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2014年3月24日
味の素(株)、より高い安全性が保証された
発酵法L−チロシンの製法を確立、世界で初めて事業化
〜 2014年中に販売開始の予定 〜

 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、植物を原料とした発酵法によるL−チロシンの工業的製造法を確立しました。これにより動植物由来の原料による抽出法で製造されたものとは異なり、より高い安全性と原料のトレーサビリティーが100%保証されたL−チロシンを安定的に供給することが当社の高い技術力により、世界で初めて可能になります。本製品は、スペシャリティ用途のアミノ酸として2014年中に販売を開始する予定です。

 L−チロシンはタンパク質を構成する重要なアミノ酸の一つであることから、栄養成分としてアミノ酸輸液などに使用されており、近年では、がんやリウマチの治療薬として注目を集めているバイオ医薬品を製造するための細胞の培養液の成分としての需要も高まっています。L−チロシンは、これまで動植物由来の原料から抽出法により生産されてきました。しかしBSEや鳥インフルエンザに代表される感染症が社会問題化したことを受け、輸液や培養液の原料にウィルスや感染性タンパクが混入していないことを証明する原料のトレーサビリティーの確保を求める声が大きくなりつつあります。
 動植物由来の原料から抽出したL−チロシンでは、原料のトレーサビリティーを保証することはできませんでしたが、当社の開発した発酵法で生産したL−チロシンでは、原料のトレーサビリティーを100%保証することが可能となりました。また抽出原料に依存する抽出法とは異なり、発酵法では豊富な植物を原料として安定的な生産が可能で、今後も増え続ける高品質なスペシャリティ用途のL−チロシンの需要にこたえることができます。

 味の素グループは、高い安全性と原料のトレーサビリティーが要求されるバイオ医薬品や再生医療などの先端医療周辺領域へのスペシャリティ製品の供給を通じて、人類の健康な生活に貢献していきます。

※トレーサビリティー(履歴情報管理):
 味の素グループは、商品の履歴情報を速やかに調査できるトレーサビリティシステムを構築しています。同システムでは、食品の生産・加工・流通の各段階で、原料の産地や製造元、販売先などの記録を記帳・保管し、食品の履歴情報を追跡できるようにしています。さらに、スペシャリティ用途のアミノ酸に関しても同様の取り組みを推進しています。


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