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2018年5月22日
~再生医療用培地受託製造事業に参入~
味の素(株)、再生医療用培地受託製造のリーディングカンパニー
コージンバイオ社と合弁会社設立に合意
日本初の再生医療における臨床用培地受託製造会社誕生

 味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、再生医療※1用培地※2受託製造のリーディングカンパニーであるコージンバイオ株式会社(社長:中村孝人 本社:埼玉県坂戸市、以下「コージンバイオ社」)と日本初となる再生医療における臨床用培地の受託製造会社設立に合意し、本日、合弁事業契約を締結しました。合弁会社は2018年6月に設立され、資本金は9.5億円、出資比率は当社51%、コージンバイオ社49%です。2018年度中に当社の連結子会社とする予定です。当社は今後著しい需要拡大が見込まれる再生医療における臨床用培地の受託製造事業への参入により、先端バイオ医療周辺事業の更なる拡大を目指します。

 日本の再生医療用培地市場は、iPS/ES細胞※3に加え、先行して研究開発が進む間葉系幹細胞※4等を使用した再生医療が臨床研究段階を迎える2020年以降、年平均21%で成長し、2030年に969億円、2040年には2000億円を超える規模に成長する ものと予測されています。*血清・試薬を含む消耗品市場

 当社は、2017-2019中期経営計画において、新たな事業の柱としてアミノサイエンス事業のポート フォリオ拡張を重点戦略に掲げ、新たな成長ドライバーとして培地・培地関連素材等の先端バイオ医療周辺領域事業の育成に取り組んでいます。当社の長年にわたる アミノ酸栄養研究やバイオ技術に加えて、経腸栄養剤や無血清培地等の開発を通じて培ってきた培地の原料・組成等の開発技術を強みに、京都大学iPS細胞研究所とiPS/ES細胞用培地(「StemFit®」)の開発を進めてきました。現在、iPS細胞を使用した再生医療において、当社のiPS/ES細胞用培地「StemFit®」シリーズは国内で圧倒的なシェアを有しています。

 コージンバイオ社は顧客企業のニーズに対応した高品質な培地の開発・製造等に強みを持つ再生医療用培地受託製造のリーディングカンパニーです。当社は、「StemFit®」培地の委託製造を通じて同社との信頼関係を構築し、今回の合弁契約締結に至りました。当社はこれにより、今後、需要の拡大が期待される再生医療用培地受託製造事業に参入します。今回設立される合弁会社では、当社のiPS/ES細胞用培地およびコージンバイオ社の免疫治療用培地、幹細胞用培地等の臨床用培地の受託製造を行います。間葉系幹細胞用培地や、他社の臨床用培地の受託製造も行う予定であり、高い性能と安全性を兼ね備えた培地の提供を目指します。

 味の素グループは新会社の設立により国内における再生医療用培地事業を強化します。今後も再生医療用培地の販売を通じて、再生医療の実現や新しい医薬品の開発に寄与し、生活者の「健康なこころとからだ」に貢献します。

■新会社の概要:味の素コージンバイオ株式会社
(1) 所在 埼玉県坂戸市
(2) 設立時期 2018年6月
(3) 代表 代表取締役社長 鎌田 創(かまだ はじめ)
(4) 事業内容 再生医療用等の臨床用培地の受託製造
(5) 資本 9億5千万円(設立時払込金)
(6) 出資比率 味の素㈱ 51%、コージンバイオ社 49%

味の素コージンバイオ社 ビジネススキーム
当社製品 コージンバイオ社製品
参 考
■コージンバイオ株式会社
(1) 所在 埼玉県坂戸市
(2) 設立時期 1981年
(3) 代表 代表取締役社長 中村 孝人(なかむら たかひと)
(4) 従業員数 164名(グループ合計)
(5) 事業内容 組織培養用培地・微生物検査用培地・体外診断用医薬品の開発・製造並びに販売、
血液・血清・血漿並びに医療機械の販売
(6) 資本 3億8,750万円

用語説明
※1  再生医療
機能障害・不全・欠陥に陥った生体組織に、正常な機能を有する細胞や組織を人為的に再現、移植導入し、
組織修復・機能の再生を行う医療。

※2  培地
細胞が必要とするアミノ酸、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルに成長因子などをバランス良く含む栄養液。

※3  iPS/ES細胞
iPS細胞とは、人間の体の細胞に、数種の因子を導入することで誘導される人工多能性幹細胞 (Induced Pluripotent Stem Cell)のこと。様々な組織や臓器の細胞に分化する能力(pluripotency)とほぼ無限に増殖する能力を合わせ持つ。
ES細胞とは、人間の胚の内部細胞塊を用いて作られた胚性幹細胞(Embryonic Stem Cell)のこと。体を構成する様々な組織や臓器の細胞へと分化する能力を持つ。

※4  間葉系幹細胞
1970年に見出された幹細胞で、体内に存在し、自己増殖能と多分化能を有する。間葉系に属する細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を持ち、骨や血管、心筋の再構築等の再生医療への応用が期待されている。

以上
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