![]() 2014年5月29日
*一般生活者の中からリスクの高い集団を絞り込むこと。
味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、三井記念病院総合健診センターの山門實特任顧問を中心としたグループとの共同研究で、「アミノインデックス技術」を用いて、生活習慣病に関連するリスク(内臓脂肪蓄積、脂肪肝、食後高インスリン血症)の高い集団を採血検査だけで抽出できることを確認しました。この研究成果は、第68回日本栄養・食糧学会大会(2014年5月30日(金)〜6月1日(日)に北海道江別市の酪農学園大学にて開催)において発表される予定です※1。なお、本件は同学会大会のトピックス演題に選定されました。
「アミノインデックス技術」とは、血液中のアミノ酸濃度のバランスの変動を統計学的に解析・指標化し、健康状態や疾病のリスクを明らかにする技術です。同研究グループはこれまで、この技術を用いて、生活習慣病に関連する複数のリスク(内臓脂肪蓄積、脂肪肝、食後高インスリン血症)の状態が評価できることを明らかにしてきました※2。いずれのリスクも、腹囲やBMI値、血糖値などの通常の健康診断項目ではなかなか把握することが難しく、CTスキャンやエコー検査、糖負荷試験といった検査を多くの人が、毎年、健康診断の機会に受けることも難しい状況です。
今回、20代〜80代の人間ドック受診者約4,000名を対象に、血液中のアミノ酸濃度のバランスと様々な検査指標の関連を解析した結果、「アミノインデックス技術」による指標値の分布と既存の手法によりリスクが高いという結果になる分布が、同様の傾向を示しました。この結果から、生活習慣病に関連するリスクの高い集団の抽出に、「アミノインデックス技術」が応用できる可能性が示唆されました。
![]() 当社は、この技術を活用することによって、企業の健康診断などで、簡便に生活習慣病に関するリスクの高い人たちを判別し、生活習慣の改善や早期治療につなげられることを期待しています。
なお、当社は、「アミノインデックス技術」を活用し、2011年4月より、採血検査(約5ml)だけで6種類のがんのリスクスクリーニングができる検査サービス「アミノインデックス® がんリスクスクリーニング(AICS)」を事業化しています。これからも、100年にわたるアミノ酸研究の知見を活用して「アミノインデックス技術」の研究を推進し、がんや生活習慣病のリスク低減や、医療費削減の一助となることを目指します。さらに、今後、「アミノインデックス技術」を高齢者の栄養管理、運動などにも領域を広げ、人々の健康な生活に貢献します。
なお、第68回日本栄養・食糧学会大会では、「アミノインデックス技術」に関連してその他3演題を発表する予定です※3。
参考資料
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