2012年11月29日
「カプシエイト」※1の成分が
欧州連合(EU)で「Novel Food※2(新規食品)」の認可取得
〜抗肥満素材として欧州でも市場開拓を目指す〜
  ※1 「カプシエイト」は、辛くないトウガラシ「CH−19甘(アマ)」から抽出したカプシエイト類。
※2 Novel Food(新規食品):以下、ノベルフード
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、「カプシエイト」の成分の1つである新規機能成分ジヒドロカプシエイトに関して、欧州委員会より2012年11月22日(金)にノベルフードとして正式に認可を取得しました。今回、当社が認可を受けたことにより、独自の酵素技術によってつくられた新規機能成分ジヒドロカプシエイトを欧州連合(以下、EU)加盟の27カ国において食品として利用することが可能となりました。

 ノベルフードの認可は、1997年にEUが導入した「新規食品に関する規則」に基づいて、同規則導入以前に欧州でほとんど消費されていなかった食品成分がEU域内で流通するために必要とされるものです。この認可は、科学的データや安全性に関する情報をもとに、ヒトの体に悪影響がないことが徹底的に評価、審査され、その結果を全ての加盟国が承認した後に初めて取得することができます。

 「カプシエイト」の成分の1つであるジヒドロカプシエイトは、エネルギー代謝を亢進させる作用があるとされており、世界的な健康課題の1つである肥満への効果が期待されています。当社は、独自の酵素技術によって、より安価で安定的な生産と供給を可能にしました。
 また、ジヒドロカプシエイトは、すでに米国で2009年にGRAS(Generally Recognized As Safe:一般に安全と認められる食品)として認められています。今後は、米国に加えて欧州でも新規機能成分として様々な食品への利用の可能性が広がり、グローバルに新たなビジネス展開が期待できると考えています。

 当社グループは、21世紀の人類社会の課題である「地球持続性」「食資源」「健康な生活」に事業を通じて貢献していきます。今回の取組みも、その一環です。
 
ジヒドロカプシエイト
 ジヒドロカプシエイトは、辛みをほとんど示さないトウガラシ品種「CH−19甘(アマ)」から同定された新規機能成分カプシエイト類の1つです。カプシエイト類にはジヒドロカプシエイトの他、カプシエイト、ノルジヒドロカプシエイトがあります。カプシエイト類は、トウガラシの辛み成分であるカプサイシンと構造が類似していますが、その辛みや刺激性は非常に弱く、カプサイシンの辛さの約1/1000です。
 京都大学や北海道大学、北米の大学や研究機関などと当社との共同研究で、カプシエイト類にエネルギー消費の指標である酸素消費量の増加や、体脂肪量の減少が認められています。また、近年研究が進んでいる褐色脂肪組織※3を活性化する可能性があるとして国内外の専門家から注目を集めています。
 
3 褐色脂肪組織
  2つのタイプの脂肪組織の1つ(もう1つのタイプは白色脂肪組織)。組織(細胞)内で脂肪を分解し、熱を産生する。全身のエネルギー消費量の調節を担い、体脂肪量の増減にも関与することが近年明らかとなっている。
   

ノベルフード
 1997年制定以来、これまでに認可されたものは63件のみ(2012年11月11日現在)。
 日本企業ではこれまでに4社(4件)が取得しており、当社で5社目(5件目)となります。

GRAS
 GRASとはGenerally Recognized as Safeの略で、1958年に米国FDAが定めた制度です。食品に使用する物質について使用条件下で一般に安全と考えられるかどうか、専門の学識経験者により、客観的な評価を行なう制度です。
 米国では、食品(サプリメントは除く)に使用する新たな物質については、食品添加物としての認可やGRASであることを確認する必要があります。

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
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