ちょっと動くと汗が出るのはなぜ?原因や症状別の食事のポイントを紹介

ちょっと動くと汗が出る症状にお悩みではありませんか。普段の食生活や栄養バランスが偏っている自覚がある場合、ちょっと動くと汗が出る症状に不安を感じるかもしれません。
汗が出るのは自然なことですが、生活に支障が出る場合は何かしら病気の可能性も考えられます。
この記事では、汗が出る仕組みや汗の種類を解説します。ちょっと動くと汗が出る時に自分でできる対策や食事のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ちょっと動くと汗が出るのはなぜ?発汗の仕組みと種類
汗が出るのは、水分を汗として放出し体温調整しているためです。体温が上がると脳に情報が送られ、神経から汗が作られる汗腺に伝達して発汗する仕組みです。
汗腺は、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の2つあり、エクリン汗腺は全身に分布し、アポクリン汗腺は脇の下など体の一部分に存在します。
また、発汗は「精神性発汗」「温熱性発汗」「味覚性発汗」の3種類に分けられます。それぞれの特徴は以下のとおりです。
精神性発汗 | 興奮や恐怖、緊張など強いストレスを感じた時に出る汗です。主に、手のひらや足の裏に汗が出ます。 | ||
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温熱性発汗 | 暑い時や運動した時に出る汗です。体温を下げるために出る汗で、足の裏と手のひらを除く全身に汗が出ます。 | ||
味覚性発汗 | 辛い物を食べた時に出る汗です。特に、額や頭、鼻など顔面を中心に汗が出る特徴があります。 |
汗をかくことは、体にとって自然な現象です。そのため、上記の発汗は一時的であれば問題ないことがほとんどです。
ちょっと動くと汗が出るのは病気が原因?症状と治療法
一時的な発汗であれば問題ないと先述しましたが、急に汗が出たり暑くないのに汗をかいたりする症状が見られる場合、以下の可能性も考えられます。
- 更年期
- 自律神経失調症
- 甲状腺機能亢進症
- 多汗症
症状と治療法を解説するため、もし気になる症状がある場合は、専門の医療機関を受診しましょう。
更年期
汗をかきやすい他に、ほてりやのぼせなどの「ホットフラッシュ」と呼ばれる症状がある場合、更年期の可能性が考えられます。閉経前後10年の期間が該当し、女性ホルモンの減少が主な原因です。
更年期の治療法は、主にホルモン補充療法(HRT)と漢方治療です。精神的な症状が強い場合は、投薬治療を取り入れる場合もあります。
自律神経失調症
汗が出る他に疲れやすい、めまい、ふらつきなどの症状がある場合は、自律神経失調症の可能性が考えられます。
自立神経失調症は、ストレスなどにより交感神経と副交感神経のバランスが崩れることが原因です。
自律神経失調症の主な治療法は、生活習慣を見直し、ストレスを減らすことです。症状によっては、投薬や精神療法を用いる場合もあります。
甲状腺機能亢進症
発汗しやすい、震え、動悸、体重減少などの症状が見られる場合、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)の可能性が考えられます。
甲状腺機能亢進症は自己免疫疾患のひとつですが、正確な原因はわかっていません。
甲状腺機能亢進症は、遺伝する可能性もある病気です。家族に疾患がある場合、発症する可能性が高くなるとされています。甲状腺機能亢進症の治療法には、内服薬、放射線治療、手術などがあります。
多汗症
全身または、体の一部に多量の発汗が見られる場合、多汗症の可能性があるかもしれません。
多汗症は、全身に汗が出る全身多汗症と、手のひらや足の裏、脇、顔など体の一部に汗が出る局所多汗症に分類されます。
なお、多汗症と聞くと汗っかきとの違いが気になる方もいるかもしれません。
汗っかきと多汗症の違いは、汗をかく原因と汗の量です。汗っかきは、暑い日や運動をした時など、外的要因がきっかけで多く汗をかきます。
多汗症の疑いがある場合は、外的要因に関係なく日常生活に支障をきたす量の汗をかきます。
厚生労働科学研究班の調査によると、日本にいる多汗症の重症患者は82万人と言われています。多汗症の治療法は症状によって内服薬、外用薬、注射療法があるため、気になる症状がある方は医療機関を受診してください。
ちょっと動くと汗が出る場合の対策
ちょっと動くと汗が出る場合の対策を3つ紹介します。
- 室温を整えたり涼しい服を取り入れたりして、快適に過ごせる環境を作る
- 十分な睡眠を取り、ストレスを溜めない生活を意識する
- 食生活を改善し、健康的な生活を送るよう心がける
上記のように、生活習慣を整えることで改善できる場合もあるため、ぜひお試しください。
食生活のポイントについては、次の項目で解説します。毎日の食事内容を考えるのは大変ですが、ポイントを押さえて改善を目指しましょう。
ちょっと動くと汗が出る場合の食事のポイント

ちょっと動くと汗が出る場合に考えられる病気には、更年期や自律神経失調症、甲状腺機能亢進症、多汗症などが挙げられます。
以下では、症状別の食事のポイントを解説します。
更年期
更年期の症状が考えられる場合の食事は、和食がおすすめです。
豆腐や納豆は積極的に取り入れてみましょう。大豆製品には、たんぱく質や食物繊維の他に、大豆イソフラボンと呼ばれる女性ホルモンと似た働きをしてくれる成分が含まれています。アーモンドやかぼちゃなどに含まれる、ビタミンEも積極的に摂取したい栄養素です。
自律神経失調症
菓子パンやマーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸は、できるだけ避けましょう。トランス脂肪酸を大量に摂取すると、神経伝達機能やホルモン分泌機能に障害が出る可能性があります。
他には、甘い食べ物や白米などに含まれる糖分も大量に摂取するのは控えましょう。糖分を摂取すると、血糖値が上昇します。上昇した血糖値を下げるためにホルモンが過剰に分泌され、低血糖を引き起こす可能性があるため注意しましょう。
積極的に摂りたい栄養素は、たんぱく質、ビタミン、GABA、鉄分、カルシウムなどです。
甲状腺機能亢進症
海藻や昆布など、甲状腺ホルモンの主成分となるヨウ素を多く含む食品は控えましょう。
意識して摂取したいのは、ビタミンB群、緑黄色野菜などに含まれるビタミンA、亜鉛や食物繊維です。
汗をかく症状が出るため、水分を積極的に摂り、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
多汗症
辛いものや酸っぱいものは汗をかきやすくなるため避けましょう。また、カフェインも刺激があるため控えると良いでしょう。
主食、主菜、副菜、汁物とバランスの取れた食事を心がけることが大切です。
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食事を摂る際は、日頃から栄養バランスに気をつけることが大切です。農林水産省から「食事バランスガイド」が発表されているので、日々の食事の参考にしてみるのもおすすめです。
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ちょっと動くと汗が出るのは体温調節の一環!症状が気になる場合は受診しよう
汗をかくのは、人間が体温を保つために大切な機能です。しかし、日常生活に支障が出るほどの発汗は、何かしらの病気が関係している可能性も考えられます。そのため、症状が気になる場合は、医師の診察を受けましょう。
ちょっと動くと汗が出る場合は、生活環境や食生活の改善で対策できることもあります。
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監修者
藤堂 紗織(とうどう さおり)
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院で研修後、腎臓内科学教室に入局。その後、善仁会丸子クリニックにて10年院長勤務。透析治療に携わる。令和元年に、街のかかりつけ医となれるよう、Alohaさおり自由が丘クリニックを内科、皮膚科、美容皮膚科を標榜して開業。