受賞者インタービュー

飢餓に苦しむ国に送るお米作りを通じて学んだ食材をムダにしないことの大切さ。

「アフリカにお米をー 世界に広げる食エコ」賞 
三重県 ゆきさやクラブ 6年 
中濵 紗也菜さん

2013年度の味の素「食エコKIDs」賞で「アフリカにお米を―世界に広げる食エコ」賞を受賞したのが、三重県鈴鹿市に住む中濵紗也菜さんです。
家族と結成した「ゆきさやクラブ」というこどもエコクラブで、さまざまなエコ活動に取り組んでいます。
とりわけ目を引いたのが、お米を作って飢餓に苦しむ国に届ける「アフリカの田んぼ」プロジェクトへの参加でした。
紗也菜さんのお宅に伺って、参加し始めたきっかけなどをお聞きしました。

参加のきっかけはお姉ちゃん(写真右)。 
当時幼稚園生だった紗也菜さん(写真左)は、それから8年間、毎年楽しみに参加してきました。
田んぼに入ったときに、足の指の間から土が盛り上がる感覚が楽しいという紗也菜さん(写真右)。泥だらけになってもこの笑顔。田んぼが好きなことがよくわかります。最初は、お姉さんとともに、そして今では友だちとともに。活動の輪は広がっています。左は親友の山尾美羽さんです。
楽しんでいるうちに夢中に
なった、中濵家流のエコ活動
「アフリカの田んぼ」には、
お姉さんの後を追い参加
いまや「アフリカの田んぼ」は毎年の恒例行事
小学1年生のときから、「みどりの小道」環境日記と、こどもエコクラブの活動に参加してきた紗也菜さん。きっかけは4歳離れた姉の佑希乃さんがエコ活動に取り組んでいたことでした。
「私は最初はエコの意味が、エコロジーなのかエコノミーなのかもわからなかったんです。でも、節約になればいいと考えて活動を始めることにしたんですよ」。こう話してくれたのはお母さん。楽しんでいるうちに、自然と本格的な活動になってきたとも教えてくれました。
中濵家のエコ活動は、2006年3月に隣の亀山市で開催された「こどもエコクラブ全国大会」に参加してみたことが始まりだったそうです。
また、小学生になったお姉さんが、地域の「ふれあいクラブ」に参加し始めたことも大きなきっかけだったと言います。この団体が活動の一環として、海岸清掃や「アフリカの田んぼ」に参加していたのです。
まず、お姉さんが「アフリカの田んぼ」に参加し、後を追うように紗也菜さんも参加し始めたのでした。
以降、紗也菜さんは8年にわたり、「アフリカの田んぼ」に参加してきました。鈴鹿市内の国際協力田(支援米を作る田んぼ)で田植えを行い、秋に稲刈りをします。収穫したお米は文房具などとともにマリ共和国に送られるのだそうです。
「私たちたちがやるのは田植えと稲刈りだけですが、途中で見に行くこともあります。稲がすくすく伸びているととてもうれしいです」と紗也菜さん。台風で倒れていて悲しい思いをしたこともあるとのことでした。
「アフリカの田んぼ」の活動から、毎日の食エコ活動へ。
「アフリカの田んぼ」を通じて知ったこと、考えたこと 友だちにも広がった、
食を通じての国際貢献
紗也菜さんは「アフリカの田んぼ」を通じて知ったマリ共和国のことを知りたくなり、調べ始めました。
食べる物も仕事もなく、家族を養うために過激派のメンバーになって戦う人がいる、“食べるために命をかける国”であることがわかり、「食べ物があふれている日本人は、好きなものを食べ、お腹が一杯になると食べ残していることを心から反省しないといけない」と考えるようになりました。そのため、「食エコ活動」に取り組むようになったのだそうです。
昨年、紗也菜さんは親友の山尾美羽さんを「アフリカの田んぼ」に誘いました。山尾さんは、「楽しそうだと思って参加しました」と話してくれました。このように参加する人の輪を広げるのはとても大切なことです。
今年、紗也菜さんは小学校を卒業しますが、「アフリカの田んぼ」には、これからもできる限り参加し続けたいと言います。中学生なった紗也菜さんが「アフリカの田んぼ」を通じて、これからも国際貢献と食エコ活動の輪を広げていってくれることでしょう。