PRESS RELEASE

~2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて~
味の素㈱、バイオスタートアップの㈱Logomixと
サステナブルなアミノ酸製法の共同開発を開始

 味の素株式会社(社長:藤江 太郎 本社:東京都中央区)はこのたび、独自のゲノム大規模構築技術を持つスタートアップ企業、株式会社Logomix(CEO:石倉 大樹 本社:東京都中央区、以下Logomix社)と共同研究開発契約を締結しました。これにより、Logomix社の持つゲノム構築の技術と、当社のアミノ酸生産に関する技術や知見との相互作用を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献するサステナブルなアミノ酸製法の共同開発を進めます。

 味の素グループは、2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出量を正味ゼロ(ネットゼロ)とするカーボンニュートラルを目標として設定し、持続可能なフードシステムの構築への貢献を目指しています。この一環として、当社事業の中核となるアミノ酸の生産においても、低環境負荷生産技術や副産物の農業への循環利用などを含むサステナブルなアミノ酸生産バイオサイクルを世界各地の発酵工場に導入しています。また、GHGの排出削減の取り組みを通じて、このバイオサイクルを革新する技術開発を推進し、カーボンニュートラルの実現を目指します。

 一方、2019年7月に設立されたLogomix社は、創薬・バイオものづくりの課題解決につながる高機能細胞を開発するゲノムエンジニアリングカンパニーです。ゲノム大規模構築技術Geno-Writing™を提供し、バクテリア、酵母、動物培養細胞、ヒト幹細胞など様々な生物種の機能改変した細胞や細胞システムを提供しています。同社は現在、製薬企業や化学・素材系企業、エネルギー系企業等、細胞や微生物を使ったものづくりを進めている幅広い企業との協業を進めており、今回の共同研究開発もその一環と位置づけています。
 Logomix社が持つこのゲノム大規模構築技術と、当社のアミノ酸発酵に関する技術や知見を融合させることにより、発酵工程におけるCO2排出量をはじめとする環境負荷を低減した、サステナブルなアミノ酸製法の開発を推進し、アミノ酸生産バイオサイクルの革新によるグリーンアミノ酸の製造を目指します。

 当社はアミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献していくために「ヘルスケア」、「フード&ウェルネス」、「ICT」、「グリーン」を4つの成長領域としています。Logomix社との共同開発によりカーボンニュートラル化を推進していくことで、持続可能なフードシステムの構築を図っていきます。

参 考
■Logomix社の概要
(1) 会社名 株式会社Logomix
(2) 所在地 東京都中央区
(3) 設立時期 2019年7月
(4) 代表者 CEO 石倉 大樹
(5) 事業内容 医薬品、バイオものづくり基盤技術の研究、開発(東京工業大学発バイオベンチャー)
(6) 従業員数 12名(2023年3月時点)
(7) WEBサイト:https://logomix.bio/ja

■ゲノム大規模構築技術Geno-Writing™について
 ゲノムとは生物の設計図である遺伝情報全体のことを表します。2003年にヒトゲノムが解読され、2020年にはゲノム編集の技術がノーベル賞を受賞しました。これを応用して東京工業大学で開発された技術を土台とした大規模にゲノムを設計・改変できるGeno-Writing™は、産業への貢献が世界的に期待されています。

■サステナブルなアミノ酸生産バイオサイクルとは

味の素グループの現在のアミノ酸生産バイオサイクル

低環境負荷生産、副産物の循環利用などを含むバイオサイクルを
世界各地の発酵工場に導入、CO2排出削減に貢献

味の素グループが目指すサステナブルなアミノ酸生産バイオサイクル

サステナブルバイオサイクルを構築し、
カーボンニュートラルなグリーンアミノ酸を製造