけるため、できる限り常温か温かい飲み物を選びましょう。また、コーヒー・紅茶などのカフェインを含む飲料や炭酸飲料は胃を刺激するため、胃の調子が悪い時には避けることが賢明です。

代わりに、水・麦茶・ルイボスティー・そば茶などのカフェインを含まない飲み物が胃に優しいとされています。なお、ミネラルウォーターを選ぶ場合は、ミネラル含有量が少ない軟水の方が胃への負担が少ないでしょう。

さらに、水分摂取の方法も重要です。一度に大量に飲むのではなく、少量ずつこまめに摂取すると、胃腸の負担軽減につながります。

胃に優しい食べ物を使った簡単おすすめレシピ3選

胃の調子が優れない時こそ、栄養価の高い食事が欠かせません。本章では「AJINOMOTO PARK」掲載のレシピから、調理時間10分程度で完成し、食欲がない時でも食べやすい胃に優しい食材を使った簡単レシピをご紹介します。

なお、胃に優しく、栄養バランスが整った献立づくりには、無料で手軽に使える「未来献立_®」がおすすめです。簡単な登録ですぐに使えるため、ぜひお試しください。

鶏だし卵おかゆ

出典：味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」

柔らかく炊いたお米と鶏だしを組み合わせた、胃に優しいおかゆレシピです。鶏がらスープの旨味がベースとなり、味付けが濃くなくても満足感のある一品に仕上がります。

ふわふわの溶き卵を加えることでたんぱく質も摂取でき、栄養価がアップします。胃腸の調子が悪い時こそ手間をかけずにつくりたいものですが、包装米飯を使うことで調理時間を大幅に短縮できます。

12分ほどで完成する手軽さも魅力で、食欲がない時でも食べやすい温かな一品です。

調理時間の目安：12分

材料＜2人分＞

レシピの詳細はこちら

鶏ささみとキャベツのみぞれ煮

出典：味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」

胃に優しい食材である鶏ささみを使った、胃腸に負担をかけにくい煮物のレシピです。片栗粉をまぶして調理するため、柔らかな食感に仕上がります。

大根おろしには消化酵素が含まれるため、胃の消化を助ける効果が期待できるのもポイントです。煮る調理法を採用しているため、油を使わずに脂質を抑えられます。煮ることで、食材全体が柔らかく咀嚼しやすい状態になるため、消化の負担も軽減されます。

なお、基本のレシピでは大根おろしを投入後にひと煮立ちさせますが、大根おろしは50℃以上の加熱で消化酵素の効果が失われてしまいます。消化酵素の働きに期待する場合は、食べる直前に全体にさっと混ぜ、できる限り生で大根おろしを食べるなど工夫して調理できると良いでしょう。

調理時間の目安：10分

材料＜2人分＞

レシピの詳細はこちら

かぶのコンソメスープ

出典：味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」

胃に優しいかぶと玉ねぎを使った、体が温まる風味豊かなコンソメスープです。かぶは食物繊維が少なく消化しやすい野菜で、自然な甘みが優しい味わいを引き立てます。

栄養価の高いかぶの葉も無駄なく使えるため、効率的に栄養を摂取できるのも魅力です。調理方法もシンプルで、切った野菜類を軽く炒めた後に煮るだけで完成します。わずか10分程度で完成する、胃の調子が優れない時に優しい、手軽なメニューです。

調理時間の目安：10分

材料＜2人分＞

レシピの詳細はこちら

胃に優しい食べ物を使って栄養バランスも整えるなら「未来献立_®」がおすすめ！

そもそも胃腸に負担を与えないためには、栄養バランスの整った食生活を意識することが大切です。多様な栄養素をバランスよく摂取すると、胃腸への負担も軽減しやすくなります。

とはいえ、毎日の食事で栄養バランスまで考えるのは難しいと感じる方も多いはずです。

しかし、【栄養バランスは数日間でツジツマを合わせる】ことでも良いのです。

1日で完璧にしなくていいなら、少し気が楽になりませんか？

「でも、具体的にどんな食事にすればいいの？」と悩む方は、献立提案サービス「未来献立_®」を試してみてください。特徴は以下のとおりです。

「未来献立_®」の特徴

「未来献立_®」を使えば、プロ監修の栄養バランスが整った「ゴールデン献立」を楽しみながらつくることができます。まとめて30分前後で完成する献立は、簡単につくれるメニューが多く、時間がない日の食事づくりに役立ちます。

また、外食などで偏った栄養バランスとツジツマをあわせて次の献立をご提案する「ツジツマ献立」機能で、誰でも簡単に栄養バランスを整えることが可能です。

胃腸に優しい食べ物を使って、栄養バランスの良い食事をするためにも、ぜひ「未来献立_®」を活用してください。

栄養バランスを整えて胃に優しい食生活を送ろう

胃に優しい食生活を実現するには、食材選びと食べ方、両面からのアプローチが大切です。

食物繊維が少なく消化に負担をかけない食材、脂質が控えめな食材、刺激の少ない薄味の料理を中心に据えると良いでしょう。また、少量ずつ温かい状態で摂取し、食材は小さく切って加熱調理すること、そして、よく噛んで食べることで胃腸への負担を軽減できます。

胃腸の調子が優れない時こそ、食事の質と栄養バランスにこだわりたいものです。とはいえ、毎食完璧な栄養バランスを実現するのはなかなか難しいと思う方も多いでしょう。そんな時は、ぜひ「未来献立_®」で、数日間の栄養バランスを整えてみてください。

胃に優しい食生活へ全てを一度に変える必要はありません。無理なくはじめられるところから、少しずつ実践しましょう。

監修者

伊藤 まゆ（いとう まゆ）

M’sクリニック南麻布 院長、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医
本当の美とは、心と体の健康あってこそ、という観点から、2007年開院時より、内外美容医療を提唱、実践。栄養学、予防医学、エイジングケア、美容について、多様な経験と多角的視点で取り組み、幅広い世代のサポートを行っている。