2000年9月
味の素ファインテクノ株式会社
エポキシ樹脂用潜在性硬化剤・硬化促進剤「アミキュア」増産について
 味の素ファインテクノ株式会社(以下AFT社)は、エポキシ樹脂用潜在性硬化剤・硬化促進剤「アミキュア」の供給能力を倍増いたしました。

 「アミキュア」は近年国内で着実に市場を広げると共に、アメリカ、欧州(海外商標「AJICURE」)でも電子部品、自動車部品の接着やプリプレグFRPなどの複合材に採用件数がふえており、年率110%以上の成長をしております。この需要にお応えするため、この度「アミキュア」の新しい製造設備をAFT社川崎工場内に完成し、本格的な生産を開始しました。これまで「アミキュア」は味の素㈱の東海工場(四日市市)で生産しておりましたが、同じ規模の生産設備をAFT社川崎工場内に新設したものです。これにより「アミキュア」の供給能力は倍増したことになります。なお、近い将来東海工場の設備もAFT社に移設し、生産拠点を一体化する予定でおります。
 「アミキュア」は、加熱することによって反応が開始するエポキシ樹脂用硬化剤で、常温ではエポキシ樹脂用主剤に混合しても硬化しない"潜在性(一液性)"です(*1)。80℃という低温で硬化し、硬化物の物性にも優れている為、電子材料や自動車向け接着剤、スポーツ用品向け成形物等、各方面で使用されております。
 「アミキュア」の代表的な品目は、PN−23、MY−24で、一液での長期保存が可能であり、また硬化も低温(80℃)で速硬化(30分)する特徴をもっています。
 新製品開発も積極的に行ない、昨年、「アミキュア」の保存安定性を飛躍的に改良した品種、PN−31、PN−40、PN−40Jを発売いたしました。
 化審法、米国TSCA、欧州EINECS等は登録済みであり、マーケティング面でもグローバルな展開を進めることにより、早期に「アミキュア」ビジネスを年間10億円とすることを目指しています。

*1潜在性硬化剤:現場で使用する度に混合する必要がなく、配合ミス防止や一定品質を確保でき、使用後あまった配合物は一定期間硬化せずに保存できます。 混ぜた状態で保管できるため"一液性"とも呼ばれ、混ぜると直ちに硬化が 始まる"二液性"と区別されています。


以 上
<味の素ファインテクノ株式会社 概要>
味の素ファインテクノ株式会社は、味の素株式会社の全額出資子会社の三工株式会社を母体として、味の素株式会社アミノサイエンス事業本部化成品部の樹脂添加剤事業と研究開発部で取り組んできた電子材料事業を統合して1998年10月1日に発足いたしました。
 "低環境負荷・安全性・独自技術"を事業方針とし、"迅速性・品質"を重視した運営をしていく考えです。組織は難燃剤・安定剤・硬化剤を担当する機能化学品事業部と、プリント配線板周辺材料などを担当する電子材料事業部及び活性炭事業本部の3事業部体制です。
 新会社の現在の売上高は約90億円です。オリジナリティーある技術で市場を開拓し早期に100億円の売上高達成を当面の目標としています。
独自の技術で開発し、製造・販売してきたエポキシ樹脂用潜在性硬化剤・硬化促進剤「アミキュア」は電子部品の接着・封止、自動車部品の接着、複合材料、粉体塗料などの用途で実績があり、中でも電子部品関連分野ではトップシェアといえるまでに成長してきております。アメリカ、ヨーロッパなど海外での知名度も高く、売上を着実に伸ばしています。ここで培ったエポキシ樹脂関連技術をベースに電子材料の大型商品の開発を進めております。また、環境対応型樹脂添加剤の開発にも重点を置いており、ノンハロゲン難燃剤、非重金属系安定剤の開発を進めております。

 ≪味の素ファインテクノ株式会社≫
味の素株式会社子会社
代表取締役社長辻谷 強司(つじや つよし)
資 本 金315百万円
本社所在地神奈川県川崎市鈴木町1番2号
ホームページアドレス http://www.ajinomoto-fine-techno.co.jp
従業員数 約120名
株   主味の素株式会社 94.4%
その他      5.6%