2008年3月28日
社会貢献活動「味の素『食と健康』国際協力支援プログラム」
4月より、新たにバングラデシュをはじめ5カ国でのプロジェクト支援スタート
 味の素グループは、「食・栄養・保健」分野における国際協力活動を展開しています。1999年、味の素(株)創立90周年を機に開始し、これまで事業展開地域を中心にアジア・南米10カ国で28件のプロジェクトを支援してきました。支援プロジェクトは国内外の非営利活動団体から公募し、外部有識者による審査、当社従業員による視察を経て決定されます。2008年4月より、新たに栄養改善、食生活改善指導を中心とした5件のプロジェクトへの支援を開始します。

 「バングラデシュにおける砒素中毒患者症状改善のための食生活指導」(新しく開始するプロジェクトの一例)
 バングラデシュでは地下水の砒素汚染が大きな社会問題となっています。砒素の入った水を飲み続けると全身に皮膚病などの中毒症状が現れ、さらに悪化すると肝臓のがんなどを発症することがあります。現在4万人余が砒素中毒患者として登録されていますが、十分な住民検診は行われておらずその数は氷山の一角と言われています。予防には安全な水はもちろん、栄養豊富な食べ物、特にたんぱく質とビタミンを摂取する必要があります。野菜は主なビタミン源にも関わらず、バングラデシュでは「貧しい人たちの食べ物」とされる傾向があり、身近にある食材が活用されていないケースが多く見られます。今回のプロジェクトでは野菜の栄養に関する正しい知識の普及など、日常の食生活に役立つ実践的な活動が行われます。

<実施団体> 特定非営利活動法人アジア砒素ネットワーク(本部:宮崎県)
<期  間> 2008年4月〜2010年3月(2年間)
<対象者> 約1,000人(チュアドンガ県、ジェナイダ県、シャトキラ県3村の砒素中毒症患者とその家族)
<当社支援により実施する活動>
  (1)栄養・料理教室の開催 (2)有機農法による家庭菜園の実施 (3)成果普及活動


 

 


 プロジェクトの支援に際しては、支援期間終了後も活動がその地域に根付き、栄養改善、生活改善が図られるような人材の育成や仕組みづくりを重視しています。
 味の素グループは企業理念「私たちは、地球的な視野にたち、“食”と“健康”、そして明日のよりよい生活に貢献します」に則り、これからも社会貢献活動を通じて地域と共に歩む企業市民を目指していきます。

<参考> 2008年度支援プロジェクト:7ヵ国で10プロジェクトを支援(2008年度支援額総計:16,200千円)

(2008年4月開始)
プロジェクト名 実施団体 期間 支援金額
(千円/年)
インド 貧困農村における栄養および
母子保健の改善事業
(特活)アーシャ=アジアの農民と歩む会  2年  2,000
バングラデシュ 砒素中毒患者症状改善の
ための食生活指導
(特活)アジア砒素ネットワーク  2年  2,000
ベトナム 家庭菜園を利用した農村部高齢
者の栄養ケアの実践とモデル構築事業
ベトナム国立タイビン医科大学  3年  2,000
ブラジル アマゾン農村部コミュニティにおける
学校を通した栄養改善プロジェクト
(特活)HANDS
(Health and Development Service)
 2年  1,000
ペルー アマゾンの森と子供たちを育てる
エコ・クッキングレシピ
(特活)アルコイリス  1年  1,000

(2006〜2007年度開始)
プロジェクト名 実施団体 期間 支援金額
(千円/年)
タイ 「頭の栄養、体の栄養」移動寺子屋と
ランチサービス
(特活)地球市民ACTかながわ  2年  1,700
インドネシア 健全な栄養・食生活を目指す地域密着型栄養管理チーム医療普及事業 (特活)ピープルズ・ホープ・ジャパン  2年  1,000
インドネシア 妊婦および5歳未満児とその親を
対象とした栄養・教育による
コミュニティを基盤とした障害予防事業
Community Based Rehabilitation Development and Training Center
(現地NGO)
 2年  2,000
バングラデシュ 農村部における最貧困層のための
栄養・保健衛生教育を通じた
生活改善プログラム
(特活)シャプラニール=市民による海外協力の会  2年  1,500
ペルー 栄養・母子保健に関する住民の
エンパワーメント支援事業
(特活)AMDA社会開発機構  3年  2,000
(特活)=特定非営利活動法人



閉じる