2003年12月4日

味の素グループ 新たな環境活動の取り組み
〜「味の素グループ・ゼロエミッション」〜
〜独自の世界統一基準で全ての環境負荷の排出を極小化〜

 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、グローバルな事業活動の全領域(事業企画、研究開発、調達、生産、物流、営業、消費など)において発生する各種の環境負荷を対象に、グループ独自の世界統一基準を定め、環境負荷排出のゼロ化(極小化)をはかる、新たな環境活動「味の素グループ・ゼロエミッション」に取り組みます。
 この取り組みは、一般的な“ごみゼロ”(いわゆる“ゼロ・エミッション”=廃棄物の埋立処分ゼロ化)や生産活動のみでの取り組み、あるいは法規制遵守にとどまりません。特に、味の素グループの基幹事業(アミノ酸発酵生産、調味料・加工食品)における環境負荷の極小化を、グローバルで徹底し、環境・資源の永続的な保全ならびに事業を通じての社会貢献と同時に事業の競争力強化、事業永続的発展をはかります。

「味の素グループ・ゼロエミッション」における達成目標 の例
●廃棄物・副生物の資源化率
99.0%以上
●排水中のBOD、窒素
先進法規制の1/10、環境基準並みレベル    等


【活動例】 世界統一排水基準で排水負荷排出を極小化

 味の素グループの工場排水は、各国・地域の法規制を遵守していますが、法規制が各国・地域でまちまちであることから、排水中に含まれる環境負荷の実績には大きな幅があります。
 味の素グループは、世界統一の排水基準により排水負荷排出を極小化し、工場排水中のBOD、窒素を先進法規制の 1/10、環境基準並みレベルにします。



【活動例】
「畑から味の素」を繰り返す“バイオサイクル”資源循環を確立    

全ての工場を“ゼロエミ工場”に

 味の素グループのアミノ酸事業は、うま味調味料「味の素」をはじめ、様々な分野でフィールドを広げ、 世界のトップシェアを持っています。アミノ酸は糖蜜やトウモロコシなどのデンプンを発酵させ、その発酵液から分離・精製して生産します。この過程で発生する「副生液」は窒素やミネラルを豊富に含んでいるため、「味の素」の原料となるサトウキビの肥料や飼料などへ転換しています。このように生産過程で生じる副生物を原料の供給者である農業分野へ還元する“バイオサイクル”を世界各地で20年以上に渡って操業しています。
 その結果、アミノ酸発酵関連分野(海外11カ国20工場)においては副生物の資源化率は96.6%に達し、資源循環型生産工程を確立しています。また、海外6カ国8工場が、資源化率99.0%以上を達成した“廃棄物のゼロエミ工場”となっています。
 味の素グループは、さらに資源化率の向上を図り、全ての工場を“ゼロエミ工場”にします。




「味の素グループ環境報告書2003」を発行 

 このたび、「味の素グループ環境報告書2003」を発行しました。本報告書では、2002年度における国内外味の素グループの環境保全の実績をご報告するとともに、「味の素グループ・ゼロエミッション」など今後の取り組みについてご紹介しております。

【「味の素グループ環境報告書2003」概略】
発行日
2003年11月28日 (英文版は2004年1月発行予定)
体裁
A4版 50ページ
バガス(さとうきびの繊維)紙にNon VOC大豆インクを使用し、
有害廃液を出さない水なし印刷方式で印刷
WEB版
当社ホームページにWEB版を掲載

【編集上の特徴】
  • 国内外味の素グループ全体を対象範囲とし、環境保全活動を主に社会的活動についての報告も行った、実質的に持続可能性報告書の内容を持つ報告書としました。
    (「環境省ガイドライン」「GRIガイドライン」への対応表を掲載しています。)
  • 味の素グループの事業と環境との関わりや環境負荷の特徴を、チャート図などを交えて分かりやすく説明し、現状の課題を明確に示した上で、その具体的取り組み内容をご説明しています。その上で、新たな環境保全への取り組み「味の素グループ・ゼロエミッション」への取り組み宣言を行っています。
  • 主な事業所の主要環境データをサイトレポートとして掲載するなど、情報開示を充実させています。
  • 国内外味の素グループの社会的側面や活動について、全体像の体系的な説明に加え、「お客様との関係」「従業員との関係」「地域社会との関係」に整理し、具体的にご説明しています。
【環境保全活動】
主な実績(2002年度〜)
  • 味の素(株)国内全拠点でISO14001認証取得完了。国内外グループの認証取得率は40%
  • エネルギー総投入量を2%削減、エネルギー使用原単位を7%削減(対前年度)
  • CO2排出量を5%削減、CO2排出量原単位を10%削減(対前年度)
  • 副生物の資源化率を1.8%向上させ、95.0%に
  • 廃棄物のゼロエミ(資源化率99.0%以上)を9工場(国内1/海外8)で達成
  • 製品輸送のモーダルシフト率を1.6%向上させ、18.1%に
  • 容器包装の改善で2製品が受賞                          など
【社会的活動】
「Ajinomoto Group Principles/理念、経営基本方針、行動規範」に基づいた企業活動の社会的側面を体系的に、また具体的に説明
  • 「Ajinomoto Group Principles/理念、経営基本方針、行動規範」の内容
  • お客様との関係(お客様相談センター、品質保証体制、など)
  • 従業員との関係(女性・障害者雇用、人材育成、労働安全衛生、従業員の社会貢献活動支援、など)
  • 地域社会との関係(グローバルプログラム、ローカルプログラム、財団活動)   



以 上