2010年11月8日
味の素(株)、2つの国際NGOとソーシャルビジネス※1共同開発に着手
〜ガーナにおける栄養改善の実現を目指して〜
※1:途上国の栄養不足などの社会問題を解決する持続可能なビジネス(当社定義)
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区)は、2つの国際NGO、公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパン【以下ケア・ジャパン】及び財団法人日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)【以下プラン・ジャパン】との間でそれぞれ覚書を交わし、ガーナでの栄養改善を目指したソーシャルビジネス共同開発に着手しました。
 
 当社では、ガーナ大学、INF(International Nutrition Foundation)と共に、ガーナにおける離乳期の子供の栄養改善を目的とした栄養強化食品の開発を進めてきました。今回パートナーとなる両NGOは、ガーナ貧困地域のコミュニティにおいて、収入の向上、教育、自立支援、保健衛生、環境など、多岐にわたる取り組みで実績を上げ、現地住民と強固な信頼関係を築いています。当社は、両NGOと、それぞれの活動地域で、製品の流通方法検討、受容性調査、栄養教育、効果測定等を実施していきます。

 両NGOと協働し、栄養強化食品の開発・普及、そして持続可能なビジネスモデルの早期確立を目指し、将来は西アフリカ他国への横展開も検討していきます。この共同取り組みを通じて、貧困地域の子供の栄養問題を改善することで、国連ミレニアム開発目標※2に貢献していきたいと考えています。

※2: 2000年の国連ミレニアム・サミットにおいて、21世紀の国際社会の方向性として採択された「平和と安全」「開発と貧困」「環境」など8つの課題に関する開発目標。2015年の達成期限と具体的な数値目標を定め、開発途上国・先進国の政府、国際機関、市民団体、民間企業、学会、そして地球上に住む人々すべてを参加者とする取り組み。

 当社は、1995年より途上国において、穀物中のたんぱく質で最も不足している必須アミノ酸、リジンの強化試験を実施し、栄養改善や、免疫力、健康状態の改善が実現できることを実証してきました。
 ガーナには、離乳期の子供の伝統的な食事として発酵コーンを用いたお粥(現地名称:Koko/写真右)がありますが、これにはエネルギー、たんぱく質や微量栄養素が不足しており、離乳期の子供の成長を遅延させる主な原因となっています。この課題解決のために、本共同プロジェクトでは、当社のアミノ酸に関する知見を駆使し、Kokoに添加する栄養強化食品を開発・普及することを目指していきます。
 

 

 

 

公益財団法人ケア・インターナショナル ジャパンについて
 国際協力NGOであるCARE(ケア)(事務局・スイス)は、アジア、アフリカ、中東、中南米など世界70ヶ国以上の途上国や紛争地域において人道支援活動を行う世界最大級のNGOです。1945年の設立以来、災害時の人道支援を行うとともに、「女性や子供」に焦点をあてた活動を通して、最も困難な状況にある人々の自立を支援しています。またCAREは、1994年よりガーナでの活動を開始。貧困削減を目標に、特にガーナ北部において農業や自然資源関連の活動に力を入れると共に、HIV/エイズ、保健、女子教育、小規模起業家育成(収入向上)など、多岐に渡るプロジェクトを展開しています。
 第二次世界大戦後、CAREによる支援を受けた日本でしたが、今度は世界で貧困に苦しむ人々の助けになろうと、1987年、CAREの日本事務局として当財団が発足しました。2010年2月には、内閣府より国際NGOとして初めて公益認定を受け、現在は公益財団法人として活動を行っています。

財団法人日本フォスター・プラン協会について
 プラン・インターナショナル(本部・イギリス)【以下プラン】は、国連に公認・登録された国際NGO。アジア・アフリカ・中南米の48ヶ国で、子どもたちの可能性を育む地域開発活動を行っています。活動内容は、保健医療、教育、住環境整備など多岐に渡りますが、乳幼児の命と健康を守るプロジェクトはプランの活動の柱のひとつ。「栄養補助食の支給」「母親対象の栄養教室」などの「栄養改善プロジェクト」において、知識と経験を積み重ねてきました。プランの活動手法は、住民参加型。地域の住民や子どもたちが主体的にプロジェクトに参加することで、能力を身につけ、自立していくことができます。
 財団法人日本フォスター・プラン協会(プラン・ジャパン)は、プランの日本事務局として、1983年に設立され、外務省より特定公益増進法人として認可されています。現在、日本全国に約7万人の支援者がいます。

報道関係の方向けお問い合わせ先:pr_info@ajinomoto.com
 
閉じる