慶大発バイオベンチャー企業のヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT社)(本社:山形県鶴岡市 社長:大滝義博) と、味の素株式会社(本社:東京都中央区 社長:江頭邦雄)は、メタボローム解析法を用いた微生物の代謝産物の測定に関する共同研究を6月1日より開始した。 HMT社は、慶應義塾大学環境情報学部(湘南藤沢キャンパス)および同大先端生命科学研究所(鶴岡タウンキャンパス)の冨田 勝教授及び曽我朋義助教授らが、同研究所のメタボローム(細胞内全代謝物)測定・解析技術をベースに2003年7月に設立した慶大発バイオベンチャー企業。今回の契約は、同社の持つこのメタボローム解析技術を用いて、微生物の代謝物の探索と同定を行なうものであり、HMT社の共同研究第2号となる。味の素株式会社は、この共同研究により同社発酵技術研究所が開発中の発酵微生物生産菌の改良点を明らかにし、さらなる生産性の向上を狙う。 HMT社の取締役を務める冨田勝教授は「慶大発の新技術が食品産業に応用されることはとても嬉しいことです。新製品開発に貢献できるよう、HMT社社員一同がんばります。」とコメントしている。 味の素社の執行役員発酵技術研究所長 宇多川隆は「最先端のメタボローム研究機関と組むことにより、微生物代謝の新しい知見が発見されることを期待しています。新知見をアミノ酸発酵の研究開発に展開したい。」とコメントしている。 [本件に関するお問い合わせ] ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社 Phone: 0235−25−1447 味の素株式会社 広報部 Phone: 03−5250−8180 HMT社は、今春、国から「バイオキャンパス特区」として認定された山形県鶴岡市に本社を置き、慶應義塾大学先端生命科学研究所で研究開発を実施している。このメタボローム解析技術は国内外から注目を集めており、2003年6月には第17回独創性を拓く先端技術大賞(日本工業新聞社主催)の日本工業新聞社賞を受賞、2004年6月には第3回産学官連携推進会議(主催:内閣府、総務省、文部科学省、経済産業省、日本経済団体連合会、日本学術会議)における産学官連携功労者表彰の科学技術政策担当大臣賞を受賞する。 味の素株式会社は、主要事業の1つとして「アミノ酸・核酸事業」を展開している。先進の独創的な技術開発により、アミノ酸・核酸の持つ豊かな可能性を引き出し、調味料、サプリメント・甘味料・化成品・医薬品・飼料など多彩な分野において数多くの高品質でユニークな製品群を開発・販売している。また、同社はアミノ酸・核酸の微生物を用いた発酵製造で世界トップレベルの技術力を有している。同社の海外食品・アミノ酸カンパニー発酵技術研究所ではアミノ酸・核酸の生産競争力をさらに強化するために、世界最先端のメタボローム解析技術(代謝産物の網羅的解析技術)を所有するHMT社と今回の共同研究契約を締結した。 |