疲労回復に役立つ食べ物は?疲れに効く栄養満点のおすすめレシピも紹介

忙しい毎日の中で、疲労が溜まっていると感じる現代人は少なくありません。

十分な睡眠や適度な運動など、疲労を回復させる手段は様々ですが、この記事では特に「食べ物」に注目しながら解説します。

疲労回復におすすめの食べ物を、食べ方や栄養素を踏まえながら紹介するので、ぜひ参考にしてください。

あわせて、栄養バランスの整ったメニューが簡単にわかる、献立提案サービス「未来献立®」も紹介します。毎日の食生活に取り入れて、疲労感の軽減に役立ててください。

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食べ物で疲労回復を目指すポイント

食べ物を工夫して疲労回復を目指すなら、以下3つのポイントを意識しましょう。

  • 食事の型を意識する
  • 朝食を抜かない
  • 冷たいものばかり摂らないようにする

食事の型を意識する

農林水産省が提示する「食事バランスガイド」では、主食」「副菜」「主菜」「乳製品」「果物」の、5つのバランスを意識した食事が推奨されています。

「主食」では、糖質、「主菜」ではたんぱく質、「副菜」ではビタミンやミネラルの摂取を意識しましょう。

丼物や一品料理ばかりで済ませるのではなく、いろいろな種類の食品から栄養を摂れると理想的です。

※参考:農林水産省「食事バランスガイド」について

朝食を抜かない

朝食を食べずに一日の活動をはじめてしまうと、活動するエネルギーが十分に補給されないため、だるさや体の疲れを感じやすくなります。

特に、就寝中は筋肉の分解が促されるため、筋肉の合成をサポートするたんぱく質の摂取は重要です。

冷たいものばかり摂らないようにする

冷たいものを摂りすぎてしまうと、胃腸に負担がかかり、食欲減退の要因になるケースがあります。

暑さの厳しい夏場は冷たい飲み物ばかり飲みがちなので、注意が必要です。また、冬は暖房などで室内が暖かく、乾燥しているので、冷たいものを常飲する方も多いです。

季節に関係なく、水は常温、お茶は暖かいものをゆっくり飲むのが胃腸への負担が少ないため、おすすめです。

疲れを感じた時におすすめの栄養素

体が疲労を感じている時に、摂取すると良い栄養素を紹介します。

それぞれの栄養素の含有量が多い食材もあわせて紹介するので、食べ方の参考にしてください。

疲労回復に役立つ栄養素

  • ビタミンB群(ビタミンB1)
  • たんぱく質
  • クエン酸
  • ビタミンC
  • アスパラギン酸
  • マグネシウム
  • 鉄分

ビタミンB群(ビタミンB1)

ビタミンB群の中でも、「ビタミンB1」は特に疲労回復に役立つ栄養素です。

糖質をエネルギーに変換し、代謝をサポートします。そのため、過剰な糖質摂取はビタミンB1の消耗につながり、疲れを感じやすくなります。

ビタミンB1は、毎日の献立に取り入れやすい「豚肉」や、夏の疲労回復の定番「うなぎ」にも多く含まれています。また、貧血を伴う疲労の場合は、「レバー」の摂取もおすすめです。

たまねぎやにんにく、にら、生姜などと一緒に摂ると、さらに効果的に吸収できます。

たんぱく質

筋肉の合成に欠かせない、「アミノ酸」の補給に役立つ成分です。

たんぱく質が不足すると、筋肉の量が減少し、体が疲れやすくなります。体力や、免疫機能の維持に重要な栄養素のひとつです。

特に、肉・魚・卵・豆製品などに多く含まれる栄養素です。

たんぱく質を多く含む食材についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

クエン酸

疲労のもとになる「乳酸」を分解し、新陳代謝を促進する働きがあります。

運動の後にクエン酸を摂取すれば、疲労感の軽減に役立ちます。トレーニングのお供として、ドリンクなどで積極的にクエン酸を取り入れている方も多いのではないでしょうか。

レモン・グレープフルーツ・オレンジなどの柑橘系の果物や、梅干しや酢など酸っぱいものに豊富に含まれています。

ビタミンC

酸化防止作用を持ち、細胞をダメージから守る働きがある成分です。体が傷ついた時には、治癒に必要なコラーゲンを生成するために用いられます。

猛暑による夏バテなどのストレスからも、体をサポートする働きがあります。

グレープフルーツ・オレンジ・レモンなどの柑橘類をはじめ、キウイ・イチゴ・メロンなど果物に多く含まれる成分です。

野菜では、ピーマン・パプリカ・ブロッコリー・トマトなどに豊富に含まれています。

ビタミンCを多く含む食べ物や摂取の仕方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

アスパラギン酸

春が旬のアスパラガスに豊富に含まれるアスパラギン酸は、五月病など、新生活ならではの疲れにおすすめです。

たんぱく質を構成するアミノ酸の一種で、新陳代謝を促します。

スタミナアップや疲労回復に効果があり、栄養ドリンクにもよく使われる成分です。

食品では、アスパラガスの他、大豆、豆類、かつお節や煮干、しらす干し、肉類などに多く含まれます。

マグネシウム

マグネシウムは300種類以上の酵素を活性化する働きがあり、細胞でエネルギーを生み出す為に欠かせないミネラル成分です。

豆類、緑の葉野菜、海藻類などに豊富に含まれます。和食を中心としたバランス良い食事は自然とマグネシウムを多く含む食品が摂取できます。

野菜や海藻が少ないファーストフードやインスタント食品中心の食生活では、マグネシウムが不足してしまうため、意識的な摂取を心がけましょう。

鉄分

貧血に伴う疲労感にお悩みの方には、特におすすめの成分です。

鉄分が不足すると、体内で酸素をスムーズに運搬できず、疲労感や息切れ、頭痛などにつながります。

鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類があり、主な違いは以下のとおりです。

「ヘム鉄」と「非ヘム」鉄の違い

  • ヘム鉄:体内の吸収率が高い
  • 非ヘム鉄:体内の吸収率が低い

ヘム鉄は、レバーや赤身の肉、魚などに豊富です。非ヘム鉄は、卵・野菜・牛乳などに多く含まれます。

疲労回復に役立つレシピ6選

疲労回復に役立つ栄養素や成分を、豊富に含んだ献立を紹介します。

いずれも手軽につくれるレシピなので、ぜひ毎日の食生活に取り入れてください。

レモンバターチキンソテー

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

たんぱく質が摂れる鶏肉と、クエン酸が豊富なレモンを使ったボリューミーな一品です。お好みに応じて、レモンも皮ごと召し上がってください。

調理時間の目安:20分

材料<2人分>

  • 鶏もも肉:1枚(300g)
  • 【A】酒:大さじ1
  • 【A】塩:少々
  • 【A】こしょう:少々
  • レモン:1個
  • 【B】バター:20g
  • 【B】コンソメ(顆粒):小さじ1
  • 【B】砂糖:小さじ1
  • オリーブオイル:大さじ1
  • ベビーリーフ:適量

つくり方

  1. レモンは皮つきのまま、薄い輪切りにする。鶏肉は【A】をもみ込み、輪切りにしたレモンを加えて10分ほど漬け込む。
  2. フライパンにオリーブオイルを熱し、1.の鶏肉を皮目から入れ、1.のレモンを並べる。鶏肉に焼き色がつくまで3分ほど焼いて裏返し、蓋をして5~6分蒸し焼きにする。肉に火が通ったら、鶏肉を取り出し、食べやすい大きさに切り、器に盛る。
  3. 2.のレモンが入ったフライパンに【B】を入れ、弱火にかけて煮詰める。とろみがついたら、火を止め、2.の鶏肉にかけ、ベビーリーフを添える。

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レバにら

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

レバーとニラの組みあわせで、ビタミンB1をしっかり摂れます。オイスターソースの味付けが、疲労回復にもぴったりです。

調理時間の目安:15分

材料<2人分>

  • 豚レバー:150g
  • 【A】酒:大さじ1/2
  • 【A】しょうゆ:大さじ1/2
  • 【A】しょうが汁:大さじ1/4
  • 片栗粉:適量
  • もやし:1/2袋
  • にら:1/2束
  • 【B】オイスターソース:大さじ1/2
  • 【B】しょうゆ:大さじ1/4
  • 【B】おろしにんにく:少々
  • 【B】こしょう:少々
  • ごま油:大さじ3/4

つくり方

  1. レバーは4~5mm幅のひと口大に切り、【A】で下味をつける。もやしはひげ根を取り、にらは4~5cmの長さに切る。
  2. 1.のレバーの汁気を拭き取り、片栗粉をまぶす。フライパンにごま油大さじ1/2を熱してレバーを入れ、こんがりと炒めて火を通し、いったん取り出す。
  3. 2.のフライパンに残りのごま油を熱し、1.のもやし・にらを炒める。しんなりしたら2.のレバーを戻し入れ、【B】を加えて手早くからめる。

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チーズタッカルビ

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

ホットプレートで豪快に、家族皆で楽しめるレシピです。コチュジャンの量でお好みの辛さに仕上げてください。

調理時間の目安:20分

材料<4人分>

  • 鶏もも肉:300g
  • キャベツ:1/4個(300g)
  • 玉ねぎ:1/2個(100g)
  • にんじん:1/2本(90g)
  • 【A】コチュジャン:適量(30g)
  • 【A】しょうゆ:大さじ2
  • 【A】みりん:大さじ2
  • 【A】砂糖:大さじ1
  • ミックスチーズ:100g
  • ごま油:大さじ2

つくり方

  1. 鶏肉はひと口大に切る。キャベツはザク切りにし、玉ねぎはくし形切りにする。にんじんは短冊切りにする。
  2. ボウルに1.の鶏肉、【A】を入れて混ぜ合わせ、10分ほど漬け込む。
  3. ホットプレートを160~170℃に温め、ごま油をひき、1.のキャベツ・玉ねぎ・にんじんを入れてサッと炒める。野菜がしんなりしたら、1.の鶏肉を加えて炒め合わせ、肉に焼き色がついたら、蓋をして蒸し焼きにする。
  4. 肉に火が通ったら、具材を寄せて中央を空け、チーズを加えて弱火にし、チーズが溶けるまで火を通す。

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スペイン風オムレツ

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

ビタミンCが豊富なピーマンやトマトを、栄養満点の卵で包んだレシピです。具沢山で食べ応えも十分あります。

調理時間の目安:15分

材料<4人分>

  • 卵:4個
  • じゃがいも:1個
  • 玉ねぎ:1個
  • ピーマン:1個
  • ロースハム:6枚
  • トマト・小:1個(100g)
  • 塩:少々
  • こしょう:少々
  • コンソメ(顆粒):小さじ1
  • サラダ油:大さじ1
  • バター:10g

つくり方

  1. じゃがいもは皮をむき1㎝角に切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ(600W)で1分ほど加熱する。
  2. 玉ねぎ、ピーマン、ハム、トマトも同様に1㎝角に切る。
  3. フライパンに油を熱し、1.のじゃがいも、2.の玉ねぎ・ピーマン・ハムを加えて軽く炒め、塩・こしょうをふる。
  4. ボウルに卵を溶きほぐし、2.のトマト、コンソメ(顆粒)を加えて混ぜ、卵液をつくる。
  5. 3.のフライパンにバター、4.の卵液を順に加え、半熟状になるまでかき混ぜ、蓋をする。底側が固まったら、上下を返し、蓋を取って焼き上げる。

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アスパラガスのこしょう炒め

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

アスパラガス本来の味わいを活かした、シンプルなレシピです。春や夏など旬の時期には、ぜひ食卓に取り入れてください。

調理時間の目安:8分

材料<2人分>

  • グリーンアスパラガス・細めのもの:1束(100g)
  • うま味調味料:少々
  • 塩:少々
  • 粗びき黒こしょう:少々
  • 油:小さじ2

つくり方

  1. アスパラガスは根元のかたい部分を切り落とし、半分の長さに切る。
  2. フライパンに油を熱し、中火で1.のアスパラガスがしんなりするまで炒める。
  3. うま味調味料・塩・こしょうで調味する。

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さっぱりレモンゼリー

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK

クエン酸をたっぷり補給できるスイーツレシピです。市販のレモン汁を使えば、手軽につくれます。

調理時間の目安:10分

材料<4人分>

  • 粉ゼラチン:10g
  • 湯:500ml
  • 【A】レモン汁:大さじ3
  • 【A】はちみつ:大さじ2・1/2(またはダイエット甘味料:大さじ2)
  • ミントの葉:適量

つくり方

  1. 耐熱ボウルに湯50mlを入れ、粉ゼラチンをふり入れる。粉ゼラチンが溶けるまでよく混ぜ合わせ、残りの湯、【A】を加えてよく混ぜ、ゼリー液をつくる。
  2. バットに1.のゼリー液を注ぎ入れ、粗熱を取り、冷蔵庫に入れて冷やし固める(時間外)。
  3. 固まった2.のゼリーをフォークでこまかく刻み、器に盛り、ミントの葉を飾る。

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食べ物の栄養バランスを意識して疲労回復!

疲労回復を目指すなら、食べ物を意識することもひとつの手段です。

この記事では、疲労回復におすすめの栄養素や成分、効果的に摂取できる食材を紹介しました。

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監修者

金丸 利恵(かなまる りえ)

おうちごはん研究家、管理栄養士、分子栄養学カウンセラー
大手企業での栄養士業務、レシピ開発を担当。保健指導では2000名以上の食事指導を行う。その後独立し、料理教室を主宰し、食育やダイエットサポートなどあらゆる世代の食と健康に関わる。「食べることは、生きること」をモットーに、栄養指導やセミナーを通じて、食と栄養の大切さを伝えている。スーパーで買える身近な食材で、健康的に美味しく簡単に作れるレシピに定評がある。

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