2003年7月30日

   味の素 グローバルロジスティックス対応基盤となる
SCMパッケージを導入    
GCIへも参加し、国境を越えた情報システムの連携に対応

 味の素株式会社(社長:江頭邦雄 本社:東京都中央区)は、国境を越えた情報システムの
連携を目指し、GCIに参加して研究を進めています。当社は今般、調味料・食品カンパニー向けに、グローバル展開可能なSCMパッケージを採用し、家庭用製品など約1800品目を対象にプロジェクトを開始しました。またこれら情報戦略立案・推進体制強化を図るため、7月、情報戦略部を新設しました。 


1.SCMシステムパッケージの導入
 当社は従来から基幹業務系の社内情報システム開発を進めていますが、今回、調味料・食品カンパニー向けに、マニュジスティックス社のSCMパッケージの採用し、この7月からプロジェクトを立ち上げました。
 今回のシステムでは、調味料、レトルト、スープなどの家庭用商品、外食用商品、加工用商品約1,800品目を対象としています。過去の販売実績を用いた予測精度の検証や、加工用商品に対する適応性の評価に加え、グローバル展開をも考慮しシステムを採用しました。 
 このシステムの導入により、国内外の取引先や原料調達先とのシステム連携が必要になった時や、生産拠点の変更などに、柔軟に対応するための企業間のシステム連携基盤を構築することも目指しています。これを機に、単なるシステム導入にとどまらず、生販在の一元管理、管理サイクルの短縮化など、業務改革をあわせて推進していきます。

2.国際標準化活動・日本の業界標準化活動への積極的な参加
 当社は、世界の大手小売業と大手消費財メーカーが集まって企業間システム連携の標準化活動を進めるGCI(*)へ2002年5月から参加しました。日本の商習慣を国際標準決定組織に提言していく流通システム開発センターへの協力、日本の消費財に関わる小売・卸・メーカー三層の各社が集まって企業間システム連携のグローバルな標準化動向を理解・共有化し、業界全体として無駄のない各社のシステム連携を目指したGCI研究会の活動などをさらに進めていきます。
(*)GCI:Global Commerce Initiatives

3.情報システム体制の強化
 従来、経営・情報企画部 情報企画グループ7名と情報システム子会社である味の素システムテクノ300余名の体制でした。本年7月、経営・情報企画部から情報部門を分離独立させ、情報戦略部としました。要員面でも、本年4月の4名増員に加え、更に7月に10名強化し、計21名体制に強化し、情報戦略立案・推進体制を強化しました。この新体制により、昨年度に策定した「グループ情報化計画」の国内外の諸プロジェクトの推進、企業間システム連携のグローバル動向への諸活動、「「選択と集中」と「拡大」」や「高収益構造への転換」などグループ経営を支える情報基盤の構築を行います。

<参考資料>

導入の背景
 企業の枠を越えて、情報システムが連携される時代になりました。業務や組織を企業の枠を越えて再編成することにより、効率的な業務運営体制が構築でき、うまくシステム連携させることにより、人間を介さずに迅速に業務を遂行できるようになりつつあります。
 このような状況で、情報システム連携を、低コストで、迅速に行うためには、システム連携の標準が必要です。企業の枠のみならず、さまざまな取引先とのシステム連携や対象業務が日々ひろがっていくトレンドを考えた時、システム連携標準は、非常に重要です。
 標準外のシステム連携を行うことは、当該企業にとって、接続先や対象業務ごとに個別対応することになります。すなわち、連携業務の増加がそのまま情報システム費用の増加になり、収益圧迫要因になりかねません。今日、システム連携標準は、グローバルに検討され、国境を越えた効率的な企業間の業務連携を進めようという流れが加速しています。
 この動向に対して積極的に向かい合うことが、企業の収益力強化、日本企業の国際競争力確保につながると考えます。標準外の個別企業ごとのシステム連携は、最終的には商品価格に転嫁されるか、収益力の低下を招きます。

以 上