2003年12月9日

味の素、タイに核酸系調味料の新工場を稼動
- グローバルな生産・供給体制を確立 -

 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、この度、タイ(バンコクから300km離れたカンペンペット県)に核酸系調味料の新工場を竣工いたしました。
新工場は、コスト競争力強化と、世界的な需要増加への対応を目的に、投資額約22億バーツ(約60億円)をかけて建設し、味の素グループにとっては初の海外核酸系調味料工場です。今後は、世界の輸出拠点として製品を各国へ供給いたします。一方、日本国内では、生産品目を絞り込み、効率的な生産を行います。

 核酸系調味料は、MSG(グルタミン酸ナトリウム)と併用することで、その相乗効果により、強く豊かな
うま味を作り出すという特徴を持ち、スープ(即席麺スープを含む)・風味調味料をはじめ、各種加工食品に幅広く使用されています。核酸系調味料の需要は今後も安定した成長が見込まれるため、当社では、AJI-NO-MOTOによって築き上げた17カ国にあるグローバルな販売ネットワークを活用し、この度の生産体制増強と合わせ、需要の増加に的確に対応し、収益基盤の一層の強化を目指します。

 タイ新工場の生産能力は年間約3,000トンで、新立地をタイに決定した理由としては、(1)主要原料であるタピオカ澱粉の調達に適していること、(2)質の高い人的資源、(3)タイ政府等からの政策的援助(優遇税制等)、(4)タイ味の素(株)の強固な経営・技術基盤などが挙げられます。
味の素株式会社は、うま味調味料ビジネスのグローバルリーダーとしての展開を一段と推進し、地域に密着したサービスの提供により、世界中のお客様に貢献してまいります。  


参考資料                                      
1.核酸系調味料に関する基本情報
・品種

当社は、イノシン酸ナトリウムとリボヌクレオタイドナトリウム(イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物)を製造・販売しています。
・製品特徴

イノシン酸ナトリウムは、古くから“だし”として使用されてきた“鰹節”のうま味成分で、魚肉・牛肉・鶏肉などに多く含まれています。一方、グアニル酸ナトリウムは“干し椎茸”のうま味成分で、きのこ類に多く含まれています。いずれも“昆布”のうま味成分であるグルタミン酸ナトリウムと併用することにより、強く豊かなうま味を作り出します。
・用途

うま味調味料、即席麺(スープ)、スープ・ブイヨン、風味調味料、カレールー、つゆ・たれをはじめとする加工食品に幅広く使用されています。添加率の目安(重量ベース)は、スープの場合、グルタミン酸ナトリウム100に対して、核酸系調味料1〜10です。
・原料及び製造方法

主にタピオカ澱粉などを原料とし、「味の素」と同様、発酵法により製造します。
・発売時期

1964年    「味の素KKのIN」(イノシン酸ナトリウム)発売
1965年    「味の素KKのWP」(リボヌクレオタイドナトリウム)発売
・販売地域

現在、日本国内はもとより、世界約100か国で、主に加工用用途で販売されています。
・ブランド名称


(1)イノシン酸ナトリウム
(2)リボヌクレオタイドナトリウム
日本国内
“IN”
“WP”(ダブルプラス)
海外
“AJITIDE” IMP
“AJITIDE” I+G

2.タイ味の素(株)の概要
・社名

AJINOMOTO CO., (THAILAND) LTD.
・設立

1960年4月
・本社所在地

タイ国バンコク市
・社長

三本侃治(みもとかんじ)
・主要生産品

調味料・食品・飼料用アミノ酸
・資本金

796百万タイバーツ(約21億円)
・株主構成

味の素(株) 74.30%
・従業員数

840 (内日本人出向者 30)
・グループ売上高

172億タイバーツ(約470億円)
2003年11月末 タイバーツ=2.74円

3.タイ味の素(株)カンペンペット第2工場(新工場)
・工場所在地

タイ国カンペンペット県
・工場長

城下欣也(しろしたよしなり)
・敷地面積

約180ヘクタール・・・カンペンペット工場の総敷地面積(含む第1工場)
・本格生産開始時期

2003年11月
・従業員数

110 (内日本人出向者 5)
・主要生産品

核酸系調味料(リボヌクレオタイドナトリウム:イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムの混合物)

4.タイにおける味の素グループの事業概要
1)
アセアン本部
アセアン全体の統括本部。アジアにおける事業戦略の構築や各法人のとりまとめを行う。
2)
タイ味の素(株)
風味調味料、加工食品、飼料用アミノ酸の製造販売会社。 
・プラパデン工場(バンコク郊外)

AJI-NO-MOTORos DeeAJI-NO-MOTO Plus
Birdy 3 in 1 instant coffeeLite sugarの生産
・パトムタニ工場(バンコク郊外)

飼料用アミノ酸の生産
・カンペンペット工場(カンペンペット県)

第1工場にてAJI-NO-MOTO を生産
第2工場にて核酸系調味料を生産
・Thai Technology and Engineering Center (T-TEC):タイ国内工場の支援と教育



3)
ワンタイフーヅ(株)
即席麺(Yum Yum)、レトルト食品他の製造・販売
4)
タイ味の素冷凍食品(株)(アユタヤ)
冷凍食品の製造・販売
5)
タイ味の素ベタグロ冷凍食品(株)(ロブリ・タイ中部)
冷凍食品の製造・販売
6)
タイ味の素カルピスビバレッジ(株)(アユタヤ)
ストレート飲料の製造・販売
7)
タイ味の素販売(株)(バンコク)
調味料、即席麺、飲料、飼料用アミノ酸等の販売
8)
フジエース(株)(バンコク)
包装材料の製造・販売


 
以 上