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「ゆでる」は地味だが役に立つ〜 メリットだけじゃない!そばが鍋底にくっつかない方法も教えます

料理ができたらいいな……と思ってはいるものの、レシピを見てもどこから手をつけていいのかわからない。スーパーマーケットに行ってもどんな食材や調味料を買えばいいのかわからず、ただただ立ち尽くす……。

そんな“非料理男子”のフリーライターMさんが、予備知識以前のギモンや謎を解明し、料理男子を目指します。

今回のテーマは「ゆでる」。沸騰した湯に入れるだけ、という、わざわざ注目するまでもない調理法のように思われますが、そこには思わぬ底力が秘められていました。

そばが鍋底にくっつかないゆで方のポイント3つ

こんにちは。「非料理男子ライター」のMです。

挨拶もそこそこにいきなり本題に入りますが、今回は「ゆでる」について学びます。

「え? なんで『ゆでる』なの?」

そう戸惑う読者がいても無理はありません。料理の世界には様々な調理方法が存在します。「煮る」「焼く」「揚げる」……などなど。

そんななか「ゆでる」はどちらかというと地味なイメージ。ポピュラーな調理方法を差し置いてなぜ「ゆでる」なのか。経緯はこうです。

ことの発端は昨年の大晦日。この日は年越しそばが欠かせません。ハロウィンやクリスマスなどと違って、私のような単身世帯でも関わることのできるありがたいイベントです。
さっそくスーパーで生そばとめんつゆを調達することにしました。

ぐらぐらとお湯が煮立った小鍋に生そばを投入。数分後にはおいしい年越しそばとご対面のはずが――。

そばを湯切りしようとザルにキャッチしたところ、なんと! そばが鍋底にがっしりとくっついているではありませんか。おまけにそば同士がくっつきダマ状になり喉越し最悪! なんともUnhappy New Yearな幕開けとなりました。

さっそく調べたところ、そばのゆで方にもコツがありました。

・できるだけ大きな鍋を使う
・たっぷりのお湯に入れる
・箸でほぐしながらゆでる

の3点。

「ゆでる」のメリットとは

新年早々、「ゆでる」について興味がわいてきました。じつは底知れぬ可能性を秘めているのかも……。ということでさらに掘り下げることに。

「ゆでる」とは

熱水(常圧で最高100℃)中で食品を加熱する操作。熱の移動から見て湿式加熱の煮る操作の一つ(『調理用語辞典』より 抜粋)

だそうです。

「湿式加熱」は水分を使った調理方法のこと。「蒸す」や「煮る」も同じカテゴリーです。

油を使う調理方法よりもヘルシーに仕上がるのが特徴です。野菜はゆでると柔らかくなってカサが減るので、生よりもたくさん食べることができるのだとか。

健康が気になりだした私にはなんとも耳よりな情報。たしかにキャベツ半玉を生で食べるのは苦行でしかありませんが、ゆでてしんなりしたものなら結構イケそう。

読者の皆さんも徐々に「ゆでる」の“バイプレイヤーぶり”に気づいてきたころでしょうか。しかし、まだこんなものではありません! 「ゆでる」にはさまざまなバリエーションがあるのです。

たとえば、食材のアク抜きや味を染みこませやすくする下準備としての「下ゆで」、短時間だけ加熱する「湯通し」、魚や鶏肉の表面にだけ熱を通す「湯引き」など、これらの工程なくして完成しない料理は数知れず。じつは侮れないんです!

たっぷり、ひたひた、かぶるくらい……水の量も要注意!

ゆで料理のレシピを見ていると、水の量が表示されていないケースもちらほら。その代わりに「鍋にお湯をひたひたに注いで~」とか「お湯の量はかぶるくらい~」といった表現を目にします。

たっぷり、ひたひた、かぶるくらい……。う~む、違いがまったくわかりません!

水の量が多い順に、

たっぷり:鍋の容量の8割程度まで水を入れて、材料がすっかり沈んだ状態。乾麺やタケノコ、山菜などをゆでる際に使われる。

かぶるくらい:材料の頭が水面の下に沈むくらいの量。じゃがいもや大根などをゆでるときの適量とされる。

ひたひた:材料の頭が水面から見え隠れするくらいの量。どちらかというと煮物のレシピで見かける表現。

といった目安があるそうです。なるほど、これも覚えておきたい表現です。


さて、次に気になるのがゆであがりのタイミング。

お湯から引き上げる見極めポイントはあるのでしょうか? いくつかのレシピを調べたところ料理や食材によって判断基準は多種多様です。

「沸騰してから3分で火をとめる」というゆで時間の具体的な指示から「しんなりするまで」「竹串がすっと通るくらい」など作り手の感覚に頼った指示まで、あらゆる料理に当てはまる最適解はありません。

ビギナーのうちは勘に頼らず、レシピ通りに調理するのがよさそうです。

【脱線コラム】アク抜きの「アク」ってなに?

今回の記事でもたびたび登場する「アク」。いかにも悪そうな名前ですが、これは食品に含まれている苦味やえぐみ、臭みといった“不要な味”の総称です。

アクの成分になる物質は水溶性が多いため、食品を水にさらしたり、ゆでたりすると「アク抜き」ができます。ゆでているとアクが薄茶色い泡になって浮かんでくるのでおたまやスプーンですくい取りましょう。

しかし、アクは素材独自の風味ともいえます。アクをすべて取り除くのがよいと一概にいえないのがおもしろいところです。

ちなみに、「タケノコはアクが強い」。料理ビギナーでも一度は聞いたことがあるはずです。
だからタケノコも調理前にゆでてアク抜きするのが定番なのだそう。おいしく調理するために「ゆでる」は欠かせない工程なんですね!

「タケノコはアクが強い。だからゆでる!」
ひとつ賢くなりました。

いつかなりたい「ゆでに覚えあり」の上級者

それではもう少し実践を意識して、「AJINOMOTO PARK」の「レシピ大百科」を見てみましょう。作り置きに便利な「しっとりゆで鶏」にはじまり「シンガポール風チキンライス」「ゆで豚のごまだれかけ」というメニューもあって、豊富なバリエーションに驚かされます。

スパゲティのレシピもよく見かけます。冒頭で触れたそばをゆでるコツはスパゲティにも使えるので、ぜひ参考にしてみてください。

スパゲティといえば、なんとなく聞いたことがある「アルデンテ」。
こちらはパッケージに表記されているゆで時間より1分早めにお湯から引き上げたらよい、とのこと。髪の毛一本分の芯を残した理想のゆで方です。

また、ゆで野菜も定番ですが、ほうれん草や小松菜は、余熱による火の通りすぎを防ぐため、ゆでたらすぐに水にさらすこと。
一方で、ブロッコリーやキャベツ、そら豆などは水にさらさなくてもOK。ゆであがったらザルにとりましょう。

「ゆでる」には料理の幅を広げる底力があるようです。それに、ある種あいまいな部分が多いため、忠実にレシピと向き合う大切さも教えてくれます。

う~む、シンプルに見えてなかなか奥が深い。「ゆでる」をさらに突きつめていけば、「ゆでに覚えあり」もとい「腕に覚えあり」の料理男子にグっと近づけそうです!

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