味の素グループ 統合報告書2018
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60 常に変化する社会やお客様の声に応え続けるためには、 これまでの視点、やり方にとらわれず、性別、年齢、国籍等に加えて、異なる経験や価値観から生まれる違った着眼点や発想を尊重するダイバーシティの推進が不可欠です。多様な人財の多様な意見を受け入れ、評価し合うことで初めて、多様なお客様のニーズに合う新たな価値を持った製品やサービスの提供ができるからです。これが味の素グループの成長につながり、それによって従業員個人の成長の機会がさらに増え、好循環を生み出して一人ひとりが活躍できることが私の考えるダイバーシティ推進の最終ゴールです。そのためには、従業員が自身のキャリアをつないでいき、つないだキャリアを活かし、またライフイベントに関わらずキャリアの空白を極力作らずに成長の機会を得られるようにすることが重要であると考えています。 当社は、2018年3月に発表された日本の経済産業省と東京証券取引所による「なでしこ銘柄」に初めて選定され、「日本で最も女性も活躍する会社」を目指したこれまでの取り組み内容について、高い評価を頂きました。一方で、2017年に実施した味の素グループの全従業員を対象としたエンゲージメントサーベイでは、ダイバーシティは調査項目の中で相対的に低い結果となり、特にグローバルベンチマーク企業とはまだ差があります。サーベイの結果を踏まえ、ダイバーシティ推進を加速するには、従業員全員の意識改革および風土醸成が急務であり、当社経営会議メンバーに対してアンコンシャス・バイアス研修(各人が無意識に持っているものの見方や偏見に気づく)を実施しました。今後は本研修の従業員への実施、女性の登用を進める委員会の設置、社内広報を活用したダイバーシティの取り組みのグループ全体への共有等を通じて、一層の風土改革を進めます。また、LGBTに関する社内研修の企画、男性への育児家事参加に関する両立支援セミナーの開催等の取り組みについても、まずは味の素(株)から実施し、味の素グループとそこに働く従業員が共に成長し活躍できる環境を整えるべく、ダイバーシティ推進担当としてリーダーシップを発揮していきます。ASVを実現する人財ダイバーシティ推進担当役員メッセージ 野坂 千秋常務執行役員 ダイバーシティ推進担当ダイバーシティの推進は、 味の素グループの成長に 欠かせません。推進担当として、 より一層の組織風土改革に取り組みます。

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