2002年4月 |
FAOワークショップにて、飼料タンパク利用における アミノ酸の役割について講演のお知らせ |
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1.講演内容 | ||
(1)日 時 | : | 4月30日14時−15時 |
(2)場 所 | : | タイ国 バンコク Siam City Hotel にて開催 |
(3)テーマ | : | “Lysine and other amino acids for feed: production and contribution to protein utilization in animal feeding” (リジンとその他のアミノ酸の飼料への添加が、タンパク供給や環境保護に貢献している) |
(4)講演者 | : | 味の素㈱ 海外食品・アミノ酸カンパニー 飼料部 取出恭彦 (農学博士) |
内容の骨子: | 飼料用アミノ酸の添加が、タンパク供給や環境保護に貢献しているという内容を以下の骨子で講演します。 |
1) | 飼料用アミノ酸の生産について 飼料用アミノ酸の生産量は近年拡大しており、2000年の世界市場はメチオニン50−60万トン、リジン50−60万トン、スレオニン 3万トン、トリプトファン1000トンと推定される。 製法として、主に飼料用アミノ酸は発酵法によって作られる。 |
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2) | 飼料用アミノ酸の応用 家畜に与える飼料中、蛋白質のアミノ酸含量と動物の要求量の比較により不足しているアミノ酸の順位(制限アミノ酸)が推定される。例えば豚では第1制限アミノ酸がリジン、第2がスレオニン、第3がトリプトファンであり、近年アミノ酸製造コストダウンが進んだため、第3制限アミノ酸まで使用が広がっている。 家畜が栄養バランスよく適量の飼料を摂取することは、生育が良く保たれ排泄物も減る。 |
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3) | 蛋白供給に対する貢献 飼料用アミノ酸の利用により、飼料中の蛋白源(大豆粕等)の使用を削減することができる。現在の世界の総リジン使用量(55万トン)は、大豆粕18百万トンの節約に相当し、これは米国における大豆粕生産の約半分にあたる量であり、飼料用アミノ酸の蛋白質の有効利用に対する貢献は大きい。 |
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4) | 環境問題に対する貢献 畜産業による窒素汚染の問題は深刻になってきている。飼料用アミノ酸の利用により、 飼料の低蛋白化を進め、窒素排出を顕著に低減することができる。ヨーロッパ、日本 等では、この目的のアミノ酸使用が拡大している。 |
参考資料 | ||
「FAO ワークショップの概要」 | ||
タイトル | : | FAO Expert Consultation and Workshop on Protein Sources for Animal Feed Industry |
日 時 | : | 2002年4月29日から5月3日開催 |
場 所 | : | バンコク |
概 要 | : | FAO (国際連合食糧農業機関)(本部ローマ) が主催。 畜産飼料用の蛋白源の問題について、各国の専門家がプレゼンを行い、討議する。主要なテーマは人間にとって良質な蛋白源としての畜肉の生産に必要な、飼料蛋白をいかに確保し、効率よく利用するか、についてである。 |
以上 |
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