味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)は2023年6月28日、当社連結子会社である、合弁会社味の素ジェネクシン社(社長:中井 勇太 本社:韓国 仁川市 以下AGX社)の株式25%を、バイオ医薬品企業のGenexine社(CEO:Neil Warma 本社:韓国 ソウル市)より取得することに合意しました。これにより、当社グループのAGX社の保有株式は100%となります。またバイオ医薬用培地事業の中核となる開発・製造拠点として独資化することにより、当社グループの培地開発・製造のグローバル体制をさらに強化します。
なお当社とGenexine社は、AGX社の独資化後も、バイオ医薬品領域での両者の技術と知見を生かした協業の可能性について検討を進めていきます。
これまで治療の難しかった疾病に新たな治療法を提供するバイオ医薬品市場は、抗がん剤や関節リウマチ薬などの抗体医薬品を中心に年率12%の伸長率で急速に拡大しており、2025年には73兆円規模への成長が見込まれています(出典:Aranca Co. report, 2021)。加えて、新興国における需要の増加や、先発薬の特許満了に伴う日本や欧州などでのバイオ医薬品の後発薬(バイオシミラー)の上市などが市場の一層の拡大につながっています。バイオ医薬品は動物細胞の培養によって製造されるため、バイオ医薬品の市場成長に伴って、製造用の医薬用培地の需要も着実な増加が想定されます。
当社は、医薬用・食品用アミノ酸のグローバル市場におけるリーディングサプライヤーであり、ヘルスケア領域における基板事業の一つとして、バイオ医薬用培地事業を展開しています。アミノ酸は培地の必須成分であり、AGX社は当社グループのアミノ酸に関する高度な技術・知見を活用し、顧客ニーズに応じて最適化した高品質な培地の製造を行っています。また、近年コロナ禍によってサプライチェーンにおける世界的な課題が生じましたが、当社グループはスケールメリットを生かした原料確保を通じた安定的な培地供給を継続しており、製薬企業から高評価を得ています。今後も、成長が見込まれるアジア地域において、培地の安定供給体制のさらなる推進と培地事業基盤の強化を行い、グローバルな新規需要の獲得を目指します。
当社グループは、独自のアミノサイエンス®の強みを生かし、高品質なバイオ医薬用アミノ酸の独創的な製法・利用法の開発を推進し、ヘルスケア領域における基盤事業の確実な成長と、人・社会・地球のWell-beingに貢献します。
(1) | 英文会社名 | : | Genexine, Inc. |
(2) | 所在地 | : | Magok-dong, Gangeso-gu, Seoul |
(3) | 設立時期 | : | 1999年 |
(4) | 代表者 | : | CEO ニール・ワルマ(Neil Warma) |
(5) | 従業員数 | : | 127名(2022年9月現在) |
(6) | 事業内容 | : | バイオ医薬品の開発 |
(7) | 資本金 | : | 約126億ウォン(約13億円) |
(1) | 英文会社名 | : | Ajinomoto Genexine Co., Ltd. |
(2) | 所在地 | : | 韓国 仁川市 |
(3) | 設立時期 | : | 2012年 |
(4) | 代表者 | : | 代表取締役社長 中井 勇太 |
(5) | 従業員数 | : | 61名(2023年5月現在) |
(6) | 事業内容 | : | 細胞培養培地の製造(受託製造含む) |
(7) | 資本金 | : | 357億ウォン(約36億円) |
(8) | 株主構成 | : | 味の素株式会社 75%、Genexine社 25% |
★1ウォン=0.1062円(2023年5月末レート)