PRESS RELEASE

味の素㈱、培養肉スタートアップのスーパーミート社に出資

~細胞培養技術による持続可能なフードシステム構築を目指して~

 味の素株式会社(社長:西井 孝明 本社:東京都中央区)は、当社コーポレートベンチャーキャピタルの案件として、培養肉の開発・製造を手掛けるフードテック企業のSuperMeat the Essence of Meat Ltd.(CEO:Ido Savir、本社:イスラエル テルアビブ市、以下スーパーミート社)との業務提携に向けて、同社に出資しました。これにより、スーパーミート社が持つ培養肉の開発技術や知見と、当社独自のバイオ医療や発酵に関するR&D技術、呈味や食感などのおいしさ設計技術を組み合わせ、“食と健康の課題解決”の実現に貢献していきます。

 世界中で高まる動物性たんぱく質の需要やその生産に伴う環境負荷等を背景に、植物肉や培養肉など代替肉が注目されています。この内培養肉の市場については2025年に約20億米ドル、2030年には約250億米ドルまで伸長するとの試算も報告されています(出典:マッキンゼーレポート、2021年6月)。一方、培養肉を開発・製造するスタートアップ企業の多くは自社技術の実証実験の段階にあり、一部の企業が限定的な販売や、商業スケールの製造施設の建設・稼働の準備を行っているというのが現状です。

 スーパーミート社は培養肉開発において先行する企業の一つであり、独自の細胞株による増殖・分化や技術の実証、パイロットプラントに併設する飲食施設でのメニューの受容性テストの実施など、培養肉開発に関わる一連の機能、および将来的な商業化を見据えた経験と実績を有しています。今後、当社はスーパーミート社が2年以内に予定する培養肉の商業化に向けた課題解決を支援すると共に、培養肉に関連する新技術・素材の開発を進めていきます。

 当社は2020-2025中期経営計画において、食と健康の課題解決企業を目標として掲げており、たんぱく質供給の課題に対し、培養肉は、豊かな食生活を維持しつつ食資源確保や環境負荷低減につながる解決策の一つであると認識しています。アミノ酸技術を原点として再生医療・食品分野で培った当社の技術・製品(成長因子、アミノ酸、天然系調味料等)を活用し、培養肉企業との協業で、生産者から消費者までの持続可能なフードシステムの構築を目指します。

参 考
■スーパーミート社の概要
(1) 会社名 SuperMeat the Essence of Meat Ltd.
(2) 所在地 イスラエル テルアビブ市
(3) 設立時期 2015年
(4) 代表者 CEO Ido Savir
(5) 事業内容 培養肉の開発・生産
(6) 従業員数 約30名
(7) WEBサイト:https://supermeat.com/

スーパーミート社の培養肉を
使用したサラダ


スーパーミート社のパイロットプラント

パイロットプラントに併設された
飲食施設


スーパーミート社の培養肉を
使用したバーガー

2020年12月16日付プレスリリース
味の素㈱、コーポレートベンチャーキャピタルを新設
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/presscenter/press/detail/2020_12_16.html