2016年2月29日
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、ネスレ日本株式会社(社長:高岡浩三 本社:兵庫県神戸市、以下「ネスレ日本社」)と日本における当社の濃厚流動食(経管栄養食)※の事業譲渡および栄養補助食品(医療・介護用経口栄養食)の医療系ルート(医療・介護施設、調剤薬局など)における販売提携について合意に達し、本日、契約を締結しました。今後、当社は医療・介護用食品事業を栄養補助食品の領域に特化し、事業構造の強化を図るとともに超高齢社会における多様な栄養ニーズに対応することで、更なる成長へ向けて事業の拡大を目指します。
※ 口から食べ物を摂れない患者に、鼻や胃にチューブを通して栄養を補給する食品。
味の素グループは臨床栄養の知見を活かし、1969年に濃厚流動食を医療系ルートで発売し、その後、「メディエフ®」、「メディエフ®プッシュケア®2.5」といった栄養管理をサポートする独自性の高い製品を開発してきました。2000年代以降は、長年にわたるアミノ酸研究においしさや食べやすさを実現する食品開発技術を活かし、「アクアソリタ®」、「アミノケア®」ゼリーなどの栄養補助食品を医療系ルートで発売、2015年には家庭用ルート(ドラッグストア、スーパーマーケットなど)にも拡大し、医療施設や在宅の高齢者の栄養をサポートする事業を展開しています。
近年、超高齢社会が進む中、社会保障費の抑制やセルフメディケーションの推進が活発化しています。医療現場では、医療措置の効果を高めるための栄養療法に新たに注目が集まり、在宅では、高齢者の栄養管理の重要性に対する意識が高まっています。このように高齢者栄養への期待が高まる一方、医療・介護用食品事業を取り巻く環境は年々厳しさを増しており、事業構造の強化が求められています。
ネスレ日本社は、医療・介護用食品事業を展開するネスレ ヘルスサイエンスカンパニーを有しており、科学的根拠に基づく製品やサービスの提供により医療系ルートでの販売力に強みを持ち、「栄養の力」で医療・介護現場の未来に貢献することを目指しています。一方、当社はアミノ酸研究や食品開発技術を活かした製品開発力や食品事業で培った家庭用ルートでの販売力に強みを持っており、それぞれの強みを活かした協業が事業構造の強化を加速すると判断しました。
当社は2016年4月25日にネスレ日本社に濃厚流動食の事業を譲渡し、今後、ネスレ日本社が生産、販売を行います。また、栄養補助食品については、ネスレ日本社が総販売店契約に基づき、2016年4月25日より医療系ルートでの販売・販促活動を行います。栄養補助食品の製品開発、生産、品質保証、臨床研究、家庭用ルートでの販売などは、引き続き当社が行います。
<医療・介護用食品事業の体制(2016年4月25日以降)>
本契約締結に伴い、当社100%子会社として医療系ルートの販売を担ってきた味の素ニュートリション株式会社(社長:伴 義典 本社:東京都中央区)は、2016年11月末で解散する予定です。
味の素グループは、医療・介護の現場において、今後も、アミノ酸研究に基づく科学的エビデンスとおいしさや食べやすさを実現する食品開発技術の知見を結集して製品開発を行い、高齢者の健康な生活の実現に貢献します。
なお、本件が2015年度業績に与える影響は軽微です。
【ネスレ日本株式会社の概要】
【味の素ニュートリション株式会社の概要】
参考
ネスレ日本社に譲渡する濃厚流動食
ネスレ日本社が医療系ルートで販売する主な栄養補助食品(販売提携)
お客様向けお問い合わせ先:味の素KKお客様相談センター フリーダイヤル 0120-814-222
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