2004年1月23日

味の素株式会社
味の素ファインテクノ株式会社
味の素ファインテクノ(株)
業界初! 低温速硬化性に優れた一液性エポキシ樹脂、
「完全液状」一液性エポキシ樹脂接着剤を開発・商品化

 味の素ファインテクノ株式会社(社長:土岐忠雄、本社:神奈川県川崎市)は、一液性エポキシ樹脂接着剤「プレーンセット」シリーズに新たにAE−100、AE−400、AE−700の3品種を開発し、サンプル提供を開始しました。
 「プレーンセット」AE−100とAE−400は、低温速硬化性に優れた一液性エポキシ樹脂接着剤で、組立工程の生産性向上や耐熱性の低い製品への応用が期待されます。また、AE−700は、これまで商品化が難しいとされていた、「完全液状」の一液性エポキシ樹脂接着剤で画期的な商品です。
 これらの新商品は、1月28日(水)から東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催されるエレクトロニクス関連の展示会「インターネプコンワールドJAPAN」の「プリント配線板EXPO」にて紹介される予定です。

1.「プレーンセット」AE−100
  • 常温では十分な保存安定性を確保しながらも、60℃で30分加熱することで硬化可能なため、耐熱性の低い材料や、寸法精度が厳しい材料の接着に使用可能
  • 120℃で10秒という極短時間で硬化可能なため、接着工程の生産性が向上

2.「プレーンセット」AE−400
  • AE−100の持つ硬化性を維持しつつ、ゴム弾性を持たせており、剥離強度が高く、金属とプラスティックなどの異種材料間の接着などに適している
  • 80℃で20分加熱することで硬化可能

3.「プレーンセット」AE−700
  • 「完全液状」一液性エポキシ樹脂接着剤。硬化剤がエポキシ樹脂と分子レベルで完全に溶解しているにもかかわらず常温では硬化反応を起こさず十分なシェルフライフ(接着剤が固まって使用できなくなるまでの時間)を有するが、120℃、30分加熱することで十分な接着強度を有する硬化物が得られる
  • 粉末固体の潜在性硬化剤を配合した接着剤では、硬化剤とエポキシ樹脂が分離し、硬化不良を起こし、十分な接着強度を得られないなどの問題がある、モーターコイル封止や狭ギャップなどの極めて狭い隙間への含浸接着など多岐にわたる用途での実用化が期待される
  • この接着剤に関連する特許は、出願済みで、今後、積極的に商品展開を進めていく

【参考】
エポキシ樹脂は、接着力や電気特性などに優れており、電子部品や自動車関連部品の組立など幅広い分野で利用されています。通常、エポキシ樹脂は硬化剤と混合して用いられますが、混合直後から硬化反応が始まり粘度が高くなるため、作業できる時間が短く、また混合時に計量ミスが起こりやすいなどの理由から、あらかじめエポキシ樹脂と特殊な硬化剤(潜在性硬化剤)が混合された状態で提供される一液性エポキシ樹脂が様々な用途で使われるようになってきています。一般に潜在性硬化剤は粉末固体で、常温では液状のエポキシ樹脂とは反応しませんが、加熱することによりエポキシ樹脂に溶解、反応し、硬化します。しかし、従来の一液性エポキシ樹脂の多くは、100℃以上に加熱しないと硬化しないため、耐熱性の低い材料などの接着に向かない欠点があり、使用される用途も限られていました。

商品に関する問い合わせ先:
味の素ファインテクノ株式会社 機能化学品事業部
神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−2
TEL(044)221−2372  
www.ajinomoto-fine-techno.co.jp