2009年7月31日
味の素(株)、P&G社より日本における骨粗鬆症治療剤リセドロネート事業に
関する特許、商標等の資産を取得し事業拡大へ
 味の素株式会社(社長:伊藤雅俊 本社:東京都中央区 以下味の素(株))は、本日、The Procter &
Gamble社およびProcter & Gamble Pharmaceuticals社(本社:アメリカ オハイオ州シンシナティ、以下あわせてP&G社)より、日本における骨粗鬆症治療剤リセドロネート(一般名:リセドロン酸ナトリウム水和物)事業に関する特許、商標等の資産を、総額210百万USドル(消費税込み:約210億円)で譲り受ける契約を締結しました。

 味の素(株)は、本契約の締結により、これまでライセンス製品であった日本におけるリセドロネート事業の研究開発、製造および販売の権利をP&G社から取得します。味の素(株)は、骨粗鬆症等を含む代謝性疾患を重点領域のひとつと位置付けており、今後は自社製品として、日本における医療ニーズに即した改良製剤の開発等のLCM(Life Cycle Management)を推し進め、QOL(Quality Of Life)の向上を目指して、患者様への更なる貢献を実現していきます。これにより、当事業基盤をさらに強化するとともに、ロイヤリティ支払額の減少等による将来の利益拡大も見込まれます。

 リセドロン酸ナトリウム水和物は、P&G社が開発したビスフォスフォネート系製剤※1です。日本では、骨粗鬆症の効能・効果で、2002年5月に1日1回2.5mg投与製剤、2007年6月に週1回の投与で1日1回の投与と変わらない効果が得られる週1回17.5mg投与製剤の販売を開始し、多くの骨粗鬆症患者様の治療に貢献しています。また、週1回17.5mg投与製剤については、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けて、骨ページェット病※2に対する開発を行い、2008年7月に効能追加承認も取得しました。同製剤は世界の約100ヶ国で広く使用されています。今後、日本においては、従来同様に当社のライセンスの下で、味の素(株)(製造)とエーザイ(株)(販売)から「アクトネル®」、武田薬品工業(株)(製造・販売)から「ベネット®」の製品名で販売されます。昨年度は両剤で約300億円(推定)の売上げとなっています。

 骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されており、特に女性の患者様が多くを占めます。高齢化の進展とともに骨粗鬆症患者数は増加しており、日本国内で約1000万人が骨粗鬆症であると推定されています。脊椎や大腿骨頸部等での骨折が生じやすく、場合によっては寝たきりの状態につながりかねないことから、骨粗鬆症に対する対策は医療のみならず社会的にも重要な課題と近年認識されています。

 味の素グループは今後も、食や健康素材からのアプローチ、特長ある医薬品開発を通じ、独自の価値を   創出し続ける“グローバル健康貢献企業グループ”を目指して、グループ一丸となって邁進していきます。
※1.ビスフォスフォネート系製剤:服用すると骨と結合し、骨の破壊を抑えて、骨量の減少と
                 骨折を抑える作用を持つ製剤。
※2.骨ページェット病:骨の代謝の異常により、骨の変形や肥厚がおこる疾患。
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