2005年6月7日
味の素、食品研究開発新棟を起工
約50億円投資、2006年6月完工予定
日本と世界の食品研究・開発・工業化を強化するセンターへ

 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は本日、食品研究開発新棟(仮称)を起工します。約50億円を投資し、2006年6月に完工予定です。これは川崎事業所(神奈川県川崎市川崎区)に2005年〜2010年に総額約400億円の投資を行い、先端技術開発拠点、都市型工場として再構築する取り組みの第一弾です。

 食品研究開発新棟は、食品事業の未来市場に対する圧倒的な競争優位性の確保をめざし、
1. イノベーションとスピードを実現する開発・工業化およびグローバル食品事業に対応した情報と技術の発信
2. 顧客とのコミュニケーションと安心・安全の情報発信
3. 災害に強い基本構造と省エネルギー・環境に配慮した設備
をコンセプトとしています。情報と技術の発信のために、IT技術を駆使して当社の世界の食品研究開発拠点間における双方向の情報共有化推進を行います。また、顧客とのコミュニケーションのために、新商品・新技術などを展示した魅せるエントランスや、当社グループの商品・技術価値の効果的伝達を行うとともに顧客の要望に応じた食シーンなどを再現するプレゼンテーションルームを設けます。さらに、マグニチュード8クラスの巨大地震にも耐えうる免震構造や、熱負荷低減を目的としたコンパクトダブルスクリーン*1、地中の熱を利用した空調負荷低減のクールピットを導入します。
*1:屋外の気候にあわせて換気口を自動開閉、日射条件によりサッシ内蔵ブラインドを自動制御する新システムを南外壁面に導入

 川崎事業所は当社グループの研究開発の最大の拠点であり、2006年に研究所設立50周年を迎えます。これから6ヵ年かけて川崎事業所を味の素グループの研究開発の世界拠点へとさらに発展させるべく、食品研究開発新棟を皮切りに食品・アミノ酸・ライフサイエンスに関する研究棟を新設していきます。これにより「アミノ酸」「健康」「環境」の3領域を中心に食品とアミノ酸を主力とする独自性ある技術を駆使し、"世界の人々の健康と持続循環社会の実現に貢献する研究開発"をすすめます。研究開発施設全体では約170億円を投資する予定です。


【参考資料】
川崎事業所概要
所在地 川崎市川崎区鈴木町1−1
敷地面積 約10万坪(350,000m)
従業員数 約4000名
  社員1600名 関係会社・パート等2400名
生産品目 約1800アイテム
  川崎工場 調味料(「ほんだし」、「Cook Do」等)
      アミノ酸(食品用、香粧品用、医薬用)
研究所・センター(5研究所・5センター)
  ライフサイエンス研究所    知的財産センター
  健康基盤研究所      生産技術開発センター
  加工食品開発・工業化センター
  調味料開発・工業化センター
  アミノサイエンス研究所    発酵技術研究所
  生産統括センター       医薬研究所
川崎事業所沿革
1909   「味の素」一般発売開始(創業)
    (葉山工場で生産開始)
1914   川崎に工場を建設し、「味の素」生産開始
1956   中央研究所の設立
    医薬用アミノ酸生産開始
    (世界初のアミノ酸輸液を開発)
1960   「味の素」の製法を抽出法から発酵法に転換
1970   「ほんだし」発売・生産開始
1971   アミノ酸系界面活性剤開発、生産開始
    (世界初の弱酸性石鹸誕生に貢献)
1978   「Cook Do」発売・生産開始
1999   HACCP承認取得(「Cook Do」工場)
2001   ISO14001(環境)認証取得
2002   川崎物流センター完成
2003   ISO9001認証取得(調味料・食品)

再構築内容
総投資額   約400億円(2005−2010年 6ヵ年)
      【内訳】研究・開発施設:約170億円 生産施設:約230億円
投資内容とスケジュール
     
【案件】   【金額】   【完工スケジュール】
(1)食品研究開発新棟   約50億円   2006年
(2)調味料新工場   約70億円   2007〜10年
(3)アミノ酸液新工場   約60億円   2008〜10年
(4)新研究棟   約120億円   2008〜10年
  (アミノ酸・ライフサイエンス関連)
(5)調味料工場の再構築   約100億円   2006〜10年
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