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味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、三井記念病院(東京都千代田区)の山門實総合健診センター所長を中心としたグループと共同で、メタボリックシンドローム(生活習慣病)において重要な役割を担う内臓脂肪蓄積と血中アミノ酸濃度バランスの変動に関する研究を推進してきました。このたび、山門所長らは、内臓脂肪量に応じて血中アミノ酸濃度バランスが変化していること、および、血中アミノ酸濃度を変数とした多変量解析により、BMI、ウエスト周囲径では見つけづらく、測定には高度な測定器が必要な内臓脂肪蓄積者の発見への応用が可能であることを大規模臨床試験により明らかにしました。この研究成果は、内臓脂肪蓄積による血中アミノ酸濃度バランスの変化とメタボリックシンドローム検査への応用の可能性に関する論文として現地時間2012年5月22日に学術ジャーナル「Clinical Obesity」(*)に掲載されました。
当社では、血中アミノ酸濃度バランスの変動を統計学的に解析・指標化し、健康状態や疾病のリスクを明らかにする「アミノインデックス技術」の研究開発を行ってきました。血中アミノ酸濃度は、生体の恒常性維持機能により一定に制御されていますが、種々の疾患によりバランスが崩れ、健康な人と比較して変化していることが、これまで多くの論文で報告されています※1。特に、アミノ酸代謝とがんに関する研究を進め、現在6種類(胃、肺、大腸、前立腺、乳腺、婦人科)のがんの早期発見の可能性が明らかとなっています。 【論文概要】 内臓脂肪蓄積者の血中アミノ酸濃度が変化することはこれまでも報告されていましたが、いずれも基礎的な研究段階にとどまっていました。本研究では、実際の人間ドック利用者1,449名の血中アミノ酸濃度バランスを測定することにより、メタボリックシンドロームにおいて重要な役割を担っている内臓脂肪蓄積状態の判別の可能性を検証することを目的とした臨床研究を実施しました。 メタボリックシンドロームの診断は、内臓脂肪の蓄積の有無を必須項目としています。その一つの方法として、CTで臍(へそ)の位置の断面像を撮影し、内臓脂肪にあたる面積(内臓脂肪面積)を算出します。一般的には 100cm2以上で内臓脂肪の過剰蓄積とされ、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞等のリスクが上昇することが知られています。今回の研究では、実際の人間ドック利用者の中で、内臓脂肪面積が6cm2から388cm2までの方々の血中アミノ酸濃度バランスと内臓脂肪量の比較を行いました。 その結果、
今回の研究で得られた知見を応用することで、「アミノインデックス技術」によって、1回の採血で簡便に、高い精度でメタボリックシンドロームの早期発見ができる可能性があります。また社会問題化しているメタボリックシンドロームの予防の機会を増大し、糖尿病や脳卒中、心筋梗塞による死亡者の低減と、その治療に関わる医療費の低減にもつながると考えられます。今後、当社では「アミノインデックス技術」に関して、疾患の対象を拡充していくと共に、血中アミノ酸濃度バランスが変動する機構の解明、ならびにコホート研究※3等、さらなる研究を継続していきます。 当社は「おいしさ、そして、いのちへ。」のスローガンのもと、グローバル健康貢献企業を目指しています。 「アミノインデックス技術」が、人々の健康な生活に貢献し、栄養サポート、運動、美容などにも領域を広げ、生活習慣病のリスク低減や医療費削減の一助となることを目指します。 <参考情報> 日本人(アジア人)には「隠れ肥満」が多い
![]() ![]() ![]() ![]() 論文の題名と著者 Plasma amino acid profile is associated with visceral fat accumulation in obese Japanese subjects Minoru Yamakado1, Takayuki Tanaka2, Kenji Nagao2, Yuko Ishizaka1, Toru Mitushima3, Mizuki Tani1, Akiko Toda1, Eiichi Toda4, Minoru Okada3, Hiroshi Miyano2, Hiroshi Yamamoto2 1. Center for Multiphasic Health Testing and Services, Mitsui Memorial Hospital, 2. Institute for Innovation, Ajinomoto Co., Inc., 3. Kameda Medical Center Makuhari, 4. Clinical Laboratory, Mitsui Memorial Hospital
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