栄養バランスの良い献立の考え方は?朝昼晩の献立例・レシピも紹介

毎日の食事で「栄養バランスのとれた献立を考えることが難しい」と感じている方は多いのではないでしょうか。その場合、まずは栄養バランスのとれた食事とはどのような献立なのかを理解することが大切です。
この記事では、献立の考え方を基本から解説します。朝食・昼食・夕食ごとに、栄養バランスのとれた献立例も2つずつ紹介するので、日々の献立に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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栄養バランスの良い献立とは?考え方の基本
そもそも「栄養バランスがとれた献立」とは、体に必要な栄養素がバランス良く含まれている食事のことです。
栄養バランスが整った食事の代表的なものに和食があります。和食の基本となる「一汁三菜」は、主食、主菜、副菜、汁物から構成される献立であり、それぞれ主に以下の役割を持ちます。
種類 | 役割 |
---|---|
主食(ごはん・パン・麺など) | 体を動かすエネルギー源となる |
主菜(魚・肉・卵・大豆・大豆製品) | 筋肉や骨など体の基本となる |
副菜(野菜・いも・海藻・きのこなど) | 体の調子を整える |
汁物(野菜・いも・海藻・きのこなど) | 体の調子を整える |
汁物は、具だくさんのみそ汁やスープを取り入れることで、ひとつの主菜や副菜としての位置づけにもなります。
また、一汁三菜に乳製品や果物をプラスすると、より栄養バランスが整いやすいです。
種類 | 役割 |
---|---|
牛乳・乳製品 | 歯や骨のもとになる |
果物 | 体の調子を整える |
献立の基本となる「主食、主菜、副菜、汁物、乳製品、果物」の組み合わせを理解したら、次にそれぞれどのくらいの量、どのくらいの割合で食べるかという点に注目しましょう。その際に活用できる「食事バランスガイド」に関して、次項で解説します。
「食事バランスガイド」とは
食事バランスガイドとは、「何を」「どれだけ」食べたら良いかをコマの形に見立てて示したイラストです。2005年に厚生労働省・農林水産省が共同で策定しました。
バランスよく食べないとコマの形が傾き、コマが回りません。つまり、きれいなコマの形になる食べ方を目指すことで、栄養バランスが整った食生活の指標となります。

出典:農林水産省「食事バランスガイド拡大図」
毎日の食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの料理グループに区分し、区分ごとに「つ(SV)」という単位を用いて、1日分の料理とその分量の目安を示しています。
食事バランスガイドは「食品」ではなく「料理」で示しているため、実際の食事と比較してひと目でわかりやすく、日常的に活用しやすい点が特徴です。
基本的には、バランスの良いコマの形をした献立が理想ですが、毎食完璧を目指す必要はありません。平均的な1日分の食事と捉えて、1週間単位などを目安として食生活のバランスを確認するために活用しましょう。
栄養素の過不足に注意する
食事バランスガイドを参考にしながら栄養バランスの良い献立を考えているつもりでも、普段の食事で摂り過ぎる栄養素や、不足しやすい栄養素もあります。
和食の基本である一汁三菜をベースとして、食事バランスガイドを活用しつつ、以下の項目で解説する栄養素を意識しましょう。
脂質
摂り過ぎに注意が必要な栄養素として、脂質が挙げられます。
脂質とは、脂溶性ビタミンの吸収を助ける、ホルモンの生成に関わるなど、人間にとって必要不可欠な栄養素です。その反面、摂り過ぎると肥満や循環器疾患などの健康リスクを高めることが示されています。
脂質を摂り過ぎないためには、以下の点に注意しましょう。
- 脂質の少ない肉の部位(赤身)を選ぶ
- バラ肉よりもヒレ肉を選ぶ
- 油をできる限り加えない調理方法を選ぶ(揚げる・炒めるよりも蒸す・茹でる)
- 揚げ物をつくる際はできる限り衣を薄付けにする
- 外食、ファストフードの食事が多い場合は減らす
- 加工品(カップ麺、冷凍食品、レトルト総菜など)の摂取を控える
- 洋菓子、菓子パン、スナック菓子の摂取を減らす
また、脂質は含まれる脂肪酸の種類によって分類されており、動物、植物、魚では含まれる脂肪酸が異なります。例えば、肉類の脂肪分やバターは飽和脂肪酸、オリーブ油や菜種油、アマニ油、魚類の脂肪分は不飽和脂肪酸です。
脂肪酸の種類によって健康におよぼす影響も異なるため、これらの食品が偏らないようバランスよく摂りましょう。
脂質についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
カルシウム・ビタミン・ミネラル
日々の食事で不足しやすい栄養素として、ビタミンやミネラルが挙げられます。
例えば、ご飯類や麺類、ハンバーガーなどのファストフードばかり食べていたり、同じメニューや食材に偏ったりすると、ビタミンやミネラル、食物繊維も不足しやすくなります。
食べる回数や量を調節する、サイドメニューで野菜を使ったメニューを追加するなどの工夫をしましょう。
また、不足しやすい栄養素は、間食をうまく利用して補うことも可能です。手軽に摂取できる間食の一例としては、ビタミンを多く含む果物類、カルシウムを多く含むヨーグルトやチーズなどの乳製品があります。
【朝食】栄養バランスの良い献立例

朝食は、元気な1日を過ごすために特に大事な食事です。以下では、「AJINOMOTO PARK」で紹介するレシピをもとに、忙しい朝でも工夫して時短が叶う、栄養バランスがとれた献立を紹介します。
野菜もとれるホットドック風トーストの献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計42分
- 野菜もとれるホットドッグ風トースト
- ブロッコリーのにんにく炒め
- あさりの豆乳チャウダー
ウインナーとカット野菜でパパッとつくるトーストをメインに、にんにくの風味で食欲のそそる副菜、あさりや数々の野菜が入った体も温まるスープがついた献立です。
【野菜もとれるホットドッグ風トースト】
材料<1人分>
- 食パン6枚切り:1枚
- ウインナーソーセージ:2本
- 袋入りカット野菜(キャベツミックス):70g
- ホールコーン缶:大さじ1
- マヨネーズ:大さじ1
- トマトケチャップ:大さじ1
- ピザ用チーズ:大さじ1
【ブロッコリーのにんにく炒め】
材料<2人分>
- ブロッコリー:1/4個
- にんにく・粗みじん切り:1/2かけ分
- オリーブオイル:大さじ1
- うま味調味料:2ふり
- 塩:少々
【あさりの豆乳チャウダー】
材料<2人分>
- あさり(殻つき):150g
- じゃがいも:1個
- 玉ねぎ:1/2個
- にんじん:1/3本
- セロリ:1/4本
- 水:1・1/2カップ
- 固形コンソメ:1/2個
- 白ワイン:大さじ3
- 調整豆乳:1カップ
- 塩:小さじ1/4
- こしょう:少々
- 油:大さじ1/2
- パセリのみじん切り:少々
たまごかけご飯の献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計14分
- たまごかけご飯
- キャベツ塩昆布和え
- たんぱくぱくみそ汁
さっとつくれるたまごかけご飯には、たんぱく質源のツナと野菜がたっぷり摂れる汁物、さらに3分で完成するキャベツと塩昆布の副菜もあわせて栄養バランスが整います。
【たまごかけご飯】
材料<1人分>
- 炊きたてご飯:1杯分(140g)
- 卵:1個
- しょうゆ:少々
- うま味調味料:3ふり
【キャベツ塩昆布和え】
材料<2人分>
- キャベツ:1/8個(150g)
- 塩昆布:5g
- マヨネーズ:大さじ2
【たんぱくぱくみそ汁】
材料<2人分>
- ツナ缶:1缶(70g)
- ホールコーン缶:大さじ2
- ブロッコリー:6房
- ミニトマト:4個
- 絹ごし豆腐:1/3丁
- 水:1・1/2カップ
- 顆粒だし:小さじ1
- みそ:大さじ1
【昼食】栄養バランスの良い献立例
昼食は、午後からのエネルギーを補う食事です。以下では、「AJINOMOTO PARK」で紹介するレシピをもとに、様々な食材を楽しめる栄養バランスがとれた献立を紹介します。
さばのパン粉焼きの献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計42分
- さばのパン粉焼き
- レタスとコーンのミックスサラダ
- ごぼうとにんじんのスープ
カレー風味に仕上げたさばをメインに、コーンたっぷりのサラダとコンソメスープがついた献立です。さばは揚げずに焼いて調理するので、カロリーダウンもかないます。
【さばのパン粉焼き】
材料<2人分>
- さば:2切れ(140g)
- 塩:少々
- こしょう:少々
- カレー粉:小さじ1
- 顆粒コンソメ:小さじ1/3
- 薄力粉:大さじ2
- 溶き卵:1/2個分
- パン粉:1/2カップ
- 粉チーズ・好みで:少々
- パプリカ(赤):1/2個(75g)
- さやえんどう:20枚
- オリーブオイル:大さじ1/2
- バルサミコ酢:小さじ1
【レタスとコーンのミックスサラダ】
材料<2人分>
- レタス・2枚:40g
- ミニトマト・4個:40g
- ホールコーン缶:50g
- うま味調味料:少々
- オリーブオイル:小さじ1
- レモン汁:小さじ1
- 粒入りマスタード:小さじ1/4
- しょうゆ:小さじ1/4
- 塩:少々
- こしょう:少々
【ごぼうとにんじんのスープ】
材料<4人分>
- ごぼう:10cm(30g)
- にんじん:1/4本
- 固形コンソメ:1個
- 水:2カップ
- 油:小さじ1/2
無敵中華丼の献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計26分
- 無敵中華丼
- ピーマンとささみのナムル
- 丸鶏スプラウトスープ
冷凍シーフードミックスを使ってつくるお手軽中華丼は、野菜もたっぷり摂れてご飯がすすむ1品です。副菜のナムルとスープで、不足分のたんぱく質と野菜をしっかり補う献立です。
【無敵中華丼】
材料<2人分>
- 冷凍シーフードミックス:180g
- チンゲン菜:150g
- にんじん:50g
- しいたけ:2個
- ご飯:360g
- 水:180ml
- オイスターソース:大さじ4
- 顆粒鶏がらスープ:小さじ1
- 水溶き片栗粉:大さじ3
- サラダ油:大さじ1
【ピーマンとささみのナムル】
材料<2人分>
- ピーマン:4個
- 鶏ささ身:1本
- こしょう:少々
- ミニトマト:4個
- 酢:大さじ1
- ごま油:大さじ1/2
- 液体甘味料:小さじ1(5g)
- いり白ごま:少々
【丸鶏スプラウトスープ】
材料<2人分>
- ブロッコリースプラウト:1パック
- しょうがのすりおろし:1/2かけ分
- 顆粒鶏がらスープ:小さじ2
- 湯:300ml
【夕食】栄養バランスの良い献立例

夕食は、1日の栄養バランスを整えることを意識しましょう。以下では、「AJINOMOTO PARK」で紹介するレシピをもとに、夕飯におすすめの栄養バランスがとれた献立を紹介します。
ズッキーニと豚肉の青じそ炒めの献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計35分
- ズッキーニと豚肉の青じそ炒め
- ひじきと切干大根のサラダ
- 鶏団子とひらひら人参のスープ野菜<塩分控えめ>
ズッキーニなどの夏野菜をたっぷり食べたい時におすすめの献立です。鶏団子が入った野菜スープは、減塩なのに簡単につくれます。
【ズッキーニと豚肉の青じそ炒め】
材料<2人分>
- 豚薄切り肉:100g
- ズッキーニ:1本
- パプリカ(赤):1/2個
- 顆粒コンソメ:小さじ2
- サラダ油:大さじ1
- 青じそのせん切り:4枚分
【ひじきと切干大根のサラダ】
材料<2人分>
- 干しひじき:5g
- 切り干し大根:20g
- しょうがのすりおろし:1/4かけ分(3g)
- 水:大さじ1/2
- 酢:小さじ2
- ごま油:小さじ1/2
- 顆粒鶏がらスープ:小さじ1/2
- 砂糖:小さじ1/3
- 小ねぎの小口切り:少々
【鶏団子とひらひら人参のスープ野菜<塩分控えめ>】
材料<2人分>
- 鶏ひき肉:150g
- 塩:適量
- こしょう:適量
- キャベツ:2枚
- にんじん:1/2本
- 水:300ml
- コンソメ(塩分ひかえめ):1個
鮭ときのこのクリームソースの献立

出典:味の素株式会社「AJINOMOTO PARK」
▼献立メニュー・調理時間 計40分
- 鮭ときのこのクリームソース
- 大根とひじきのゆず風味サラダ
- 丸ごと玉ねぎの炊飯器スープ
不足しやすい海藻類やきのこ類、野菜もたっぷり使った栄養バランス抜群の献立です。
【鮭ときのこのクリームソース】
材料<4人分>
- 生ざけ:3切れ
- しめじ:1/2パック
- エリンギ:2本
- 薄力粉:適量
- サラダ油:大さじ1
- バター:大さじ1
- 白ワイン:大さじ1・1/2
- 生クリーム:1カップ
- 固形コンソメチキン:1個
【大根とひじきのゆず風味サラダ】
材料<4人分>
- 大根・大5cm:200g
- ひじき(ドライパック):40g
- みつば:1/2束
- ゆずの果汁:大さじ1
- ゆずの皮・せん切り:適量
- マヨネーズ:大さじ5
【丸ごと玉ねぎの炊飯器スープ】
材料<2人分>
- 玉ねぎ:2個
- ウインナーソーセージ:2本
- コーン:50g
- 水:300ml
- 固形コンソメ:1個
- 塩:少々
- パセリのみじん切り:適量
- 粗びき黒こしょう:少々
- 粉チーズ:適量
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ここまで読んで、献立の考え方や栄養バランスの整った食事が大切なのはわかったものの、一食一食ちゃんと考えるのは難しいと感じた方もいるかもしれません。
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考え方の基本を理解して献立の栄養バランスを整えよう
健康的な生活を送るためには、日々の献立の栄養バランスが重要です。栄養バランスの良い献立づくりに悩んだら、まずは一汁三菜をベースに考えると良いでしょう。その際には、食事バランスガイドが役立ちます。
この記事で紹介した、栄養バランスが整った献立例もぜひ参考にしてください。献立づくりに行き詰った時には、「未来献立®」のご活用も検討してはいかがでしょうか。

監修者
金丸 利恵(かなまる りえ)
おうちごはん研究家、管理栄養士、分子栄養学カウンセラー
大手企業での栄養士業務、レシピ開発を担当。保健指導では2000名以上の食事指導を行う。その後独立し、料理教室を主宰し、食育やダイエットサポートなどあらゆる世代の食と健康に関わる。「食べることは、生きること」をモットーに、栄養指導やセミナーを通じて、食と栄養の大切さを伝えている。スーパーで買える身近な食材で、健康的に美味しく簡単に作れるレシピに定評がある。