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2017年3月23日
味の素(株)、高たんぱくで優れた栄養価値のある植物素材
「Mankai(マンカイ)」の日本における独占販売権を取得
~イスラエルのHinoman社へ出資~

<「Mankai」(乾燥粉末)>
 味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、本日、イスラエルのベンチャー企業であるヒノマン社(Hinoman Ltd.)との間で、同社に対する15百万米ドル(約17億円)※1の出資に関する契約を締結する旨合意しました。同時に、同社が有する高たんぱく※2で優れた栄養価値のある植物素材「Mankai」の日本における独占販売権の取得についても合意しました。当社は、「Mankai」を利用した加工食品の開発・販売および「Mankai」の素材販売を推進し、新事業の確立を目指します。サステナブルで優れた栄養価値を持つ製品の日本の生活者への提供を通じて“たんぱく・アミノ酸栄養”の不足という社会課題の解決に貢献します。

 ※1 1米ドル=112.56円(2017年2月末レート)
 ※2 「Mankai」(乾燥粉末)の栄養成分のうち約45%がたんぱく質

 日本では、高齢者や若年女性等の幅広い世代で低栄養や偏栄養が社会課題として顕在化しつつあります。文部科学省が定める「食品成分表2015年版」で食品のアミノ酸成分情報が拡充されたこともあり、“たんぱく・アミノ酸栄養”に対する関心が高まっています。一方で、日々の食事で肉や魚を摂取するだけでは十分な量のたんぱく質を摂取することが難しいという課題があります。この課題の解決方法の一つとして、良質なたんぱく質を手軽に補給できる加工食品の需要が高まっており、たんぱく質摂取を目的とする食品の市場規模は2016年に約2300億円超と、2010年比112%(当社調べ)に拡大しており、今後も年率2~3%で拡大する見通しです。

 「Mankai」は、ヒノマン社がイスラエルにおいて育成者権を保有する水草/ウキクサ(英名:duckweed)の一種で、既存のたんぱく質素材に比べて体内で消化・吸収効率に優れています。また、ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸等の不飽和脂肪酸や食物繊維等を含み、優れた栄養価値を有しています。さらに、「Mankai」は短期間で少量の水、光、栄養素で栽培できるため、環境への負荷が少なく効率的に生産することができます。ヒノマン社は「Mankai」を省エネルギーで商業生産できるノウハウを有しています。当社は、ヒノマン社の第三者割当増資の引受および既存株主からの株式取得により同社に出資するとともに、「Mankai」の日本における独占販売権を取得します。今後、高たんぱくで優れた栄養価値を有する植物素材「Mankai」と当社の調味・加工技術、製品開発力、マーケティング力を組み合わせることで、栄養バランスの良い新製品を開発し日本市場で販売する予定です。

 ヒノマン社への出資は2017年3月下旬、「Mankai」を利用した製品の発売は2018年度以降を予定しています。本件が2016年度および2017年度の当社業績に与える影響は軽微です。

 当社は、スペシャリティ素材と独自技術を活かした製品の提供等を行うことで、“地球持続性”、“食資源”の社会課題の解決や生活者の健康づくりに貢献し、「確かなグローバル・スペシャリティ・カンパニー」を目指します。

参 考

ヒノマン社の概要
(1) 英文会社 Hinoman Ltd.
(2) 所在 イスラエル国 テルアビブ
(3) 設立時 2010年8月
(4) 代表 CEO ロン・サルペター(Ron Salpeter)
(5) 従業員 20名
(6) 事業内 「Mankai」に関する研究開発および製造販売
(7) ホームページ http://www.hinoman.biz/

「Mankai」の特徴
(1)ナチュラルでサステナブルな植物素材
高たんぱくの水草/ウキクサ。直径約0.5mmの超小型植物で、増殖性に富み、高効率かつ環境低負荷での生産が可能。

(2)優れた栄養価値
主な栄養成分はたんぱく質、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸(オメガ3脂肪酸等)、食物繊維等。特にたんぱく質は乾燥粉末中の約45%と豊富で、ホエイたんぱくや大豆たんぱくなみの優れたアミノ酸バランスを有しており、既存のたんぱく質素材に比べて消化・吸収率が高く、体内での効率的な活用が可能。また、グルテンフリー、ゼロコレステロール、アレルギーフリーという利点を有する。

(3)幅広いアプリケーション
「Mankai」(乾燥粉末)はクセのない味・風味・テクスチャー(抹茶風)で、水溶性も高く、様々な食品形態に応用が可能。
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