2016年9月14日
![]() 基礎研究用iPS/ES細胞用培地 「StemFit®」Basic02
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、高性能な基礎研究用iPS/ES細胞用培地「StemFit®」Basic02を世界の再生医療研究の中心である米国で2016年9月16日(現地時間)より研究機関向けに販売開始します。日本国内で実績のある当社のiPS/ES細胞用培地「StemFit®」シリーズをグローバル市場に展開する第一弾であり、当社は今後も世界の再生医療の早期実現化に貢献します。
再生医療研究は、その臨床応用や実用化に向けて最も研究が盛んで大きな進展のみられる研究領域の一つです。再生医療に関連する装置類や消耗品類、サービス類等の周辺産業の将来市場規模は、2012年時点で全世界で2,400億円、その約半分を米国が占めています。2050年には15兆円にまで成長すると見込まれています(2013年、経済産業省調べ)。
当社は、2014年に京都大学iPS細胞研究所と共同で「StemFit®」AK03を開発し、再生医療の臨床研究用培地として国内の関連施設に提供してきました。2015年にこの「StemFit®」AK03と同組成・同性能の基礎研究用培地「StemFit®」AK02Nを発売、さらに、バイオ技術で作成したリコンビナントタンパク質を利用することにより、動物やヒトに由来する成分を全く含まず、精製された成分のみで構成された国内唯一の臨床研究用培地「StemFit®」AK03Nを2016年7月に発売しました。現在、日本国内において基礎研究用と臨床研究用の2種類のラインアップで「StemFit®」シリーズを展開しています。
「StemFit®」シリーズは、iPS/ES細胞の増殖用培地として世界最高水準の性能を備えており、培地交換の頻度や増殖率、安定性の面において他社製品に比し、高いコストパフォーマンスを実現し、国内で高い評価を得ています。今回当社は、基礎研究用培地「StemFit®」AK02Nをベースにグローバル市場向けに開発した「StemFit®」Basic02を世界市場をリードする米国で研究機関向けに発売します。販売においては、グローバルに再生医療関連の研究をサポートする株式会社リプロセルの米国法人(リプロセルUSA社)と提携し、米国の再生医療研究機関に広く提供します。
当社は今後、グローバル市場向けの臨床研究用培地の開発を進めるとともに、欧州やアジア各国でも「StemFit®」シリーズを展開する予定です。
味の素グループは、iPS/ES細胞の培養に用いる「StemFit®」培地の販売を通じて、再生医療の実現や新しい医薬品の開発に寄与し、人類の健康な生活の実現に貢献していきます。
E-mail:stemfit@ajinomoto.com
用語説明
iPS細胞:
人間の体の細胞に、数種の因子を導入することで誘導される人工多能性幹細胞 (induced pluripotent stem cell:iPS細胞)。様々な組織や臓器の細胞に分化する能力(pluripotency)とほぼ無限に増殖する能力を合わせ持つ。
ES細胞:
「Embryonic Stem Cell」の略で「胚性幹細胞」のこと。人間の胚の内部細胞塊を用いて作られた幹細胞で、体を構成する様々な組織や臓器の細胞へと分化する能力を持つ。
リコンビナントタンパク質:
バイオ技術により、微生物や酵母などを用いて作り出したタンパク質のこと。バイオ医薬品として、がんやリウマチの治療薬など広く用いられている。
参 考
<株式会社リプロセルの概要>
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