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2014年6月3日
〜バイオマス※1循環型地域社会の構築を目指して〜
味の素(株)、バイオマス活用で佐賀市と共同研究契約を締結

 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)の九州事業所(事業所長:谷 昌浩 所在地:佐賀県佐賀市)は、6月2日、同事業所のアミノ酸発酵の工程から発生する副生バイオマスを活用する技術などについて、佐賀市(市長:秀島敏行)と共同研究を行うことに合意しました。両者は、九州事業所の副生バイオマスについて、「佐賀市下水浄化センター」での排水処理後の汚泥を原料とした肥料製造への活用や、同下水浄化センターのバイオガス発電※2への活用に向けての共同研究を行います。さらにこれらの技術による廃棄物のゼロ化や環境負荷低減などについての評価を佐賀市が行います。

写真左から 秀島敏行佐賀市長、谷 昌浩味の素(株)九州事業所長佐賀市下水浄化センター

 これまで両者は、「佐賀市下水浄化センター」の排水処理後の汚泥を原料に、九州事業所のアミノ酸発酵の工程から発生する副生バイオマスを活用して肥料を製造する取り組みを共同で行っており、
1)
その製造過程におけるアンモニア発生の抑制※3による臭気低減などの地域環境改善効果
2)
副生バイオマスの活用による肥料中のアミノ酸含量の増加※4や、この肥料を使った作物の
品質向上※5などが確認されています。
 「佐賀市下水浄化センター」で生産された肥料は、佐賀市内を中心とした地域農家に安価で販売され、「地域住民→下水処理→地域農業→地域住民」という、企業と地方自治体の連携による地域バイオマス循環の好事例となっており、関係省庁からも注目されています。

 今後は共同研究を通して、九州事業所が提供する副生バイオマスを活用した肥料による作物の品質向上(アミノ酸濃度増加など)について科学的な検証を進めるとともに、副生バイオマスの利用価値をさらに追求して、バイオガス発電等の新規用途開発をめざす予定です。

 佐賀市では「バイオマス産業都市さが」をキャッチフレーズに、バイオマス産業都市※6選定をめざしてバイオマス産業を軸とした、環境にやさしく災害に強い街づくりに取り組んでいます。
 九州事業所は、副生バイオマスを用いて、佐賀市の提唱する「佐賀市バイオマス産業都市構想」に積極的に協力し、バイオマス循環型地域社会の構築に貢献していきます。

参考資料
※1)バイオマス:家庭やゴミ焼却場、下水処理センターなどから排出される未使用の生物資源。

※2)バイオガス発電: 下水浄化センターで発生するメタンガス(バイオガス)での発電。発電と同時に排熱を有効活用することにより、ガス排出による温室効果の抑制と下水浄化センターの運営経費削減が同時に実現可能。

※3)発酵副生バイオマス添加による肥料生産時のアンモニア濃度抑制※4)肥料中のアミノ酸含量増加
※5)発酵副生バイオマスを添加した肥料による作物の品質向上
・下水浄化センターの肥料を用いたジャガイモの栽培試験結果
・官能評価は、当社味覚審査有資格者を含む9名によるブラインド試験
 
※6)バイオマス産業都市:地域の特色を活かしたバイオマス産業を軸とした環境にやさしく災害に強いまち・むらづくりを目指す地域。平成25年度より、関係7府省(内閣府、総務省、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省)が共同でバイオマス産業都市の構築を推進しており、現在16地域が選定されている。


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