2015年8月27日
味の素株式会社(社長:西井孝明 本社:東京都中央区)は、本日、オランダのハイエットホールディング社(HYET Holding B.V.、以下「HH社」)に、当社の100%子会社であるフランスの欧州味の素甘味料社(以下「ASE社」)の発行済全株式を譲渡することを決定しましたのでお知らせします。
1.株式譲渡契約概要
2.株式譲渡の背景
当社は、2014-2016中期経営計画において“FIT & GROW with Specialty”(当社ならではのスペシャリティを通じた成長ドライバーの展開と更なる事業構造強化)を基本方針として掲げています。その基本方針の下、甘味料事業においては、「おいしさ」と「低カロリー」の同時提供を目指し、国内外の消費者向け製品領域の拡大による事業のスペシャリティ化を推進しています。一方で、コモディティ製品であるアミノ酸系高甘味度甘味料アスパルテームの生産体制のあり方について検討してきました。
1982年に始まった当社アスパルテーム事業は、現在、当社東海事業所(三重県四日市市)とフランスのASE社にて生産を行い、全世界約80の国・地域で販売を行っています。アスパルテームのグローバルでの市場規模は、過去3年間ほぼ横ばいで推移していますが、2000年以降の相次ぐ新規参入により、販売単価が下落し、当社アスパルテーム事業の採算性は悪化する傾向にあります。昨年、当社は、当該事業の構造を強化すべく、アスパルテームの生産拠点を東海事業所に集約することを決め、ASE社の売却候補先の検討に入りました。
2015年5月にオランダを拠点とする甘味料等の輸入販売会社のハイエットスイート社(HYET Sweet B.V.、以下「HS社」)より正式提案があり、このたび、ASE社従業員の一定期間の雇用継続などを含め、売却条件に関し合意が得られ、株式譲渡契約締結の運びとなりました。HH社は、HS社の兄弟会社で、今回の株式譲渡に伴い、新規に設立された持株会社です。
今後、当社はアスパルテームの生産拠点集約により甘味料事業の構造強化を図り、一層のスペシャリティ化を推進します。
3.業績への影響
本件により特別損失が70億円程度発生する見込みですが、当該損失は2015年5月8日に発表した2016年3月期連結業績予想には織り込み済みです。
一方、8月27日付の当社プレスリリース「味の素(株)、ブラジルにおける日清食品ホールディングス(株)との即席麺合弁会社の全持分を日清食品ホールディングス(株)へ譲渡」でお知らせした通り、関係会社の持分売却による特別利益が発生するため、同日付で「平成28年3月期通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」を発信しています。詳細は当該プレスリリースをご参照ください。
<欧州味の素甘味料社の概要>
<ハイエットホールディング社の概要>
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