トップメッセージ

ステークホルダーの皆様へ

私たち味の素グループは、アミノ酸の研究を起点として、アミノサイエンス®*を軸に成長してきました。1908年に「日本人の栄養状態を改善したい」と願っていた池田菊苗博士が発見した「うま味」を、1909年に創業者・鈴木三郎助が「味の素®」として製品化したことからその歴史が始まりました。この創業時の「おいしく食べて健康づくり」という志は、100年以上経過した現在も、社会課題を解決しながら社会価値と経済価値の共創を目指す取り組みであるASV(Ajinomoto Group Creating Shared Value)として受け継がれています。

昨今の、変化が非常に激しく予測が難しい事業環境下においては、私たちが拠り所とする志(パーパス)がますます重要になっています。このたび、味の素グループの「志」を、従来の「アミノ酸のはたらきで食と健康の課題を解決」のその先を見つめ、「アミノサイエンス®で人・社会・地球のWell-beingに貢献する」へと進化させました。この志には、経営層の思いだけでなく、当社グループの従業員から自発的に生まれた思いや、サステナビリティ諮問会議等をはじめとするマルチステークホルダーの皆様の期待に応えていくという決意が込められています。志の進化にともない、私たちの経営理念である“Our Philosophy”についても進化をさせました。

当社グループは、長期的なサステナビリティの課題やサステナブルな価値創造を追求していくため、2021年4月にサステナビリティ諮問会議を設置し、ありたい姿の実現や長期の企業価値向上にむけて、様々なステークホルダーの皆様と対話を重ねてきました。そして、長期視点で当社グループが取り組むべき重要事項(マテリアリティ)を設定しました。今後、具体的な取り組みやKPI等を経営戦略に盛り込み、測定・開示しながら、ステークホルダーの皆様と対話を重ねてまいります。そして、2030年にむけて、フードシステムで繋がる健康栄養課題の解決と環境への貢献にセットで取り組み、「10億人の健康寿命の延伸」と「環境負荷を50%削減」の2つのアウトカムを実現していきます。

私たちのコーポレートスローガンである“Eat Well, Live Well.”には、当社グループの世界各地にさらなるおいしさをお届けするのはもちろん、毎日の食事を通じた健康づくりへの科学的取組みやアミノサイエンス®により、人類が直面する食糧・医療・環境問題の解決やスマート社会の実現にも貢献していきたいという決意が込められています。食と健康の課題解決のその先へ、アミノサイエンス®により人・社会・地球のWell-beingへ貢献し、“Eat Well, Live Well.”を実現していくために、これからも、従業員一人ひとりの心の底から生まれる「熱意」と、「志」を共有していただける多様なステークホルダーの皆様の共感を原動力とし、ASV実現に邁進し、飛躍的かつ継続的な企業価値向上に努めてまいります。

  • *アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわった研究プロセスや実装化プロセスから得られる多様な素材・機能・技術・サービスの総称。また、それらを社会課題の解決やWell-beingへの貢献につなげる、味の素グループ独自の科学的アプローチ。

取締役 代表執行役社長 最高経営責任者