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2005年6月20日 |
ストロングNo.1の地位を徹底強化 飼料用アミノ酸、うま味調味料で総投資額150億円 フランス・ブラジル・ベトナム・タイでの生産能力増強
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味の素株式会社(社長:江頭邦雄、東京都中央区)は、飼料用アミノ酸とうま味調味料に約150億円投資して、生産能力増強を行います。これにより、ストロングNo.1のアミノ酸ビジネスの更なる需要拡大と競争力優位の強化を図ります。
飼料用アミノ酸とうま味調味料市場は需要の伸びが大きく、当社の事業戦略は、1)市場へ安定的に供給すること、2)コストダウンを行い、収益性を上げること、です。
2010年度までの中長期経営計画の中で、飼料用アミノ酸、医薬用・食品用アミノ酸、うま味調味料、甘味料などのアミノ酸ビジネスは売上4,100億円、営業利益630億円を目指し、マーケットの拡大、競争優位の強化、リテール事業の強化、研究開発の強化の4つの基本戦略を掲げ、ストロングNo.1ポジションの一層の強化と事業基盤の拡大を図ります。
具体的な増産内容は下記の通りです。 |
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1. |
飼料用アミノ酸では、味の素ユーロリジン(株)(フランス)において、トリプトファンの増産を行います。設備投資額は、効率的な共有設備への投資によるリジン、スレオニンの増産も含め、約47.9億円(35.1百万EUR)です。 |
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トリプトファンについては、欧州を中心とした急速な需要拡大のために、当社の生産拠点である味の素ユーロリジン(株)アミアン工場での生産能力を倍増させます。 (年間生産能力を1,300トンから2,800トンへ増強、完工予定は2007年年初) |
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飼料用アミノ酸の市場規模は、現在リジン約80万トン(年率8%成長予想)、スレオニン約6.5万トン(年率20%成長予想)、トリプトファン1,500トン(急速な伸びを予想)です。 当社は旺盛な需要に応え、リジン50万トン(約2倍)(シェア35%強)、スレオニン14万トン(約3倍)(シェア70%強)、トリプトファン5,000トン(約4倍)(シェア80%強)へ2010年度までに生産を拡大する予定です。この長期計画に沿って、リジン、スレオニンにつきましては現在の生産拠点である世界6ヵ国及び新拠点も含め順次、生産能力を増強していきます。 |
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2. |
うま味調味料では、ブラジル、ベトナム、タイにおいて「味の素」(グルタミン酸ナトリウム<MSG>)と核酸系調味料に約95億円の増産投資を行います。うま味調味料市場は当社のコアビジネスであり、今後も積極的に投資を行い、地域に密着したサービスを提供します。 |
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1) |
「味の素」 |
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ブラジルとベトナムで総額約45億円を投資し、合計約3.5万トンの増産を行います。 MSGの市場は約170万トン(年率4%成長予想)、当社シェアは約34%です。 |
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(1) |
ブラジル: |
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味の素ビオラティーナ(有)ラランジャール・パウリスタ工場で約27.3億円(26百万USD)を投資し(完工予定は2006年後半)、2社(味の素インテルアメリカーナ(有)、味の素ビオラティーナ(有))の年間生産能力を13万トンから15万トンへ引き上げます。
ブラジルは主原料となるさとうきびの世界一の生産国であり、豊富な原料や発酵生産プロセスから発生する副生物の有効利用により、世界一のコスト競争力を実現しており、米州のみならず、欧州・アフリカ・アジア地域での需要増に対応していきます |
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(2) |
ベトナム: |
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ベトナム味の素(有)で約17.2億円(約16.4百万USD)を投資し、年間生産能力を4.5万トンから6万トンに増強します。(完工予定は2006年年央)
ベトナム国内で堅調に伸張しているリテ−ルMSG市場でのAJI−NO−MOTOブランドの更なる浸透と定着を図り、また急速に成長する加工食品市場での供給力も強化していきます。 |
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2) |
核酸系調味料 |
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タイ味の素(株)カンペンペット第2工場において年間生産能力を6,600トンへ倍増させ、グローバル供給力を強化します。(完工予定は2006年後半) 投資額は49.6億円(約18.9億THB)。核酸系調味料の市場規模は約1.5万トン(年率6%以上成長予想)で当社シェアは約40%です。
カンペンペット第2工場は、2003年の操業開始以降、安定的な生産を続け、既に当初の生産目標数量や生産コストを達成、当社の革新技術導入により世界最強のコスト競争力を獲得しています。 今回の増産で、更なる生産コスト低減と収益基盤の強化を図ります。 |
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堅調に拡大を続けるうま味調味料市場のリーダーとして、拡大する需要への安定供給の確保と世界市場でのストロングNo.1のポジションを更に強化するため、世界最強のコスト競争力を有する工場の最適増産と、拡大する市場での生産能力増強を順次図っていきます。 うま味調味料の市場は、2010年に「味の素」210万トン、核酸系調味料2.2万トンまで拡大すると推定しています。当社としてはシェアを拡大すべく、上記に続く更なる生産能力の強化を図っていく予定です。 |
〔参考資料〕 |
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【1.飼料用トリプトファンについて】 |
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当社は飼料用アミノ酸の中で、リジン、スレオニンに次ぐ第3の柱として、トリプトファンの需要開拓に努めています。トリプトファンは、豚においてリジン・スレオニンに次ぐ第3の制限アミノ酸であり、トリプトファンを添加することにより、飼料効率の改善、成長促進が図れます。さらに、天然タンパク源に代わり、トリプトファンを添加することで貴重な天然タンパク資源を節約でき、家畜排泄物による環境汚染を防止することができます。現状では成長初期の仔豚に利用が限定されていますが、今後も急速な需要拡大が見込まれるトリプトファン市場の更なる開拓により、全世界での安定供給を図ります。 |
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【2.当社の飼料用アミノ酸について】 |
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AJINOMOTO ANIMAL NUTRITION : |
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AJINOMOTO ANIMAL NUTRITIONグループは、飼料用アミノ酸の利用拡大を通じて、限りある食料資源の有効活用、かけがえのない地球環境との調和、安全かつ高品質な食料供給に貢献することをミッションと考えています。今後とも世界6ヵ国の生販拠点でグローバルな展開をするとともに、高品質な飼料用アミノ酸の安定供給と、地域に密着したカスタマー・サービスを行ない、お客様に貢献してまいります。 |
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"AJINOMOTO ANIMAL NUTRITION"グループ: |
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味の素ユ−ロリジン(株) (フランス)、味の素ビオイタリア(株) (イタリア)、味の素ハ−トランドLLC (アメリカ)、タイ味の素(株) (タイ)、川化味の素(有) (中国)、味の素ビオラティーナ(有)(ブラジル) |
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【3.核酸系調味料について】 |
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核酸系調味料は、グルタミン酸ナトリウムとの相乗効果により、より豊かなうま味を作り出し、スープ(即席麺スープ含む)や風味調味料を始め、各種加工食品に幅広く使用されています。 |
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【4.会社概要】(2005年4月1日現在) |
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1. |
味の素ユーロリジン(株)の概要: |
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社 名 |
: |
AJINOMOTO EUROLYSINE S.A.S. |
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設 立 |
: |
1974年8月 |
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本社所在地 |
: |
フランス パリ市 |
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社 長 |
: |
Jean Falgoux(ジャン・ファルグー) |
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主力製品 |
: |
飼料用リジン、スレオニン、トリプトファン |
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資 本 金 |
: |
26,865千EUR |
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従 業 員 |
: |
297名 |
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2. |
味の素ユーロリジン(株) アミアン工場の概要: |
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工場所在地 |
: |
フランス ソム県 アミアン市 |
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生産開始 |
: |
1976年5月 |
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工 場 長 |
: |
Pierre Lucq(ピエール・リュック) |
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生産能力 |
: |
リジン 70,000トン/年、スレオニン 35,000トン/年、 トリプトファン 1,300トン/年 |
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3. |
味の素ビオラティーナ(有)の概要: |
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社 名 |
: |
Ajinomoto Biolatina Indústria e Comércio Ltda. |
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設 立 |
: |
1975年6月 |
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工場所在地 |
: |
ブラジル サンパウロ州 サンパウロ市 |
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社 長 |
: |
酒井 芳彦( |
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主力製品 |
: |
うま味調味料「味の素」(グルタミン酸ナトリウム)、飼料用リジンなど |
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資 本 金 |
: |
131,707千BRL |
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従 業 員 |
: |
344名 |
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4. |
味の素ビオラティーナ(有) ラランジャール・パウリスタ工場の概要: |
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工場所在地 |
: |
ブラジル サンパウロ州 ラランジャール・パウリスタ市 (サンパウロ市から西北約160キロメートル) |
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工 場 長 |
: |
Massao Ura(マサオ・ウラ) |
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生産開始 |
: |
1977年5月 |
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従 業 員 |
: |
160名 |
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5. |
ベトナム味の素(有)の概要: |
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社 名 |
: |
AJINOMOTO VIETNAM CO., LTD. |
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設 立 |
: |
1991年2月 |
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本社所在地 |
: |
ベトナム ドン・ナイ省(ホーチミン市から西北約30キロメートル) |
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社 長 |
: |
岩本( 保( |
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主 力 製 品 |
: |
うま味調味料「味の素」(グルタミン酸ナトリウム)、風味調味料など |
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資 本 金 |
: |
約45百万USD |
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従 業 員 |
: |
510名 |
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6. |
ベトナム味の素(有) ビエン・ホア工場の概要: |
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工場所在地 |
: |
ベトナム ドン・ナイ省 |
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工 場 長 |
: |
水田( 祐司( |
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生産開始 |
: |
1993年1月 |
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従 業 員 |
: |
240名 |
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7. |
タイ味の素(株)の概要: |
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社 名 |
: |
AJINOMOTO CO.,(THAILAND)LTD. |
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設 立 |
: |
1960年4月 |
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本社所在地 |
: |
タイ国 バンコク市 |
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社 長 |
: |
三本( 侃治( |
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主 力 製 品 |
: |
調味料・食品・飼料用アミノ酸など |
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資 本 金 |
: |
796百万THB |
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従 業 員 |
: |
980名 |
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8. |
タイ味の素(株) カンペンペット第2工場の概要: |
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工場所在地 |
: |
タイ国 カンペンペット県 |
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工 場 長 |
: |
城下( 欣也( |
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生産開始 |
: |
2003年11月 |
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従 業 員 |
: |
116名 |
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